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RSI買われすぎ売られすぎ張り付き70/30逆張りバックテスト

RSIの買われすぎ・売られすぎ:期間別の張り付き確率

RSIが70以上・30以下へ入ったあと、何本続くかを期間7〜50で検証。期間14の1時間足では次の足も張り付く確率が約6割でしたが、期間を変えても逆張りの成績は安定しませんでした。

RSIが70を超えたら買われすぎ、30を下回ったら売られすぎと呼ばれます。この言葉からは、価格が行き過ぎてすぐ反転するように聞こえます。しかし、強い相場ではRSIが水準内に何本もとどまる「張り付き」が起こります。

期間14のドル円1時間足を2023〜2025年で調べると、RSIが初めて70以上へ入った312回のうち、**次の足も70以上だったのは188回、60.3%**でした。30以下では300回中181回、60.3%です。水準へ入った約6割のケースで、次の足も買われすぎまたは売られすぎの状態が続いています。

ただし、長く続く割合には差がありました。70以上が10本以上続いたのは19.2%でしたが、30以下では6.3%です。買われすぎや売られすぎは反転時刻を示すものではなく、直近の値動きが一方向へ偏っている状態を示しています。

期間は7、9、14、21、30、50も比較しました。期間を長くしても張り付き確率は一定方向に変わらず、明確に減ったのは70や30へ到達する回数でした。

0%20%40%60%60.3%60.3%2本以上45.8%41%3本以上30.8%21.7%5本以上19.2%6.3%10本以上最初に水準へ入った足を含む連続本数
70以上(312回)30以下(300回)ドル円1時間足、期間14、2023〜2025年
次の足も70以上または30以下に残る割合は、どちらも約6割でした。10本以上続いた割合は、買われすぎ側が19.2%、売られすぎ側が6.3%です。

RSIの買われすぎ・売られすぎ水準とは

RSIは、直近N本の平均上昇幅と平均下落幅を使い、値動きの偏りを0〜100で表します。

RSI = 100 − 100 ÷(1 + 平均上昇幅 ÷ 平均下落幅)

TradingViewのRSI解説では、70を超える値を買われすぎ、30を下回る値を売られすぎとする一般的な読み方が説明されています。ただし、RSIの計算式が示すのは上昇幅と下落幅の比率です。70や30に到達したこと自体が、次の足で価格が反転する条件ではありません。

この記事でいう「張り付き」は、RSIが正確に100や0になることではありません。70以上または30以下に、終値ベースで何本連続してとどまったかを数えます。期間14のドル円では、今回調べた3つの時間足と3年間を通じて、正確な100または0は一度もありませんでした。

RSIの設定と張り付きの読み方

中心にしたのは、一般的な期間14と70/30です。

項目基準値今回の意味
期間14直近の値動きを平滑化する本数
買われすぎ水準70RSIが70以上の足を買われすぎ側に数える
売られすぎ水準30RSIが30以下の足を売られすぎ側に数える
判定時刻足の終値足が確定してから水準内かを判断する
張り付きの長さ1本以上最初に水準へ入った足を1本目とする

たとえばRSIが 68 → 72 → 76 → 71 → 66 と動けば、70以上の張り付きは3本です。最初の72を1本目とし、76、71まで数え、66で終了します。最初の足だけで70を下回れば1本、次の足も70以上なら2本以上です。

チャート上で確認する場合は、RSIの期間を14、上側の水準を70、下側を30に設定します。Formiq、MT4・MT5、TradingViewでは、RSIはローソク足の下にある別枠へ表示されます。既存のRSI設定検証では、表示方法と30/70の逆張り、50ラインを使う順張りを詳しく扱っています。

検証の条件

項目
対象USD/JPY
期間2023-01-01〜2025-12-31
時間足15分足 / 1時間足 / 4時間足
期間14でRSIを計算できた足74,800 / 18,701 / 4,835本
RSIの期間7 / 9 / 14 / 21 / 30 / 50
水準80/20 / 75/25 / 70/30 / 65/35 / 60/40
張り付き開始前の足では水準外、現在の足で初めて水準内に入る
張り付き終了RSIが水準外へ戻った最初の足
継続確率2本以上 / 3本以上 / 5本以上 / 10本以上続いた回数の割合
逆張り70以上では売り、30以下では買い
約定シグナル足の次の足の始値。実際の売値と買値を使用
保有期間1 / 3 / 5 / 10本

