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ボリンジャーバンドの期間20は本当に最適?3,024回検証の結果

ドル円のボリンジャーバンドを期間5〜200、偏差0.5〜2σで3,024回検証しました。1時間足では20期間の2年平均が最大でしたが、時間足を変えると結果が変わり、共通したのは約半日〜1日の計算範囲でした。

ボリンジャーバンドの「期間」は、中央の移動平均と標準偏差を何本の終値から計算するかを決めます。初期設定は20ですが、15分足の20本と4時間足の20本では、振り返る時間が5時間と80時間でまったく違います。

そこで、期間を5〜200の12段階、偏差を0.5〜2σの7段階にして、逆張り買い・逆張り売り・終値ブレイクの3つの売買ルールを測りました。結論から言うと、全時間足に共通する一番いい期間はありません。

2年平均が最大だったのは、15分足50本、1時間足20本、4時間足5本です。バー数は50・20・5と離れていますが、実時間に直すと12.5・20・20時間でした。期間のバー数だけでなく、時間足を掛けた計算範囲も確認する必要があります。

06121824M15H1H4最良期間が振り返る実時間(時間)
M15 期間50=12.5時間H1 期間20=20時間H4 期間5=20時間偏差0.5〜2σの2年平均が最大の期間
時間足が長くなると首位のバー数は50本、20本、5本へ下がりますが、実時間では12.5〜20時間に収まりました。期間は数字より先に時間の長さです。

ボリンジャーバンドの期間は何を変えるのか

計算は3段階です。

  1. 直近N本の終値を平均して中央線を作る
  2. 同じN本が中央線からどれだけ散らばったかを標準偏差で測る
  3. 中央線の上下に「標準偏差×偏差」を足し引きする

期間を長くすると中央線の反応が遅くなり、過去の大きな値動きがバンド幅に長く残ります。1時間足・2025年・1σで実測するとこうなりました。

期間平均片幅バンド内で終えた割合年間取引数
512.79pips47.1%934
2028.51pips45.0%277
5046.54pips45.8%103
10065.62pips44.9%68
20088.68pips50.3%46

幅は約7倍になり、取引数は20分の1まで減りました。一方、1σの内側で終えた割合は44.9〜50.3%です。期間を長くするとバンド内に収まりやすくなる、とは限りません。 幅と同時に、平均との差を測る時間の長さも変わるからです。

短い期間には届かない偏差がある

終値を含むN本で平均との差と母標準偏差を計算すると、1本の終値が取れる標準化偏差の上限は √(N−1) です。

期間5の上限は√4=2σです。この記事のブレイク条件は「終値がバンドを厳密に超える」なので、期間5・2σは数学的に成立しません。実測でも、3時間足×4期間区分の12通りすべてが0回でした。

短い期間で遠い偏差を組み合わせると、悪い設定になる前に売買できない設定になります。期間を短くするとバンドが遠い偏差へ届かないため、期間と偏差は独立して選べません。

ボリンジャーバンドの期間設定と読み方

ボリンジャーバンドはローソク足と同じ場所に、中央線・上バンド・下バンドの3本が重なって表示されます。

環境追加する場所
MT4 / MT5挿入 → インディケータ → トレンド → Bollinger Bands
TradingViewインジケーター検索から Bollinger Bands
ブラウザ(Formiq)インジケーター一覧から「ボリンジャーバンド」

設定画面に並ぶ項目

項目初期設定意味
Period20平均と標準偏差を計算する本数
Shift03本の線を左右へ何本ずらすか
Deviations2.000標準偏差を何倍して上下へ置くか
Apply toClose計算に使う価格。今回の検証は終値
Style / Color任意線の色・太さ・種類。計算結果は変わらない

期間を短くすると線は価格へ速く追いつき、売買が増えます。長くすると線は滑らかになり、1回の取引が長くなります。偏差は同じ期間の中でバンドを近づけたり遠ざけたりする設定です。

