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練行足「反転で売買」は本当に勝てる?1,080通り検証した結果

練行足はブロックの大きさを選べますが、水準が乗る目盛りは選べません。同じ20pipsのブロックで目盛りを10通り動かすと、ドル円2025年の損益は+222から+3,083pipsまで動きました。1,080通りの実測です。

練行足(れんこうあし、Renko)は、時間を捨てたチャートです。値動きが決めた幅ぶん動いたときだけブロックが1つ増え、動かない時間は何も描かれません。だから縦にきれいなブロックが並び、トレンドが見えます。

設定はふつう1つだけです。ブロックの大きさ。

ですが、ブロックの大きさを決めても、チャートはまだ決まりません。水準が乗る目盛りをどこに置くかという選択が残っていて、それはどのチャートも黙って決めています。 20pipsのブロックなら、目盛りの置きかたは20通りあります。

同じ20pipsのブロック・同じルール・同じドル円2025年の15分足で、目盛りだけを10通り動かしました。

0+1k+2k+3k024681012141618目盛りのずらし(pips)
他の9通りの目盛りチャートが描く目盛り(ずらし0)取引回数は1,004〜1,057でほぼ同じ
同じ20pipsのブロック、同じルール、同じ15分足の1年。違いは水準がブロックのどの倍数の上に乗るかだけで、これはどの練行足チャートも決めていて、どれも設定として出していません。損益は+222から+3,083pipsまで開きました。

損益は+221.9pipsから+3,082.5pipsまで開きました。取引回数は1,004回から1,057回で、ほぼ変わっていません。同じだけ売買して、結果だけが13.9倍違います。

練行足は何を計算しているのか

必要なのは終値だけです。

いま水準が148.00にあって、ブロックが10pipsだとします。終値が148.10以上になったらブロックを1つ上に積み、水準は148.10へ動きます。147.90以下なら下に1つ。148.05で終わった足には、何も描かれません。

終値だけでブロックを作るため、水準・時間・ブロックの並びに3つの性質が生まれます。

水準は目盛りの上にしか乗らない

水準はブロックの倍数の上にしか乗りません。10pipsのブロックなら、水準は…147.90/148.00/148.10…のどれかです。

ではその目盛りの列は、どこを起点に並んでいるのか。 148.00から10pipsおきなのか、148.03から10pipsおきなのか。どちらも同じ「10pipsのブロック」で、どちらも正しく、設定として出しているチャートを見たことがありません。

10pipsのブロックなら目盛りは10通り、20pipsなら20通り。実装が黙って1つ選んでいます。

1本の足で、ブロックが何個も出る

終値が水準から35pips離れていれば、その足で3個積まれます。ブロックの数は足の数と一致しません。

ドル円2025年・10pipsのブロックで、ブロックが2個以上出た足は15分足で1,189本、1時間足で1,260本、4時間足で721本ありました。「3ブロック続いた」を見た瞬間には、その3つが同時に確定していることがあります。

開始日は忘れる。ただし何本かかるかはブロック次第

平均足は自分の開始日を忘れません(平均足の記事で測りました)。練行足は忘れます。水準は目盛りの上の整数番地なので、2つの系列が同じ番地に乗った瞬間から完全に一致します。

何本かかるかは、ブロックの大きさで変わります。ドル円2025年、開始位置を変えて突き合わせた実測です。

時間足ブロック中央値95%点
15分足5pips2本8本
15分足20pips11本54本
15分足50pips36本124本
1時間足5pips1本3本
1時間足20pips4本15本
1時間足50pips13.5本36本
4時間足5pips1本2本
4時間足20pips2本5本
4時間足50pips4本14本

一致に必要なのは価格の移動距離であって本数ではないので、ブロックを大きくするほど本数は伸びます。Formiqのバックテストは、この実測に合わせてブロック1pipsあたり8本の助走を取っています(10pipsなら131本、50pipsなら451本)。