張り付きは、1回の連続した区間を1件として数えました。70以上に10本とどまっても、10件ではなく1件です。年末まで水準外へ戻らなかった区間は、最終的な長さが分からないため集計から除外しています。

逆張りの比較では、水準へ入った直後に取引する方法と、水準外へ戻るまで待つ方法を分けました。どちらもシグナルが確定した足では取引せず、次の足の始値で売買します。各区間を独立した事例として集計しているため、合計pipsは複利運用した口座の利回りではありません。

次の足も水準内にいる確率は約6割

期間14、70/30の設定について、2023〜2025年の張り付きを合計した結果です。

時間足区間数2本以上3本以上5本以上10本以上最長
15分足70以上1,15462.3%43.2%25.4%10.2%37本
15分足30以下1,04958.4%38.5%20.7%7.8%43本
1時間足70以上31260.3%45.8%30.8%19.2%39本
1時間足30以下30060.3%41.0%21.7%6.3%27本
4時間足70以上10370.9%51.5%28.2%8.7%32本
4時間足30以下5367.9%54.7%26.4%5.7%23本

すべての時間足で、次の足まで続く割合は約58〜71%でした。70や30へ入った時点で「行き過ぎたから次は戻る」と決めるより、もう1本は同じ水準内にいるケースのほうが多いという結果です。

4時間足は2本続くだけで8時間に相当します。ただし、対象は買われすぎ103件、売られすぎ53件と少なく、15分足や1時間足より確率の振れが大きくなります。

買われすぎ側は10本以上続くことが多かった

1時間足の結果を、70以上と30以下に分けて年ごとに示します。

区間数2本以上5本以上10本以上最長
202370以上10562.9%30.5%20.0%19本
202330以下8862.5%28.4%10.2%18本
202470以上12262.3%32.8%18.0%39本
202430以下9258.7%18.5%5.4%27本
202570以上8554.1%28.2%20.0%30本
202530以下12060.0%19.2%4.2%14本

次の足まで続く確率は上下でほぼ同じですが、10本以上になると差が広がりました。70以上は2023年20.0%、2024年18.0%、2025年20.0%です。30以下は10.2%、5.4%、4.2%でした。

これは「RSIが高いほど下落しやすい」という意味ではありません。今回のドル円では、強い上昇が続いたときにRSIも70以上へ長くとどまりやすかった、という観測です。張り付きの長さと、その後の価格方向は分けて考える必要があります。

80/20へ変えても、すぐ反転するとは限らない

期間14の1時間足で、水準を変えた結果です。2023〜2025年を合計しています。

水準買われすぎ側:区間数 / 2本以上売られすぎ側:区間数 / 2本以上
80 / 2076 / 57.9%47 / 55.3%
75 / 25163 / 66.3%135 / 53.3%
70 / 30312 / 60.3%300 / 60.3%
65 / 35564 / 64.7%483 / 63.1%
60 / 40800 / 68.0%681 / 64.8%

80/20まで厳しくしても、次の足まで水準内に残った割合は約56〜58%です。ただし、売られすぎ側は3年間で47件しかありません。少数の結果を一般化することはできません。

水準を60/40へ広げると区間数が増え、長い連続も増えます。これは強いシグナルが増えたのではなく、中立に近い値まで同じ区間に含めたためです。異なる水準の張り付き確率を比べるときは、区間数と水準内に含める範囲を一緒に見ます。

期間を変えると張り付き確率より先に発生回数が減った

70/30を固定し、1時間足の期間を7、9、14、21、30、50へ変えました。買われすぎ側と売られすぎ側を合計した3年間の結果です。

期間70以上・30以下だった足区間数2本以上5本以上10本以上最長
727.91%1,55757.7%23.2%6.6%25本
922.23%1,14960.1%25.2%8.4%28本
1413.31%61260.3%26.3%12.9%39本
216.98%30364.7%28.7%13.2%30本
303.20%13256.8%34.1%15.9%29本
500.66%2356.5%34.8%26.1%22本

期間を7から50へ延ばすと、70以上または30以下だった足は27.91%から0.66%へ減り、連続した区間も1,557件から23件へ減りました。期間が長いほどRSIは50付近に寄りやすくなり、70や30へ届きにくくなります。

