記事一覧
練行足レンコ足順張りインジケーターバックテストドル円

練行足の設定:同じブロック幅で+222から+3,083pips

練行足はブロックの大きさを選べますが、水準が吸着する目盛りは選べません。同じ20pipsのブロックで目盛りを10通り動かすと、ドル円2025年の損益は+222から+3,083pipsまで動きました。1,080通りの実測です。

練行足(れんこうあし、Renko)は、時間を捨てたチャートです。値動きが決めた幅ぶん動いたときだけブロックが1つ増え、動かない時間は何も描かれません。だから縦にきれいなブロックが並び、トレンドが見えます。

設定はふつう1つだけです。ブロックの大きさ。

ですが、ブロックの大きさを決めても、チャートはまだ決まりません。水準が吸着する目盛りをどこに置くかという選択が残っていて、それはどのチャートも黙って決めています。 20pipsのブロックなら、目盛りの置きかたは20通りあります。

同じ20pipsのブロック・同じルール・同じドル円2025年の15分足で、目盛りだけを10通り動かしました。

0+1k+2k+3k024681012141618目盛りのずらし(pips)
他の9通りの目盛りチャートが描く目盛り(ずらし0)取引回数は1,004〜1,057でほぼ同じ
同じ20pipsのブロック、同じルール、同じ15分足の1年。違いは水準がブロックのどの倍数に吸着するかだけで、これはどの練行足チャートも決めていて、どれも設定として出していません。損益は+222から+3,083pipsまで開きました。

損益は+221.9pipsから+3,082.5pipsまで開きました。取引回数は1,004回から1,057回で、ほぼ変わっていません。同じだけ売買して、結果だけが13.9倍違います。

練行足は何を計算しているのか

必要なのは終値だけです。

いま水準が148.00にあって、ブロックが10pipsだとします。終値が148.10以上になったらブロックを1つ上に積み、水準は148.10へ動きます。147.90以下なら下に1つ。148.05で終わった足には、何も描かれません。

ここから3つの性質が出てきます。

水準は目盛りの上にしか乗らない

水準はブロックの倍数に吸着します。10pipsのブロックなら、水準は…147.90/148.00/148.10…のどれかです。

ではその目盛りの列は、どこを起点に並んでいるのか。 148.00から10pipsおきなのか、148.03から10pipsおきなのか。どちらも同じ「10pipsのブロック」で、どちらも正しく、設定として出しているチャートを見たことがありません。

10pipsのブロックなら目盛りは10通り、20pipsなら20通り。実装が黙って1つ選んでいます。

1本の足で、ブロックが何個も出る

終値が水準から35pips離れていれば、その足で3個積まれます。ブロックの数は足の数と一致しません。

ドル円2025年・10pipsのブロックで、ブロックが2個以上出た足は15分足で1,189本、1時間足で1,260本、4時間足で721本ありました。「3ブロック続いた」を見た瞬間には、その3つが同時に確定していることがあります。

開始日は忘れる。ただし何本かかるかはブロック次第

平均足は自分の開始日を忘れません(平均足の記事で測りました)。練行足は忘れます。水準は目盛りの上の整数番地なので、2つの系列が同じ番地に乗った瞬間から完全に一致します。

何本かかるかは、ブロックの大きさで変わります。ドル円2025年、開始位置を変えて突き合わせた実測です。

ブロック15分足(中央値/95%点)1時間足4時間足
5pips2本/8本1本/3本1本/2本
20pips11本/54本4本/15本2本/5本
50pips36本/124本13.5本/36本4本/14本

一致に必要なのは価格の移動距離であって本数ではないので、ブロックを大きくするほど本数は伸びます。Formiqのバックテストは、この実測に合わせてブロック1pipsあたり8本の助走を取っています(10pipsなら131本、50pipsなら451本)。

練行足をチャートに表示する方法

環境手順
TradingViewチャート上部の足種メニューから練行足(Renko)を選ぶ
MT4 / MT5標準のチャート種類に無い。オフラインチャートを作るスクリプトか、ブロックを描くカスタムインジケーターを入れる
ブラウザ(Formiq)チャート種類から選べる。バックテスト側では、ブロックの向きの変化と連続ブロックを条件にできる