練行足の設定と読み方

練行足は線ではなくローソク足そのものの代わりに描かれます。下に別枠は増えません。

環境追加する場所
TradingViewチャート上部の足種メニューから Renko
MT4 / MT5標準のチャート種類に無い。オフラインチャートを作るスクリプトか、ブロックを描くカスタムインジケーターを入れる
ブラウザ(Formiq)チャート種類から練行足を選ぶ

設定ダイアログに並ぶ項目

項目初期設定意味
ブロックの大きさFormiqは10pips(1〜200pips)何pips動いたらブロックを1つ積むか
ブロックの決め方固定値TradingViewは固定値のほかにATRから自動で決める方式も選べる。ATRを選ぶと、大きさが期間ごとに変わる
元にする価格終値終値だけで組むか、高値と安値も見るか。実装で分かれる
反転に必要なブロック数Formiqのバックテストは1(1〜10)逆方向にブロックを積むのに、何ブロックぶん戻す必要があるか。MT4系の作図は2が多い
待つブロック数Formiqのバックテストは3(1〜50)同じ向きが何ブロック続いたら売買するか

この表に無い項目が1つあります。水準がブロックの何倍の位置に乗るか(目盛りの起点)です。 どの環境も設定として出しておらず、実装が黙って1つ選んでいます。この記事の中心はそこで、Formiqのバックテストだけは「目盛りのずらし」(初期設定の0pips)として入力できるようにしてあります。

画面に何が出るか

ブロックが縦に積まれ、上向きと下向きで色が変わります。 動かない時間はブロックが増えないので、同じ時刻の幅でも何も描かれない区間ができます。水準線は引かれません。

売買のルールとして使われている形

もっとも広く紹介されているのは、ブロックの向きが変わったら、その向きについていくという形です。この記事はこれを「ブロックの向きの変化」として測っています。

もう1つよく使われるのが、同じ向きがNブロック続いてから乗る形です。1ブロックだけの反転に振り回されないための待ちで、この記事では2〜5ブロックまで測りました。

ブロックの向きが変わったら売買するルールと、同じ向きが2〜5ブロック続いてから売買するルールを、別々に検証しています。

どこをいじるべきか

ブロックを大きくすると取引回数が減り、小さくすると増えます。 15分足では5pipsで年4,841回、50pipsで252回まで変わりました。反転に必要なブロック数を2にすると、取引回数はさらに43〜84%へ減ります。

TradingViewで1つ注意が要ります。チャート種類を練行足にしたままストラテジーを動かすと、約定価格までブロックの値になります。 後半で測っている差がそのまま乗ります。

検証の条件

項目
通貨ペアUSD/JPY
時間足15分足・1時間足・4時間足
期間2025年(本命)/2024年(アウトオブサンプル)/2025年前半・後半
ブロックの大きさ5・10・15・20・30・50pips
反転に必要なブロック1(出たまま描く)・2(伝統的な作図)
目盛りのずらし0からブロック幅まで10段階
読み方ブロックの向きの変化/同じ向きがNブロック(N=2〜5)
決済反対のシグナルまで保有(エントリーと同じルール)
スプレッド0.3pips
ロット0.1
約定足の終値(ブロックの終値ではありません)
通り数720(本体)+360(目盛り)=1,080

Formiqのバックテスト機能で実測したものです。同じ設定を入力すれば同じ数字になります。

約定はすべて足の終値です。 ブロックの終値ではありません。理由は後半で測ります。

同じ設定でも損益が変わるのはなぜか

画面に出ない目盛りの起点が動くからです。ブロックの大きさ・読み方・年・時間足を固定して目盛りだけを動かすと、年間損益は+221.9から+3,082.5pipsまで変わりました。18通りの実測です。

時間足ブロック10通りの損益チャートが描く目盛り
15分足202510pips−719.9〜+724.5pips1,444.4−676.5pips
15分足202520pips+221.9〜+3,082.5pips2,860.6+1,381.7pips
1時間足202510pips+398.2〜+3,162.3pips2,764.1+2,368.6pips
1時間足202520pips+1,310.9〜+3,805.9pips2,495.0+1,310.9pips
4時間足202530pips−906.9〜+853.9pips1,760.8−906.9pips
4時間足202410pips+706.4〜+1,640.6pips934.2+925.2pips

