ダブルトップ・ダブルボトムは反転する?2年分検証した結果
ダブルトップとダブルボトムは本当に反転するのか。ドル円の15分足・1時間足・4時間足を2024年と2025年で検証し、ネックライン抜け後10本の反転率、スイング確認本数、勝率、損切り・利確まで比較しました。
ダブルトップは、近い価格に2つの高値があり、その間に安値がある形です。ダブルボトムは上下を反転させた形で、2つの安値と中間高値からできています。どちらも、ネックラインを抜けたあとに値動きが反転方向へ続くと読まれます。
問題は、チャートを後から見ると高値と安値がはっきり見えることです。実際の時点では、右側の足が閉じるまでスイング高値・安値は確定しません。この記事では右側の確認を待ち、ダブルトップなら終値が中間安値を下回った足、ダブルボトムなら終値が中間高値を上回った足から測りました。
スイング確認を左右5本にすると、ネックライン抜けから10本後に反転方向へ進んだ割合が2024年と2025年の両方で50%を超えたのは1時間足だけでした。15分足は49.71%と50.15%、4時間足は46.88%と31.43%です。
ダブルトップ・ダブルボトムは何を測っているのか
計算式を持つオシレーターではなく、3つの価格を結ぶチャートパターンです。
ダブルトップは次の順で判定しました。
- 左右に同じ本数だけ、自分より高い高値がないスイング高値を探す
- 2つのスイング高値が近い価格にあり、その間にスイング安値があることを確認する
- 中間安値をネックラインにする
- 終値がネックラインを下回ったら形が完成したと扱う
ダブルボトムは高値と安値を入れ替えます。中間高値がネックラインになり、終値が上回った足で完成です。
2つの高値・安値の許容差はATR(14)の1.2倍を使い、価格の0.1〜1.0%に収めました。パターンの高さは0.3 ATR以上、2つのスイングの間隔は最大300本です。これらは現在のチャート表示と同じ判定です。
形の確定とネックライン抜けは別の時点
スイング確認5本なら、2つ目の高値・安値は5本後まで確定しません。Swing Periodが30なら30本後です。15分足の30本は7時間30分、1時間足は30時間、4時間足は120時間に相当します。
形を見つけた時点で売買する読み方と、ネックラインを終値で抜けるまで待つ読み方を分けました。後から確定したスイングを高値・安値の足へさかのぼって売買する処理は入れていません。
ダブルトップ・ダブルボトムの設定と読み方
Formiqでは、ローソク足と同じ価格チャート上へ表示します。
| 環境 | 表示方法 |
|---|---|
| Formiq | インジケーター一覧 → チャートパターン |
| TradingView | インジケーター → Technicals → Patterns。Double Top / Double BottomまたはAll Chart Patterns |
| MT4 / MT5 | 高値・安値とネックラインへ水平線やトレンドラインを手動で引く |
TradingViewの公式説明でも、終値が中間安値を下回った時点をダブルトップの完成としています。2つ目の高値が見えただけの段階とは分けられています。
設定はSwing Periodの1項目
| 項目 | 既定値 | 選択範囲 | 意味 |
|---|---|---|---|
| Swing Period | 30 | 5〜100 | 高値・安値の左右で、何本ずつ比較してスイングを確定するか |
数値を小さくすると小さな上下動まで拾うため、表示回数が増えます。数値を大きくすると大きな形だけが残りますが、確定までの待ち時間も長くなります。
チャートではダブルトップを赤、ダブルボトムを緑で表示します。2つの高値・安値を結ぶ線、破線のネックライン、緑の点線で目標価格が描かれます。目標価格は、ネックラインからパターンの高さと同じ値幅だけ反転方向へ進んだ水準です。
一般的な売買ルール
| パターン | 売買開始 | 目標 | 形の失敗を判断する位置 |
|---|---|---|---|
| ダブルトップ | 終値が中間安値を下回ったら売る | ネックラインからパターンの高さぶん下 | 2つの高値の平均より、パターン高の20%ぶん上 |
| ダブルボトム | 終値が中間高値を上回ったら買う | ネックラインからパターンの高さぶん上 | 2つの安値の平均より、パターン高の20%ぶん下 |
売買検証では、ダブルトップで売り、ダブルボトムで買いました。反対側のパターンが成立したら決済し、同じ足では新しい売買を始めていません。
検証の条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 通貨ペア | 米ドル/円 |
| 期間 | 2025-01-01〜2025-12-31。比較用に2024年も同条件 |