この記事で測る3つの売買ルール

売買ルールエントリー決済
逆張り買い安値が下バンドへ触れた足の終値で買う反対側の1σバンドへ触れた足の終値
逆張り売り高値が上バンドへ触れた足の終値で売る反対側の1σバンドへ触れた足の終値
順張り終値が上バンドを抜けたら買い、下バンドを抜けたら売り終値が反対側のバンドを抜けたらドテン

偏差記事で0.5〜1.25σが年をまたいで残り、2σも多くの期間で残りました。今回は遠いバンドの少数取引に期間の答えを決めさせないため、0.5〜2σだけを同じ重みで使っています。

検証の条件

項目
通貨ペア米ドル/円
期間区分2025年、比較用の2024年、2025年前半・後半
時間足15分足 / 1時間足 / 4時間足
2025年の本数15分足24,903本、1時間足6,226本、4時間足1,610本
期間5・10・14・20・25・30・40・50・75・100・150・200
偏差0.5・0.75・1・1.25・1.5・1.75・2σ
売買ルール逆張り買い / 逆張り売り / 終値ブレイク
組み合わせ12期間×7偏差×3売買ルール=252設定。3時間足×4期間区分で3,024回
コストスプレッド0.3pips、スリッページ0、0.1ロット
約定シグナル足の終値。決済後の反対方向へのドテンは同じ足、同方向への再エントリーは次の足以降
損切り・利確主検証では使わない。別セクションで追加測定
測定Formiqのバックテスト機能で実行し、全約定価格からpipsを再集計

期間だけの偶然を減らすため、各期間は偏差7種の平均と、7種のうち何種が両方の年で黒字だったかで比べます。

期間は何が一番いいか

時間足ごとに入れ替わり、1つには決まりませんでした。順張りについて、偏差7種の2年平均が最大だった期間です。

時間足首位の期間実時間2025年平均2024年平均両年黒字2025年平均取引数
15分足5012.5時間+1,368.1+1,656.06 / 7463.0
1時間足2020時間+1,067.1+2,058.37 / 7245.6
4時間足520時間+1,260.0+1,470.46 / 6173.1

4時間足の期間5は2σが成立しないので、分母は売買できた6偏差です。3つの首位をバー数だけで見ると50・20・5で共通点がありません。実時間では12.5〜20時間に集まります。

全84設定のうち両方の年で黒字だった数は、15分足59、1時間足53、4時間足26でした。期間20が強かったのは1時間足であり、期間20そのものが普遍的だったわけではありません。

1時間足なら期間20でいいか

1時間足では期間20が2年平均で首位、7偏差すべてが両年黒字でした。順張りを、期間ごとに偏差7種で平均しています。

期間2025年平均2024年平均2年平均2025年平均取引数両年黒字
5+1,174.4+1,211.6+1,193.0692.76 / 6
10+1,560.6+665.4+1,113.0437.36 / 7
14+1,405.8+1,165.9+1,285.8329.96 / 7
20+1,067.1+2,058.3+1,562.7245.67 / 7
25+799.2+885.8+842.5203.46 / 7
30+1,427.1+562.1+994.6169.06 / 7
40+1,161.1+889.6+1,025.3127.67 / 7
50+1,040.7+1,103.8+1,072.3104.16 / 7
75−494.3+1,905.9+705.878.62 / 7
100−1,092.3+1,957.2+432.563.31 / 7
150−1,910.7+2,109.6+99.447.70 / 7
200−2,022.6+1,663.4−179.638.30 / 7

20期間は2年平均が最高で、7偏差すべてが両方の年で黒字です。40期間も7 / 7ですが、2年平均は+1,025.3pipsでした。1時間足で一つだけ出発点を選ぶなら20という答えになります。

ただし75以上は、2024年に大きく勝ち、2025年に負けています。取引数も年38〜79回まで減るので、長期化でノイズが消えたのではなく、特定の長い値動きを少数回拾った形です。