18通り全部で、目盛りの幅は934.2pipsから2,860.6pipsでした。18通り中5通りでは、目盛り次第で黒字にも赤字にもなります。チャートが描く目盛り(ずらし0)は、18通り中3通りで年間損益が最小、1通りで最大でした。

15分足・2025年・10pipsは極端です。10通りの目盛りのうち黒字は1通りだけで、チャートが描く目盛りはその1通りではありませんでした。

ブロックの大きさを6通り変えたときの幅と比べます。

時間足目盛り10通りの幅ブロック6通りの幅
15分足20251,444.4〜2,860.6pips4,471.5pips0.32〜0.64
15分足20242,402.8〜2,782.7pips1,873.8pips1.28〜1.49
1時間足20252,112.8〜2,764.1pips3,740.0pips0.56〜0.74
4時間足2024934.2〜1,875.2pips3,119.6pips0.30〜0.60

比は0.30から1.49、18通り中3通りでは目盛りのずれのほうがブロック幅より大きいという結果でした。設定できるブロック幅だけでなく、画面に表示されない目盛りの起点も同じpips単位でブロックの位置を変えています。

良い目盛りを選んでおけばいいのか

前年の成績からは選べませんでした。「では良い目盛りを探せばいい」に見えます。2024年でいちばん良かった目盛りを、2025年に当てました。

時間足ブロック2024年に選んだずらし2024年の年間損益2025年の年間損益2025年の中央値
15分足10pips0pips+1,738.7pips−676.5pips−497.0pips
15分足20pips16pips+2,471.1pips+1,569.2pips+1,818.5pips
15分足30pips18pips+3,483.2pips+1,207.6pips+1,723.7pips
1時間足10pips8pips+1,480.0pips+398.2pips+2,272.9pips
1時間足20pips14pips+2,661.7pips+2,038.7pips+2,345.9pips
1時間足30pips18pips+1,975.8pips+1,789.2pips+1,561.4pips
4時間足10pips3pips+1,640.6pips+161.0pips+908.0pips
4時間足20pips2pips+2,387.8pips+1,102.3pips+1,132.1pips
4時間足30pips18pips+1,134.3pips+91.4pips−16.7pips

9通り中7通りで、2024年に選んだ目盛りの2025年年間損益は、同年の10目盛りの中央値を下回りました。目盛りは結果を大きく動かしますが、前年の年間損益から翌年の目盛りを選ぶ根拠は得られませんでした。

実務としての意味は1つです。練行足のバックテスト結果は、そのまま信じるには幅が広すぎます。 目盛りを何通りか動かして、全部の目盛りで残るかどうかを見るしかありません。1通りだけ回して出た数字は、この幅の中のどこか1点です。

練行足に時間足は関係ないのか

関係します。ブロックの中に時間が入っていないのは事実です。ですがブロックを作るのに使うのは足の終値なので、どの足で組むかは残ります。

ドル円2025年、同じ10pipsのブロックです。

時間足足の本数出たブロックブロックが出た足1本の平均値幅ブロック÷値幅逆を向く割合
15分足24,9038,04125.2%6.07pips1.6530.5%
1時間足6,2265,27047.6%12.20pips0.8222.3%
4時間足1,6103,29868.9%24.67pips0.4114.5%

同じ年の同じ値動きで、ブロックの数が2.4倍違います。4時間足では3本に2本がブロックを出すので、圧縮はほとんどかかっていません。15分足では4本に3本が空振りです。

そして直前と反対方向へ進むブロックの割合は、ブロック幅そのものより、ブロック幅をローソク足1本の平均値幅で割った比と連動しました。 この比が1.65、0.82、0.41と下がるにつれて、反対方向へ進む割合も30.5%、22.3%、14.5%へ下がりました。小さいブロックほど同じ方向へ連続しやすくなるため、チャート上ではトレンドが続いているように見えます。