| 時間足 | 15分足 / 1時間足 / 4時間足 |
| Swing Period | 5 / 10 / 15 / 20 / 30 / 40 / 50 / 75 |
| 売買開始 | 形の確定時 / ネックラインの終値抜け後 |
| 組み合わせ | 8確認本数 × 2開始時点 = 16設定。3時間足 × 4期間で192行 |
| 決済 | 反対側のパターンまで。損切り・利確なし |
| スプレッド | 0.3pips固定。約定は終値 |
| ロット | 0.1ロット |
| 先読み防止 | スイングは右側の確認本数が閉じた後だけ利用 |
10本後の値動きは、ダブルトップなら下落、ダブルボトムなら上昇をプラスとして集計しました。2024年と2025年の年間集計に加え、2025年を前半と後半にも分けています。
10本後の反転率が両年50%を超えたのは1時間足だけ
スイング確認5本でネックラインを抜けたあと、10本保有した値動きです。売買の重複を除く前に、パターン1件ずつを数えています。
| 時間足 | 年 | パターン数 | 反転方向へ進んだ割合 | 10本後の平均値幅 |
|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 2024 | 690 | 49.71% | +0.47pips |
| 15分足 | 2025 | 680 | 50.15% | +1.27pips |
| 1時間足 | 2024 | 124 | 56.45% | +1.82pips |
| 1時間足 | 2025 | 162 | 51.85% | +4.66pips |
| 4時間足 | 2024 | 32 | 46.88% | −6.06pips |
| 4時間足 | 2025 | 35 | 31.43% | −19.14pips |
1時間足は両年とも50%を超えました。ただしダブルトップとダブルボトムの内訳は同じではありません。1時間足・2024年の10本後は、ダブルトップ55件が43.64%・平均−11.86pips、ダブルボトム69件が66.67%・平均+12.73pipsでした。ダブルトップとダブルボトムをまとめた56.45%だけでは、この差が隠れます。
4時間足は反転を支持しません。2025年はダブルトップ20件が35.00%、ダブルボトム15件が26.67%で、どちらも平均値幅が反転方向と逆でした。
ネックラインの目標到達率は4時間足だけ年をまたげなかった
ネックラインからパターンの高さと同じ値幅へ置く目標と、反対側の失敗水準のどちらへ先に触れたかを300本まで追いました。スイング確認5本です。
| 時間足 | 年 | 完成した形 | 目標へ先に到達 | 失敗水準が先 | 同じ足 / 未到達 |
|---|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 2024 | 690 | 443(64.20%) | 238 | 7 / 2 |
| 15分足 | 2025 | 681 | 439(64.46%) | 238 | 0 / 4 |
| 1時間足 | 2024 | 124 | 81(65.32%) | 42 | 1 / 0 |
| 1時間足 | 2025 | 162 | 107(66.05%) | 54 | 0 / 1 |
| 4時間足 | 2024 | 32 | 23(71.88%) | 9 | 0 / 0 |
| 4時間足 | 2025 | 36 | 18(50.00%) | 15 | 0 / 3 |
15分足と1時間足は両年とも64〜66%でした。ただし、目標までの距離はネックラインからパターン高の1倍、失敗水準までの距離は約1.2倍です。目標到達率だけを勝率として読んでも、同じ利益幅と損失幅にはなりません。
Swing Periodを伸ばすと4時間足の件数が先になくなる
既定値30と、最小値5を比べます。表はネックライン抜け後に売買し、反対側のパターンで決済した年間損益です。
| 時間足 | Swing Period | 2024年の取引回数 | 2024年の年間損益 | 2025年の取引回数 | 2025年の年間損益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 5 | 225 | +459.3pips | 225 | +275.1pips |
| 15分足 | 30 | 19 | −1,405.4pips | 15 | −284.5pips |
| 1時間足 | 5 | 37 | +613.3pips | 53 | −562.7pips |
| 1時間足 | 30 | 3 | +677.6pips | 5 | −235.6pips |
| 4時間足 | 5 | 12 | −187.2pips | 13 | −763.2pips |