TradingViewで1つだけ注意が要ります。チャート種類を練行足にしたままストラテジーを動かすと、約定価格までブロックの値になります。 後半で測っている差がそのまま乗ります。

検証の条件

項目
通貨ペアUSD/JPY
時間足15分足・1時間足・4時間足
期間2025年(本命)/2024年(アウトオブサンプル)/2025年前半・後半
ブロックの大きさ5・10・15・20・30・50pips
反転に必要なブロック1(出たまま描く)・2(伝統的な作図)
目盛りのずらし0からブロック幅まで10段階
読み方ブロックの向きの変化/同じ向きがNブロック(N=2〜5)
決済反対のシグナルまで保有(エントリーと同じルール)
スプレッド0.3pips
ロット0.1
約定足の終値(ブロックの終値ではありません)
通り数720(本体)+360(目盛り)=1,080

Formiqのバックテスト機能で実測したものです。同じ設定を入力すれば同じ数字になります。

約定はすべて足の終値です。 ブロックの終値ではありません。理由は後半で測ります。

目盛りを10通り動かすと、結果はここまで動く

ブロックの大きさ・読み方・年・時間足を固定して、目盛りだけを動かした18通りです。

時間足ブロック10通りの損益チャートが描く目盛り
15分足202510pips−719.9〜+724.5pips1,444.4−676.5pips(8位)
15分足202520pips+221.9〜+3,082.5pips2,860.6+1,381.7pips(7位)
1時間足202510pips+398.2〜+3,162.3pips2,764.1+2,368.6pips(4位)
1時間足202520pips+1,310.9〜+3,805.9pips2,495.0+1,310.9pips(10位)
4時間足202530pips−906.9〜+853.9pips1,760.8−906.9pips(10位)
4時間足202410pips+706.4〜+1,640.6pips934.2+925.2pips(8位)

18通り全部で、目盛りの幅は934.2pipsから2,860.6pipsでした。18通り中5通りでは、目盛り次第で黒字にも赤字にもなります。チャートが描く目盛り(ずらし0)の順位は10通り中央値7位で、最下位が3回、最上位が1回でした。

15分足・2025年・10pipsは極端です。10通りの目盛りのうち黒字は1通りだけで、チャートが描く目盛りはその1通りではありませんでした。

ブロックの大きさを6通り変えたときの幅と比べます。

時間足目盛り10通りの幅ブロック6通りの幅
15分足20251,444.4〜2,860.6pips4,471.5pips0.32〜0.64
15分足20242,402.8〜2,782.7pips1,873.8pips1.28〜1.49
1時間足20252,112.8〜2,764.1pips3,740.0pips0.56〜0.74
4時間足2024934.2〜1,875.2pips3,119.6pips0.30〜0.60

比は0.30から1.49、18通り中3通りでは目盛りのほうが広いという結果でした。ふつうは唯一のつまみのほうが効きますが、桁が同じです。設定できないものが、設定できるものと同じ桁で結果を動かしています。

どの目盛りが良かったかは、翌年に引き継がれない

「では良い目盛りを探せばいい」に見えます。2024年でいちばん良かった目盛りを、2025年に当てました。

時間足ブロック2024年の最良2025年の順位順位相関
15分足10pipsずらし0pips(+1,738.7)8位/100.467
15分足20pipsずらし16pips(+2,471.1)6位/10−0.164
15分足30pipsずらし18pips(+3,483.2)8位/10−0.345
1時間足10pipsずらし8pips(+1,480.0)10位/10−0.479
1時間足20pipsずらし14pips(+2,661.7)7位/100.261
1時間足30pipsずらし18pips(+1,975.8)3位/100.127
4時間足10pipsずらし3pips(+1,640.6)10位/100.091
4時間足20pipsずらし2pips(+2,387.8)6位/100.261
4時間足30pipsずらし18pips(+1,134.3)3位/100.527

9通り中2通りで最下位、7通りで中央値以下です。目盛りは結果を大きく動かすのに、良し悪しは翌年に残りません。 これは「選べないパラメータ」の典型的なふるまいで、つまり選ばないほうがいい。