つまりブロックの大きさを選ぶことは、その時間足に対する相対的な粗さを選ぶことであって、時間足から自由になることではありません。

3本続いたらトレンドで合っているか

値動きを1本ずつ並べ替えた系列からも、連続は同じだけ出ました。比べる相手は、同じ年の値動きを1本ずつばらばらに並べ替えた系列です。1本あたりの値幅も、大きく動いた日の分布も、1年の上昇幅も本物のままで、並んでいる順番だけが壊れています。そこから同じブロックを組みます。

10%10%20%20%30%30%40%40%並べ替えた値動き実際の値動き
M15H1H415通りすべてが対角線の上(差は最大2.4ポイント)
1つ前と逆を向くブロックの割合を、実際の1年と、同じ値動きを並べ替えただけの系列で比べたものです。3つの時間足×5つのブロック幅の15通りで、いちばん離れた組でも2.4ポイントしか違いません。

3つの時間足×5つのブロック幅の15通りで測りました。1つ前と逆を向くブロックの割合は、実際の値動きで8.5〜41.6%、並べ替えた値動きで8.5〜43.4%です。15通りのうち差が最も大きい組でも2.4ポイントでした。同じ向きが続く平均ブロック数の差は−0.19から+0.16、ブロックの総数の比は0.96から1.014です。

時間足ブロック値動き逆を向く割合同じ向きが続く平均ブロック数
15分足10pips実際30.5%3.28
15分足10pips並べ替え30.2%3.31
1時間足10pips実際22.3%4.48
1時間足10pips並べ替え22.6%4.43
4時間足5pips実際8.5%11.78
4時間足5pips並べ替え8.5%11.80
4時間足30pips実際27.7%3.60
4時間足30pips並べ替え27.2%3.68

順番を完全に壊した系列が、同じ絵を出します。練行足が見せている連続の長さは、値動きの連続性ではなく、ブロックの大きさと1本の値幅の比で決まっているということです。

理由は作りかたにあります。水準が148.00で価格が148.09にいるとき、上にブロックを積むには終値が148.10になれば足りますが、下に積むには147.90まで落ちる必要があります。同じ向きに進むほうが、向きを変えるより近い。 上と下で必要な値幅が違うので、順番の無い値動きからでもブロックは続きます。

では練行足に意味は無いのか

見た目は同じでも、成績には差が出ました。並べ替えた系列を同じ条件でバックテストして、実際の値動きと比べます。1つの組み合わせにつき並べ替えを10回行い、その平均です。

時間足ブロック取引回数実際の年間損益並べ替えの年間損益
15分足2025年20pips1,007回+1,381.7pips−959.2pips+2,340.9pips
15分足2024年10pips2,287回+1,738.7pips−1,507.9pips+3,246.6pips
1時間足2025年10pips1,176回+2,368.6pips−1,110.9pips+3,479.5pips
1時間足2024年30pips373回+679.9pips+170.4pips+509.5pips
4時間足2025年30pips228回−906.9pips+155.9pips−1,062.8pips
4時間足2024年20pips267回+2,155.8pips+85.1pips+2,070.7pips

3つの時間足×2年×3つのブロック幅の18通りのうち、17通りで実際の値動きが勝ちました。 並べ替えた値動き自体が黒字になったのは18通り中9通りで、平均するとほぼ横ばいです。

ブロックの並びかたは情報を持っていません。 順番を壊しても同じだけ出ます。一方で、成績には差が出ます。 ブロックとブロックのあいだで価格がどれだけ動くかは、順番を壊すと変わるからです。

読むべきはブロックが何個続いたかではなく、そのあいだに何pips動いたか、ということでもあります。

バックテストの成績が良く見える理由

ブロックの終値で約定させると、30通り全部で成績が上がります。ブロックの終値は目盛りの上の価格です。平均足の終値と違って、その値段では確かに取引されています。 ただし、それは足の途中の話です。