| 4時間足 | 30 | 0 | 0.0pips | 3 | +225.3pips |
Swing Period 30は、4時間足・2024年で完成形が0件でした。4時間足・2025年も3取引しかありません。+225.3pipsや勝率33.33%を、15分足225取引の数字と同じ重さでは扱えません。
8通りのSwing Periodで両年とも黒字だったのは、ネックライン抜け後の15分足が2/8、1時間足が0/8、4時間足が2/8です。4時間足の2設定も取引回数が少ないため、黒字設定数だけで4時間足を選ぶ根拠にはなりません。
形の確定時とネックライン抜け後で損益の向きが入れ替わる
Swing Period 5で、売買を始める時点だけを変えました。
| 時間足 | 年 | 形の確定時:取引回数 / 年間損益 | ネックライン後:取引回数 / 年間損益 |
|---|---|---|---|
| 15分足 | 2024 | 499 / −589.9pips | 225 / +459.3pips |
| 15分足 | 2025 | 469 / −195.4pips | 225 / +275.1pips |
| 1時間足 | 2024 | 86 / +1,135.1pips | 37 / +613.3pips |
| 1時間足 | 2025 | 105 / −404.7pips | 53 / −562.7pips |
| 4時間足 | 2024 | 21 / −1,667.2pips | 12 / −187.2pips |
| 4時間足 | 2025 | 27 / −643.3pips | 13 / −763.2pips |
ネックラインを待つと15分足は両年とも赤字から黒字へ変わりました。1時間足と4時間足では同じ改善が起きていません。ネックライン確認は売買回数をほぼ半分にしますが、待てばどの時間足でも安全になるわけではありません。
前年の最良確認本数を翌年へ移すと6通り中3通りが黒字
2024年の最良確認本数を2025年へ、2025年の最良確認本数を2024年へ移しました。売買開始はネックライン抜け後です。
| 時間足 | 選んだ年 | Swing Period | 選んだ年の年間損益 | 移した年の年間損益 | 2025年中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 2024 | 5 | +459.3pips | 2025年 +275.1pips | −360.6pips |
| 15分足 | 2025 | 10 | +685.5pips | 2024年 +288.3pips | −360.6pips |
| 1時間足 | 2024 | 30 | +677.6pips | 2025年 −235.6pips | −262.6pips |
| 1時間足 | 2025 | 50 | +1,875.0pips | 2024年 −443.2pips | −262.6pips |
| 4時間足 | 2024 | 10 | +777.5pips | 2025年 +676.7pips | +568.8pips |
| 4時間足 | 2025 | 15 | +886.9pips | 2024年 −809.1pips | +568.8pips |
移した先でも黒字だったのは6通り中3通りです。2025年を前半と後半に分けると、両方で黒字だったのは24区分中5区分でした。内訳は15分足2/8、1時間足1/8、4時間足2/8です。
勝率60%でも年間損益が赤字になった
既定値のSwing Period 30でネックラインを待った実測です。
| 時間足 | 年 | 取引回数 | 勝率 | 平均利益 | 平均損失 | 年間損益 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 2025 | 15 | 33.33% | +227.16pips | −142.03pips | −284.5pips |
| 15分足 | 2024 | 19 | 31.58% | +195.01pips | −198.11pips | −1,405.4pips |
| 1時間足 | 2025 | 5 | 60.00% | +274.30pips | −529.25pips | −235.6pips |
| 1時間足 | 2024 | 3 | 66.67% | +544.30pips | −411.00pips | +677.6pips |
| 4時間足 | 2025 | 3 | 33.33% | +687.90pips | −231.27pips | +225.3pips |
| 4時間足 | 2024 | 0 | 対象外 | 対象外 | 対象外 | 0.0pips |