実務としての意味は1つです。練行足のバックテスト結果は、そのまま信じるには幅が広すぎます。 目盛りを何通りか動かして、全部の目盛りで残るかどうかを見るしかありません。1通りだけ回して出た数字は、この幅の中のどこか1点です。

時間は消えていない:同じブロック幅が時間足で別の絵になる

練行足は時間を捨てたと言われます。ブロックの中に時間が入っていないのは事実です。ですがブロックを作るのに使うのは足の終値なので、どの足で組むかは残ります。

ドル円2025年、同じ10pipsのブロックです。

時間足足の本数出たブロックブロックが出た足1本の平均値幅ブロック÷値幅逆を向く割合
15分足24,9038,04125.2%6.07pips1.6530.5%
1時間足6,2265,27047.6%12.20pips0.8222.3%
4時間足1,6103,29868.9%24.67pips0.4114.5%

同じ年の同じ値動きで、ブロックの数が2.4倍違います。4時間足では3本に2本がブロックを出すので、圧縮はほとんどかかっていません。15分足では4本に3本が空振りです。

そして逆を向くブロックの割合は、ブロックの大きさそのものではなく、ブロックの大きさを1本の値幅で割った比で決まっています。 上の表で1.65/0.82/0.41と並ぶところで、割合は30.5/22.3/14.5%と並びます。ブロックを小さく取るほどきれいなトレンドに見えるのは、ここが理由です。

つまりブロックの大きさを選ぶことは、その時間足に対する相対的な粗さを選ぶことであって、時間足から自由になることではありません。

ブロックの並びは、値動きを並べ替えても同じだけ出る

「3ブロック続いた」に意味があるかを測りました。対照群は、同じ年の1本ずつの値動きをばらばらに並べ替えた系列です。値幅も、テールも、1年の上昇幅も本物のままで、順番だけが壊れています。そこから同じブロックを組みます。

10%10%20%20%30%30%40%40%並べ替えた値動き実際の値動き
M15H1H415通りすべてが対角線の上(差は最大2.4ポイント)
1つ前と逆を向くブロックの割合を、実際の1年と、同じ値動きを並べ替えただけの系列で比べたものです。3つの時間足×5つのブロック幅の15通りで、いちばん離れた組でも2.4ポイントしか違いません。

3つの時間足×5つのブロック幅の15通りで、1つ前と逆を向く割合は実測8.5〜41.6%、並べ替えでは8.5〜43.4%。差は最大2.4ポイントでした。平均連続数の差は−0.19から+0.16、ブロックの総数の比は0.96から1.014です。

時間足ブロック実測の逆行率/平均連続並べ替え
15分足10pips30.5%/3.2830.2%/3.31
1時間足10pips22.3%/4.4822.6%/4.43
4時間足5pips8.5%/11.788.5%/11.80
4時間足30pips27.7%/3.6027.2%/3.68

順番を完全に壊した系列が、同じ絵を出します。練行足が見せている連続の長さは、値動きの連続性ではなく、ブロックの大きさと1本の値幅の比で決まっているということです。

理由は作りかたにあります。水準が148.00で価格が148.09にいるとき、上にブロックを積むには終値が148.10になれば足りますが、下に積むには147.90まで落ちる必要があります。同じ方向は近く、逆方向は遠い。 この非対称が、順番のない乱数からもトレンドを作ります。

それでも成績は、並べ替えた系列に勝っている

見た目が同じなら成績も同じか、を確かめました。同じ条件で並べ替えた系列をバックテストして、実データと比べます(1セルあたり10回の平均)。

時間足ブロック実測並べ替え
15分足202520pips+1,381.7pips(1,007回)−959.2pips+2,340.9
15分足202410pips+1,738.7pips(2,287回)−1,507.9pips+3,246.6
1時間足202510pips+2,368.6pips(1,176回)−1,110.9pips+3,479.5
1時間足202430pips+679.9pips(373回)+170.4pips+509.5
4時間足202530pips−906.9pips(228回)+155.9pips−1,062.8
4時間足202420pips+2,155.8pips(267回)+85.1pips+2,070.7