ブロックが確定するのは足が引けたときで、そのとき価格はもう水準を通り過ぎています。行き過ぎ幅を測りました。

051015205p10p20p30p50pブロックの大きさ/縦軸は行き過ぎた幅(pips)
M15H1H4ブロック幅に対して17.3〜48.6%。向きは15通りすべてで有利側
ブロックが1つ出来上がった足では、価格はすでにそのブロックの終値を通り過ぎています。2025年のブロックが出た足すべての平均で、ずれは15通りすべてで有利な側に出ました。
時間足ブロック平均の行き過ぎ中央値ブロック比
15分足10pips3.76pips3.20pips37.6%
1時間足20pips7.60pips6.55pips38.0%
4時間足30pips11.80pips10.60pips39.3%
4時間足50pips18.43pips15.75pips36.9%

3つの時間足×5つのブロック幅の15通りすべてで、行き過ぎは必ず有利な側でした。ブロックは動いた方向へ、手前で止まるように積まれるので、そこで買えば実勢より安く、売れば高くなります。100%です。例外はありません。

同じ売買を両方の価格で計算しました。戦略は1文字も変えていません。

時間足ブロック取引回数足の終値での年間損益ブロックの終値での年間損益
15分足2025年5pips4,841回−786.1pips+19,815pips
15分足2025年10pips2,452回+59.1pips+18,040pips
1時間足2025年20pips602回+1,491.5pips+10,500pips
4時間足2025年30pips228回−838.6pips+4,440pips
4時間足2024年50pips112回−799.4pips+3,600pips

3つの時間足×2年×5つのブロック幅の30通りを測って、30通りすべてでブロックの終値のほうが良く、うち4通りは赤字が黒字に反転しました。1取引あたりの上乗せは4.26pipsから39.28pipsです。

上乗せの大きさには式があります。行き過ぎは入口と出口で1回ずつ拾うので、1取引あたりの上乗せ=平均の行き過ぎ×2。3つの時間足×2年×3つのブロック幅の18通りで測った比は0.908から1.024でした。「コスト=取引回数×スプレッド」の符号違いで、ブロックを大きくするほど1取引あたりが増えます。

平均足では終値が4本値の平均という架空の価格でした。練行足の終値は実在した価格です。それでも約定には使えません。実在した価格と、いま約定できる価格は別物です。

ブロック幅は何pipsがいいか

年と時間足で入れ替わるので、1つには決まりませんでした。目盛りをずらさず、反転に1ブロックの作図で、ブロックの向きの変化を6通りのブロック幅で測っています。

年間損益です。

時間足5pips10pips15pips20pips30pips50pips
15分足2025年−2,238.4pips−676.5pips+1,018.4pips+1,381.7pips+2,233.1pips+333.4pips
15分足2024年−135.1pips+1,738.7pips+1,062.3pips+668.3pips+1,080.4pips+800.1pips
1時間足2025年−655.7pips+2,368.6pips+3,084.3pips+1,310.9pips+1,698.6pips+57.7pips
1時間足2024年+456.3pips+498.3pips+2,177.7pips+1,026.0pips+679.9pips+130.7pips
4時間足2025年+759.0pips+1,105.3pips+2,288.0pips+1,356.8pips−906.9pips+284.6pips
4時間足2024年+1,861.6pips+925.2pips+2,286.6pips+2,155.8pips+391.8pips−833.0pips

同じ設定の取引回数です。

時間足5pips10pips15pips20pips30pips50pips
15分足2025年4,841回2,452回1,526回1,007回535回252回
15分足2024年4,508回2,287回1,423回960回572回251回
1時間足2025年1,918回1,176回808回602回370回196回
1時間足2024年1,741回1,117回765回563回373回187回
4時間足2025年612回481回364回312回228回122回
4時間足2024年562回442回343回267回188回112回

年間損益が最大だったブロック幅は、1時間足では2025年も2024年も15pipsですが、15分足では2025年が30pips、2024年が10pipsです。ブロックを小さくすると取引回数が増えます。15分足の5pipsは年4,841回で、スプレッド0.3pipsだけで1,452pipsを払い、2025年は−2,238.4pipsでした。逆に50pipsまで広げると年112〜252回まで減り、4時間足2024年は112回で−833.0pipsです。