−2k−1k0+1k+2k51014202530405075100150200ボリンジャーバンドの期間
20252024偏差7種の平均・ドル円1時間足・順張り
50を超える期間は2024年に利益、2025年に損失となりました。12期間の順位相関は−0.678で、期間を長くしても翌年へ移りやすくはなりません。

初期設定の20・2σの位置

取引数勝率PF損益
202513243.18%1.235+1,177.5pips
202413741.61%1.270+1,434.6pips

初期設定は首位ではありませんが、両年とも黒字で中央値より上です。期間20が妥当でも、偏差2σまで自動的に一番良いとは限りません。偏差を1σにすると、2025年277回・+1,052.5pips、2024年280回・+2,071.7pipsでした。

去年よかった期間を選べばいいか

1年だけで見た最大値は、別の年で再現しませんでした。

  • 期間10:2025年平均+1,560.6pips、2024年平均+665.4pips
  • 期間150:2024年平均+2,109.6pips、2025年平均−1,910.7pips

期間と偏差を同時に選ぶと差はさらに広がります。

選択年設定選択年の取引数選択年の損益確認年確認年の損益
202510期間・1.75σ271回+2,753.0pips2024+686.0pips
2024150期間・0.5σ53回+3,164.9pips2025−1,772.1pips

1年だけの最高値をそのまま採用するより、20期間のように近い偏差がまとめて残った場所を出発点にするほうが、選び方として無理がありません。

期間20は半年でも安定するか

年間では7偏差すべてが黒字でも、前半と後半の両方で黒字だったのは2偏差でした。2025年を前半と後半に分け、偏差7種の平均を比べます。

期間2025年前半2025年後半両方の半年で黒字
10+745.8+788.97 / 7
14+779.2+603.35 / 7
20−211.0+1,258.52 / 7
40+227.8+916.36 / 7
50+596.3+448.26 / 7

年間では20期間が7 / 7でも、前半と後半の両方で黒字だったのは2偏差です。期間10は7 / 7、40と50は6 / 7でした。

「2年平均が一番」と「半年ごとに安定」は別の基準です。 年間損益を重視するなら20、短い区間で崩れにくいことを重視するなら10・40・50も並べて確認する必要があります。

勝率だけでは期間を選べない

1時間足・2025年の売買があった83設定は、平均214回(19〜1,258回)取引しました。平均勝率は36.3%、平均利益+112.8pips、平均損失−67.9pipsです。

勝率は設定ごとの損益と同じ方向へ動きましたが、期間10は2025年の平均+1,560.6pipsから2024年の+665.4pipsへ低下し、期間150は+2,109.6pipsから−1,910.7pipsへ反転しました。同じ年の勝率だけでは、別の年に使う期間は選べません。

逆張りは反対でした。1時間足で両年黒字だった設定は、買い11 / 84、売り0 / 84です。長い期間の逆張りは2025年だけ良く見えるものが増えましたが、2024年へ移りませんでした。期間の答えは順張りと逆張りで共有できません。

フィルターやコストで変わるか

期間の答えは変わりませんでした。1時間足・20期間・1σの順張りを基準に、入口と出口を変えました。各セルは「取引数・年間損益」です。

条件取引数損益
基準2025277回+1,052.5pips
基準2024280回+2,071.7pips
ADX 20以上2025188回−1,033.2pips
ADX 20以上2024185回−3.9pips
東京時間だけ2025164回+519.4pips
東京時間だけ2024162回+2,139.6pips
ロンドン・NY時間2025207回+1,073.5pips
ロンドン・NY時間2024218回+2,154.3pips
損切り30・利確602025398回+1,687.6pips
損切り30・利確602024419回+1,467.1pips
損切り50・利確1002025323回+1,157.3pips
損切り50・利確1002024345回+1,896.2pips
損切り100・利確2002025297回+1,340.5pips
損切り100・利確2002024292回+1,987.6pips
24本で時間決済2025334回+989.1pips
24本で時間決済2024337回+1,559.0pips