18通り中17通りで実データが勝ちました。 対照群自体が黒字だったのは18通り中9通りで、平均するとほぼ横ばいです。

まとめると2行になります。ブロックの並びかたは情報を持っていません。 順番を壊しても同じだけ出ます。それでも成績には差が出ます。 ブロックとブロックのあいだで価格がどれだけ動くかは、順番を壊すと変わるからです。

数えたブロックの本数を読むのではなく、そのあいだに何pips動いたかを読むほうが素直だ、ということでもあります。

終値をブロックの水準にすると何が起きるか

ブロックの終値は目盛りの上の価格です。平均足の終値と違って、その値段では確かに取引されています。 ただし、それは足の途中の話です。

ブロックが確定するのは足が引けたときで、そのとき価格はもう水準を通り過ぎています。行き過ぎ幅を測りました。

051015205p10p20p30p50pブロックの大きさ/縦軸は行き過ぎた幅(pips)
M15H1H4ブロック幅に対して17.3〜48.6%。向きは15通りすべてで有利側
ブロックが1つ出来上がった足では、価格はすでにそのブロックの終値を通り過ぎています。2025年のブロックが出た足すべての平均で、ずれは15通りすべてで有利な側に出ました。
時間足ブロック平均の行き過ぎ中央値ブロック比
15分足10pips3.76pips3.20pips37.6%
1時間足20pips7.60pips6.55pips38.0%
4時間足30pips11.80pips10.60pips39.3%
4時間足50pips18.43pips15.75pips36.9%

15通りすべてで、行き過ぎは必ず有利な側でした。ブロックは動いた方向へ、手前で止まるように積まれるので、そこで買えば実勢より安く、売れば高くなります。100%です。例外はありません。

同じ売買を両方の価格で計算しました。戦略は1文字も変えていません。

時間足ブロック取引足の終値ブロックの終値
15分足20255pips4,841回−786.1pips+19,815pips
15分足202510pips2,452回+59.1pips+18,040pips
1時間足202520pips602回+1,491.5pips+10,500pips
4時間足202530pips228回−838.6pips+4,440pips
4時間足202450pips112回−799.4pips+3,600pips

30通りすべてでブロックの終値のほうが良く、うち4通りは赤字が黒字に反転しました。1取引あたりの上乗せは4.26pipsから39.28pipsです。

上乗せの大きさには式があります。行き過ぎは入口と出口で1回ずつ拾うので、1取引あたりの上乗せ=平均の行き過ぎ×2。18通りで測った比は0.908から1.024でした。「コスト=取引回数×スプレッド」の符号違いで、ブロックを大きくするほど1取引あたりが増えます。

平均足では終値が4本値の平均という架空の価格でした。練行足の終値は実在した価格です。それでも約定には使えません。実在した価格と、いま約定できる価格は別物です。

大きさと反転:ふたつのつまみを動かす

目盛りを0に固定して、ブロックの大きさを6通り測りました(ブロックの向きの変化・反転1)。

時間足5pips10pips15pips20pips30pips50pips
15分足2025−2,238.4(4,841回)−676.5(2,452)+1,018.4(1,526)+1,381.7(1,007)+2,233.1(535)+333.4(252)
15分足2024−135.1(4,508回)+1,738.7(2,287)+1,062.3(1,423)+668.3(960)+1,080.4(572)+800.1(251)
1時間足2025−655.7(1,918回)+2,368.6(1,176)+3,084.3(808)+1,310.9(602)+1,698.6(370)+57.7(196)
1時間足2024+456.3(1,741回)+498.3(1,117)+2,177.7(765)+1,026.0(563)+679.9(373)+130.7(187)
4時間足2025+759.0(612回)+1,105.3(481)+2,288.0(364)+1,356.8(312)−906.9(228)+284.6(122)
4時間足2024+1,861.6(562回)+925.2(442)+2,286.6(343)+2,155.8(267)+391.8(188)−833.0(112)