Formiqの初期設定は10pipsです。ブロックの向きの変化を、反転に1ブロックの作図で回すと、2025年の年間損益は15分足−676.5pips、1時間足+2,368.6pips、4時間足+1,105.3pipsでした。同じ10pipsでも、時間足によって符号と金額が変わります。

反転に必要なブロック数も測りました。1ブロックは出たまま描く作図、2ブロックはMT4や教科書が使う伝統的な作図で、逆方向はブロック2つぶん戻さないと描かれません。

時間足ブロック反転に必要なブロック数取引回数勝率年間損益
15分足2025年10pips12,452回35.7%−676.5pips
15分足2025年10pips21,256回37.2%+1,520.4pips
15分足2025年50pips1252回33.7%+333.4pips
15分足2025年50pips2113回31.9%−1,821.8pips
1時間足2025年5pips11,918回35.7%−655.7pips
1時間足2025年5pips21,338回37.6%+1,524.4pips
4時間足2025年15pips1364回39.0%+2,288.0pips
4時間足2025年15pips2266回36.8%−297.4pips

3つの時間足×2年×6つのブロック幅の36通りのうち、伝統的な作図が勝ったのは16通りでした。ほぼ引き分けです。ただし内訳は分かれていて、小さいブロックでは2ブロック必要な作図が、大きいブロックでは1ブロックの作図が上回ります。 2ブロック必要にすると取引回数は36通りで43〜84%に減るので、回数が多すぎる側では助けになり、もともと少ない側では削りすぎになります。

何ブロック待ってから売買するか

4通りのうち3通りで2ブロック待つのが一番よく、5ブロック待つとその3通りとも赤字でした。同じ向きがNブロック続くのを待ってから売買する読み方です。Nが1のときはブロックの向きの変化そのものなので、待たない場合の数字は既に測ったものと一致します。20pipsのブロックを、反転に1ブロックの作図で回した年間損益です。

時間足待たない2ブロック3ブロック4ブロック5ブロック
15分足2025年+1,381.7pips+2,070.3pips+1,287.4pips−1,117.5pips−2,351.8pips
15分足2024年+668.3pips+1,668.5pips+1,018.7pips−414.6pips−1,837.9pips
1時間足2025年+1,310.9pips+1,728.2pips−12.3pips+252.3pips−1,918.0pips
1時間足2024年+1,026.0pips+187.9pips+443.9pips+557.5pips+718.8pips

同じ設定の取引回数です。待つほど減ります。

時間足待たない2ブロック3ブロック4ブロック5ブロック
15分足2025年1,007回437回244回162回104回
15分足2024年960回453回255回165回114回
1時間足2025年602回310回201回123回89回
1時間足2024年563回311回195回129回88回

4通りのうち3通りで、2ブロック待つのが一番でした。その3通りは5ブロック待つと−2,351.8pips・−1,837.9pips・−1,918.0pipsの赤字です。ただし2024年の1時間足だけは逆で、5ブロックまで待つほど年間損益が伸びました。

全体でも待つほうが悪くなっています。2025年の年間損益の中央値は、ブロックの向きの変化が15分足+1,166.0pips・1時間足+1,611.5pips・4時間足+786.1pipsなのに対し、Nブロック待つ読み方は15分足−106.6pips・1時間足+290.6pips・4時間足−289.3pipsでした。

なお1本の足で複数のブロックが出るので、連続数は「ちょうどNブロック」ではなく「Nブロックに到達した足」で数えています。3個まとめて出た足は、2ブロック待つ条件も飛び越えて成立させます。