一方、次の足まで続く確率は56.5〜64.7%で、期間に沿って増減していません。5本以上と10本以上の割合は長い期間ほど高く見えますが、期間50は23区間だけです。売られすぎ側に限ると9区間しかありません。2023年を加えると、期間50の張り付き確率は2年集計の71.4%から56.5%へ下がりました。少数の結果が大きく振れる例です。

0%20%40%60%80%7n=15579n=114914n=61221n=30330n=13250n=23RSIの期間(nは3年間の区間数)
2本以上5本以上10本以上70以上と30以下を合計、ドル円1時間足、2023〜2025年
期間を長くしても、張り付き確率は一定方向へ変わりません。明確に変わったのは区間数で、期間7の1,557回が期間50では23回まで減りました。

買われすぎ側と売られすぎ側を分けても、単純な関係はありません。2本以上続いた割合は、期間7で60.0%と55.1%、期間14でともに60.3%、期間30で59.7%と52.7%でした。期間を変えたときに最も再現しやすく変わったのは、張り付きの長さではなく発生回数です。

期間別の逆張り144条件のうち3年ともプラスは1条件だけ

期間を変えると売買成績が改善するかも確認しました。各時間足で、期間6種類、水準へ入った直後と水準外へ戻った後の2種類、保有期間4種類を組み合わせています。各時間足で48条件、3つの時間足で合計144条件です。

時間足3年ともプラス期間エントリー保有期間事例数1回あたりの平均損益
15分足0/48対象外対象外対象外対象外対象外対象外
1時間足1/4850水準外へ戻った後10本20239回+12.54pips
1時間足1/4850水準外へ戻った後10本202412回+16.82pips
1時間足1/4850水準外へ戻った後10本20252回+10.75pips
4時間足0/48対象外対象外対象外対象外対象外対象外
合計1/144対象外対象外対象外対象外対象外対象外

表のpipsは1回あたりの平均損益です。3年すべてプラスだった1条件も、2025年は2回しか取引していません。期間50が優れていたというより、少ない事例の結果が偶然プラスになった可能性を除けません。

期間を変えるだけでは、張り付き後の逆張りを安定させられませんでした。取引回数を併記せずに平均損益だけを見ると、残った1条件を有望な設定と誤認するおそれがあります。

すぐ逆張りしても、水準外へ戻るまで待っても安定しなかった

張り付きがあるなら、RSIが70以上へ入った直後に売るより、70を下回るまで待ったほうが安全に見えます。TradingViewのRSI Strategyも、売られすぎ水準を上抜けたら買い、買われすぎ水準を下抜けたら売る形です。

1時間足でRSIを期間14、70/30に設定し、買われすぎでは売り、売られすぎでは買い、指定した本数を保有しました。表は実際の売値と買値を使った1回あたりの平均損益です。

エントリー保有期間1回あたりの平均損益
水準へ入った直後1本2023−1.75pips
水準へ入った直後1本2024+1.68pips
水準へ入った直後1本2025−1.69pips
水準へ入った直後3本2023−2.17pips
水準へ入った直後3本2024+1.01pips
水準へ入った直後3本2025−1.67pips
水準へ入った直後5本2023−1.97pips
水準へ入った直後5本2024+0.26pips
水準へ入った直後5本2025−2.29pips
水準へ入った直後10本2023−1.48pips
水準へ入った直後10本2024−2.81pips
水準へ入った直後10本2025−3.87pips
水準外へ戻った後1本2023−3.02pips
水準外へ戻った後1本2024−0.51pips
水準外へ戻った後1本2025−0.96pips
水準外へ戻った後3本2023−2.27pips
水準外へ戻った後3本2024−0.59pips
水準外へ戻った後3本2025−2.61pips
水準外へ戻った後5本2023−0.33pips
水準外へ戻った後5本2024−3.70pips
水準外へ戻った後5本2025−3.13pips
水準外へ戻った後10本2023−1.89pips
水準外へ戻った後10本2024−6.14pips
水準外へ戻った後10本2025+2.00pips

2024年だけなら、水準へ入った直後の1〜5本保有はプラスでした。しかし、同じ条件は2023年と2025年にすべてマイナスです。水準外へ戻るまで待つ方法も、10本保有の2025年以外はマイナスでした。