固定の損切り・利確はエントリー約定価格から指定pips離れた約定水準として扱い、到達時はその水準どおりに決済します。

ADXは20・25・30の3水準すべてで基準を下回りました。ロンドン・NY時間だけは両年でわずかに上回りましたが、期間20を別の期間へ置き換えるほどの差ではありません。固定の損切り・利確も、両方の年で基準を上回る組み合わせはありませんでした。

スプレッド感応度は次の通りです。277回の売買シグナルは変わりません。

スプレッド損益
0pips+1,135.6pips
0.3pips+1,052.5pips
1pips+858.6pips
2pips+581.6pips
3pips+304.6pips

損益分岐は4.1pipsです。期間を短くすると売買が増えるため、同じ偏差でもコスト耐性は下がりやすくなります。

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ボリンジャーバンドは何シグマがいいかでは、期間を10〜50に置いて偏差0.5〜4σを比較しています。逆張りと順張りの315通り検証は、入口と出口の組み合わせを広げた検証です。

期間が2本の移動平均線へどう効くかは移動平均線クロスの設定、同じ期間でSMAとEMAの差を測った結果はSMAとEMAはどちらがいいかにまとめています。条件を自分の通貨ペアで再現する手順はプログラミングなしのバックテストで確認できます。

補足

  • 米ドル/円の2024年・2025年だけです
  • いちばん良い期間は時間足で変わりました。ほかの通貨ペアや日足へそのまま移せません
  • 12期間×7偏差から選ぶため、1年だけの最高値には複数比較による上振れが含まれます。確認年も完全に未使用の将来データではありません
  • 期間5・2σのように、計算上成立しない組み合わせがあります。別の標準偏差定義や、終値を計算へ含めない実装では境界が変わります
  • バンドタッチは高値・安値、ブレイクは終値で判定しています。同じ足が上下へ触れた場合、決済後の同方向への再エントリーは行わず、反対方向へのドテンだけを同じ終値で許可します
  • 約定は足の終値、スプレッドは固定です。変動スプレッド、指値の滑り、足の中の値動き順序は再現していません
  • 期間区分の末尾では保有中の取引を終値で決済します。年間と半年の合計は完全には一致しません

よくある質問

ボリンジャーバンドの期間は何が一番いいですか?
今回のドル円では、偏差0.5〜2σの順張りを平均すると、2年平均が最大だったのは15分足50期間、1時間足20期間、4時間足5期間でした。バー数は違いますが、実時間では12.5〜20時間です。全時間足に共通する一つの期間はなく、1時間足なら20を出発点に10・40・50も比べるのが妥当です。
ボリンジャーバンドの期間20は本当に使えますか?
1時間足の順張りでは使える出発点でした。20期間は偏差7種すべてが2024年と2025年の両方で黒字で、7偏差の2年平均は12期間で最大の+1,562.7pipsです。ただし2025年前半は平均−211.0pipsで、両方の半年で黒字だった偏差は2種だけでした。
期間を長くするとボリンジャーバンドはどうなりますか?
線の反応が遅くなり、今回の1時間足・1σでは平均片幅が期間5の12.79pipsから期間200の88.68pipsへ広がりました。年間取引数は934回から46回へ減っています。ただしバンド内で終えた割合は44.9〜50.3%で、期間に比例して増えたわけではありません。
期間5・2σでブレイクが一度も出ないのはなぜですか?
終値を含むN本で平均との差と標準偏差を計算すると、1本の終値が平均との差を取れる上限は√(N−1)σです。期間5では上限がちょうど2σなので、終値が2σを厳密に超える条件は成立しません。3時間足×4期間区分の12通りすべてで取引0回でした。
ボリンジャーバンドの期間はMT4で変更できますか?
変更できます。MT4とMT5ではBollinger Bandsの設定画面にあるPeriodを変更します。初期設定は20です。TradingViewとFormiqにも期間の入力欄があり、期間のほかに偏差、適用価格、表示の色や太さを設定できます。

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