去年うまくいった設定は今年も使えるか

2024年に成績のよかった3設定は取引17〜30回で、翌年は3つとも赤字でした。各時間足60通りのうち、片方の年でいちばん良かった設定を相手の年で見ます。

時間足選んだ年待つブロック数ブロック反転に必要なブロック数選んだ年の年間損益選んだ年の取引回数当てた年当てた年の年間損益
15分足2025年310pips2+2,621.3pips753回2024年+1,427.6pips
15分足2024年550pips1+3,255.7pips17回2025年−805.8pips
1時間足2025年35pips1+3,306.8pips1,000回2024年+839.0pips
1時間足2024年450pips2+2,866.8pips27回2025年−499.0pips
4時間足2025年待たない15pips1+2,288.0pips364回2024年+2,286.6pips
4時間足2024年530pips1+2,484.9pips30回2025年−790.1pips

2024年の年間損益が最大だった3設定は、取引回数が17回・27回・30回でした。3設定とも2025年は−805.8pips、−499.0pips、−790.1pipsの赤字です。 少ない取引回数から出た2024年の年間損益は翌年に続きませんでした。

一方、4時間足で2025年に選んだ設定は364回取引し、2024年も+2,286.6pipsでした。年間損益を比べるときは、同時に取引回数を確認する必要があります。

勝率4割弱でも黒字になる理由

勝ち幅が負け幅の約1.7倍あったからです。2025年の、取引が5回以上あった設定の平均を見ます。

読み方時間足平均勝率平均の勝ち幅平均の負け幅
ブロックの向きの変化15分足36.5%+57.6pips−32.0pips
ブロックの向きの変化1時間足37.2%+69.0pips−38.9pips
ブロックの向きの変化4時間足38.1%+85.5pips−53.3pips
Nブロック待つ15分足36.8%+91.1pips−60.7pips
Nブロック待つ4時間足37.4%+107.7pips−82.7pips

勝率はどれも4割未満です。1時間足のブロックの向きの変化は、勝ち幅+69.0pipsが負け幅−38.9pipsの1.77倍あるので、勝率37.2%でも年間損益が黒字になります。勝率だけを見ると負けている指標に見えます。

フィルター・損切り利確・コスト

1時間足・20pipsのブロック・ブロックの向きの変化を土台に測りました。

条件取引回数年間損益
素のまま2025年602回+1,310.9pips
素のまま2024年563回+1,026.0pips
ADX 20以上2025年395回+834.1pips
ADX 20以上2024年393回−29.8pips
ADX 30以上2025年191回+806.6pips
ADX 30以上2024年184回+176.0pips
ロンドン+NY(UTC 7-21)2025年346回+636.3pips
ロンドン+NY(UTC 7-21)2024年348回+1,013.0pips
東京(UTC 0-8)2025年227回+371.1pips
東京(UTC 0-8)2024年197回−144.5pips
損切り50・利確1002025年536回+1,006.7pips
損切り50・利確1002024年481回+1,569.5pips
損切り100・利確2002025年598回+1,198.0pips
損切り100・利確2002024年544回+1,667.1pips
24本で時間決済2025年596回+1,947.3pips
24本で時間決済2024年561回+1,117.5pips

ADXは両方の年で年間損益を下げました。2025年は+1,310.9pipsが+834.1pips(ADX 20以上)へ、2024年は+1,026.0pipsが−29.8pipsへ落ちています。時間帯で絞っても、2025年は+636.3pips・+371.1pipsとどちらも素のままを下回りました。

損切りと利確は2024年で年間損益を上げ(+1,026.0pips→+1,569.5pips)、2025年では下げました(+1,310.9pips→+1,006.7pips)。改善したのは24本での時間決済だけで、2025年は+1,947.3pipsと素のままより+636.4pipsです。ただし2024年は+1,117.5pipsで+91.5pipsにとどまります。

コストは回数どおりでした。

スプレッド年間損益0pipsとの差取引回数×スプレッド
0pips+1,491.5pips0.0pips0.0pips
0.3pips+1,310.9pips180.6pips180.6pips
1.0pips+889.5pips602.0pips602.0pips
3.0pips−314.5pips1,806.0pips1,806.0pips