時間足を変えて5本保有を比べても、入った直後と水準外へ戻った後のどちらにも、3年すべてプラスの時間足はありません。RSIが水準外へ戻ったことは確認材料になりますが、それだけで利益の出る逆張りにはなりませんでした。

−30−20−100+10M152023M152024M152025H12023H12024H12025H42023H42024H420251回あたりの平均損益(pips)
水準へ入った直後に逆張り水準外へ戻ってから逆張り70以上は売り、30以下は買い・5本保有
RSIが水準外へ戻るまで待っても、5本保有の逆張りは安定しませんでした。どの時間足にも、3年すべてプラスになった方法はありません。

この検証で言えること

  1. 70以上・30以下へ入った次の足も、水準内にいる確率は約6割だった。 期間14の1時間足ではどちらも60.3%でした。
  2. 買われすぎ側は長く続きやすかった。 1時間足で10本以上続いた割合は70以上が19.2%、30以下が6.3%です。
  3. 80/20でも張り付きはなくならなかった。 次の足まで続いた割合は80以上57.9%、20以下55.3%でした。
  4. 期間を長くすると、張り付き確率より発生回数が先に減った。 1時間足の区間数は期間7の1,557件から期間50の23件へ減りました。
  5. 期間別の逆張り144条件のうち、3年すべてプラスは1条件だけだった。 その条件も2025年の取引は2回で、期間の優位性を判断できる回数ではありません。

70や30は、反転の時刻を知らせる線ではありません。逆張りに使う場合は、水準へ入った瞬間と水準外へ戻った瞬間を別の条件として検証し、取引回数、保有期間、スプレッドを含めて判断する必要があります。

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補足

  • 対象はドル円の2023〜2025年だけです。株価指数、暗号資産、他の通貨ペアでは張り付きの頻度が変わります。
  • RSIは終値から計算しています。高値や安値の途中で一時的に70や30へ触れたケースは含みません。
  • 前年から続いていた区間と、年末まで水準内に残った区間は、対象年だけでは長さを確定できないため除外しました。
  • 80/20や期間50は区間数が少なく、確率の不確実性が大きくなります。
  • 逆張りの比較は各区間を独立した事例として扱っています。複数の取引が時間的に重なる場合があるため、合計pipsは口座の運用成績ではありません。
  • トレンド、値動きの大きさ、時間帯による絞り込み、損切り、利確は検証していません。

よくある質問

RSIが70以上になったあと、次の足も買われすぎのままである確率は?
期間14のドル円1時間足を2023〜2025年で合計すると、70以上へ入った312回のうち188回が次の足も70以上でした。確率は60.3%です。30以下では300回中181回、60.3%でした。
RSIの買われすぎは何本くらい続きますか?
期間14の1時間足では中央値が2本でした。ただし、70以上が5本以上続いた割合は30.8%、10本以上は19.2%で、最長は39本です。30以下は5本以上が21.7%、10本以上が6.3%、最長27本でした。
RSIの期間を変えると張り付き確率は変わりますか?
期間7、9、14、21、30、50を比べましたが、1時間足で次の足まで続く確率は、上下を合わせて56.5〜64.7%となり、一定方向には変わりませんでした。期間50は23区間だけなので、長い期間ほど張り付きやすいとは判断できません。
RSIが70を超えたらすぐ売り、30を下回ったらすぐ買うべきですか?
今回の結果だけでは勧められません。1時間足で水準へ入った直後に逆張りし、5本保有した1回あたりの平均損益は、2023年−1.97pips、2024年+0.26pips、2025年−2.29pipsでした。
RSIが買われすぎ・売られすぎの範囲から戻るまで待てば改善しますか?
安定した改善はありませんでした。1時間足で水準外へ戻ったあとに逆張りして5本保有すると、平均損益は2023年−0.33pips、2024年−3.70pips、2025年−3.13pipsです。どの時間足にも3年すべてプラスの方法はありませんでした。
RSIの張り付きを避けるなら80/20を使えばよいですか?
水準を80/20へ狭めても、次の足まで続いた割合は80以上で57.9%、20以下で55.3%でした。ただし、対象は76回と47回まで減ります。厳しい水準に変えても、入った直後に反転するとは限りません。

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