1時間足・2025年は勝率60%でも−235.6pipsです。利益3回の平均が+274.30pips、損失2回の平均が−529.25pipsだったためです。5取引しかないので、勝率を設定選びに使える標本でもありません。
ADXと時間帯は年をまたいで同じ改善をしなかった
取引回数を確保するため、Swing Period 5・ネックライン抜け後へフィルターを足しました。
15分足にADX(14)が20以上を加えると、2024年は+459.3pipsから+1,088.1pipsへ増えましたが、2025年は+275.1pipsから−1,005.1pipsへ変わりました。1時間足の東京時間(00〜09 UTC)は2024年25取引・+684.2pips、2025年32取引・+679.1pipsでした。ただし、5つの候補を見たあとで残った時間帯なので、別期間での検定前に採用できる数字ではありません。
固定の損切り30pips・利確60pipsも時間足で結果が分かれました。
| 時間足 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 15分足 | +1,345.8pips(393取引) | +103.9pips(425取引) |
| 1時間足 | +67.1pips(101取引) | +297.2pips(141取引) |
| 4時間足 | −39.3pips(31取引) | −258.3pips(36取引) |
同じ30/60pipsは、15分足では広め、4時間足では狭めです。4時間足の赤字を、ダブルトップやダブルボトムそのものと固定幅のどちらが作ったかは、この表だけでは分けられません。
15分足はスプレッド1.52pipsが損益分岐だった
Swing Period 5・ネックライン抜け後の15分足は、2025年に225取引ありました。スプレッド0で+342.6pips、0.3pipsで+275.1pips、1.0pipsで+117.6pips、2.0pipsで−107.4pipsです。
取引1回につきスプレッドが1回分かかるため、損益分岐は342.6÷225=1.52pipsです。2024年はスプレッド2.0pipsでも+76.8pipsでした。コストへの耐性も年によって同じではありません。
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補足
対象はUSDJPYの2024年1月1日から2025年12月31日です。終値約定、スプレッド0.3pips、0.1ロットで計算しました。スイング判定には対象期間前の足を使っています。右側の確認本数が閉じる前の高値・安値は利用していません。同じ足で目標と失敗水準の両方へ触れた場合は順序を決められないため、別区分にしています。
よくある質問
- ダブルトップとダブルボトムは本当に反転しますか?
- 時間足によって違いました。スイング確認5本・ネックライン終値抜けから10本後を見ると、反転方向に進んだ割合は15分足が2024年49.71%・2025年50.15%、1時間足が56.45%・51.85%、4時間足が46.88%・31.43%でした。2024年と2025年の両方で50%を超えたのは1時間足だけです。
- ダブルトップとダブルボトムはいつ完成したと判断しますか?
- 2つ目の高値・安値がスイングとして確定した時点と、終値がネックラインを抜けた時点は分けて考えます。この記事の主要な売買検証は、ダブルトップなら終値が中間安値を下回った足、ダブルボトムなら終値が中間高値を上回った足から始めました。
- ダブルトップとダブルボトムに向く時間足はどれですか?
- 10本後の反転率は1時間足だけが両年とも50%を超えました。ただしスイング確認5本の売買では、1時間足の年間損益が2024年+613.3pipsから2025年−562.7pipsへ変わっています。4時間足は件数が少なく、同じ設定で2024年12回・2025年13回でした。
- ネックラインを抜けてから入るほうが安全ですか?
- 一律には言えません。スイング確認5本の15分足では、形の確定時に入る売買が2024年−589.9pips・2025年−195.4pips、ネックライン抜け後は+459.3pips・+275.1pipsでした。一方、1時間足のネックライン抜け後は2024年+613.3pipsから2025年−562.7pipsへ変わりました。
- Formiqでダブルトップとダブルボトムを表示できますか?
- できます。チャートのインジケーター一覧から「チャートパターン」を追加すると、ダブルトップは赤、ダブルボトムは緑で価格チャート上に表示されます。設定はSwing Periodの1項目で、既定値は30です。
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