取引回数602回にスプレッドを掛けた値と、誤差なく一致します。年間損益がゼロになるスプレッドは、1時間足20pipsで2.48pips、同じ設定を反転に2ブロック必要な作図にすると5.87pips、15分足20pipsで1.67pips、1時間足で3ブロック続くのを待つ設定は0.24pipsでした。3ブロック待つ設定は、スプレッドが0.25pips広がるだけで黒字が消えます。

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補足

  • 対象はドル円の2024年と2025年です。他の通貨ペアや期間は含みません
  • 目盛りは10段階しか測っていません。 20pipsのブロックには20通りの目盛りがありますが、そのうち10通りです。幅の実測は下限として読んでください
  • 並べ替えた系列は、足の中の形を捨てています。 終値だけをつなぎ直しているので、高値と安値の情報は入っていません。終値だけを読むルールと比べる用途にしか使えません
  • 反転の作図は2種類だけです。 実装によっては3ブロック戻さないと反転しないものもあります
  • 練行足そのものの描き方も、実装で違います。 終値で組むか高値安値で組むかは分かれていて、この検証は終値で組んでいます
  • 注文の細かい滑りは入れていません。 スプレッドは固定0.3pipsで、指標発表時の広がりや約定拒否は反映していません

よくある質問

練行足のブロックの大きさは何pipsにすればいいですか?
ドル円の実測では、時間足と年で1位が入れ替わり、固定の答えはありませんでした。2025年の1時間足は15pipsが最も良く(+3,084.3pips・808回)、2024年の同じ時間足でも15pipsが1位(+2,177.7pips・765回)で、最下位は50pipsでした。15分足は2025年に30pips(+2,233.1pips・535回)、2024年に10pips(+1,738.7pips・2,287回)。ブロックを小さくすると取引回数が増えてスプレッドで削られ、大きくすると取引が減って1回あたりの結果のばらつきが増えます。それより先に確認したほうがいいものが、後述する目盛りの位置です。
練行足は時間の概念が無いと聞きましたが本当ですか?
ブロックの中には時間が入っていませんが、どの足の終値を見るかという形で時間足は残ります。同じ10pipsのブロックをドル円2025年で組むと、15分足からは8,041個、1時間足からは5,270個、4時間足からは3,298個のブロックが出ました。同じ年の同じ値動きで2.4倍の差です。ブロックが出た足の割合も25.2%・47.6%・68.9%と変わります。時間足を上げるほど1本の値幅が大きくなり、同じブロック幅でも意味が変わるためです。
練行足のバックテストはなぜ成績が良く見えるのですか?
ブロックの終値で約定を記録しているからです。ブロックの終値は目盛りの上の価格で、実際に取引された価格ではありますが、ブロックが出来上がった時点では価格はもうそこを通り過ぎています。ドル円2025年の1時間足・20pipsのブロックでは、その行き過ぎ幅が平均7.60pipsあり、15通りすべてで有利な側でした。同じ売買をブロックの終値で計算し直すと30通り全部で成績が良くなり、20pipsの1時間足では+1,491.5pipsが+10,500pipsになります。
練行足のブロックが3本続いたらトレンド、で合っていますか?
そう読める根拠は、この検証では見つかりませんでした。同じ年の値動きを1本ずつばらばらに並べ替えてから同じブロックを組むと、ブロックの連続の出かたが実際の年とほとんど同じになります。3つの時間足×5つのブロック幅の15通りで、1つ前と逆を向く割合の差は最大2.4ポイント、同じ向きが続く平均ブロック数の差は−0.19から+0.16でした。連続の見た目そのものは、値動きの順番を壊しても残ります。
練行足はMT4やTradingViewで使えますか?
TradingViewはチャート種類のメニューに練行足があります。MT4とMT5は標準のチャート種類に無いので、オフラインチャートを作るスクリプトやカスタムインジケーターを入れることになります。TradingViewで注意が要るのは、チャート種類を練行足にしたままストラテジーを動かすと約定価格までブロックの値になることです。それがこの記事で測っている差そのものです。Formiqのチャートでも表示でき、バックテスト側ではブロックの向きの変化と連続ブロックを条件にできます。

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