最良のブロック幅は年と時間足で入れ替わります。2025年の1時間足は15pips、2024年の同じ時間足も15pipsですが、15分足は2025年が30pipsで2024年が10pipsです。小さすぎると回数で削られ(15分足の5pipsは年4,841回、スプレッドだけで1,452pips)、大きすぎると1回あたりのばらつきが残ります。

Formiqの既定は10pipsです。60通り中の順位は、15分足で40位(2025年)と16位(2024年)、1時間足で10位と37位、4時間足で12位と30位。中位から上位のあいだで年ごとに揺れます。

反転に必要なブロック数も測りました。1は出たまま描く作図、2はMT4や教科書が使う伝統的な作図で、逆方向はブロック2つぶん戻さないと描かれません。

時間足ブロック反転1反転2
15分足202510pips−676.5pips(2,452回・勝率35.7%)+1,520.4pips(1,256回・37.2%)
15分足202550pips+333.4pips(252回・33.7%)−1,821.8pips(113回・31.9%)
1時間足20255pips−655.7pips(1,918回・35.7%)+1,524.4pips(1,338回・37.6%)
4時間足202515pips+2,288.0pips(364回・39.0%)−297.4pips(266回・36.8%)

36通り中16通りで伝統的な作図が勝ちました。 ほぼ引き分けです。ただし方向ははっきりしていて、小さいブロックでは反転2が効き、大きいブロックでは反転1が効きます。 反転2は取引を43〜84%に減らすので、回数が多すぎる側では助けになり、もともと少ない側では削りすぎになります。

連続ブロックのはしご

同じ向きがNブロック続くのを待つ読み方です。Nが1のときはブロックの向きの変化そのものなので、はしごの端は既に測ったものに着地します(20pipsのブロック・反転1)。

時間足12345
15分足2025+1,381.7(1,007回)+2,070.3(437)+1,287.4(244)−1,117.5(162)−2,351.8(104)
15分足2024+668.3(960回)+1,668.5(453)+1,018.7(255)−414.6(165)−1,837.9(114)
1時間足2025+1,310.9(602回)+1,728.2(310)−12.3(201)+252.3(123)−1,918.0(89)
1時間足2024+1,026.0(563回)+187.9(311)+443.9(195)+557.5(129)+718.8(88)

2で最良、4以降で崩れる形が3通りに出ました。ただし2024年の1時間足だけは逆に伸びていて、はしごの形自体が年で変わります。

全体では、待つほうが悪くなっています。2025年の中央値は、ブロックの向きの変化が15分足+1,166.0pips・1時間足+1,611.5pips・4時間足+786.1pipsなのに対し、連続ブロックは−106.6・+290.6・−289.3pipsでした。

なお1本の足で複数のブロックが出るので、連続数は「ちょうどN」ではなく「Nに到達した足」で数えています。3個まとめて出た足は、N=2の条件も飛び越えて成立させます。

アウトオブサンプル検定:片方の年の最良を、相手の年に当てる

各時間足60通りのうち、片方の年でいちばん良かった設定を相手の年で見ます。

時間足最良(2025)2024年での成績最良(2024)2025年での成績
15分足連続3/10pips/反転2 +2,621.3pips(753回)+1,427.6pips(24位/60)連続5/50pips/反転1 +3,255.7pips(17回)−805.8pips(42位/60)
1時間足連続3/5pips/反転1 +3,306.8pips(1,000回)+839.0pips(29位/60)連続4/50pips/反転2 +2,866.8pips(27回)−499.0pips(43位/60)
4時間足ブロックの向きの変化/15pips/反転1 +2,288.0pips(364回)+2,286.6pips(2位/60)連続5/30pips/反転1 +2,484.9pips(30回)−790.1pips(43位/60)

2024年の最良3つは、いずれも取引回数が17回・27回・30回しかありません。そして3つとも2025年で42位・43位・43位に沈みました。 回数の少ない設定ほど数字が派手になり翌年反転する、というシリーズ12本で繰り返し出た形がそのまま出ています。

例外は4時間足の2025年最良で、365日で364回売買する設定が2024年でも2位に残りました。回数のある設定は残りやすい、というだけのことでもあります。

順位相関も見ておきます。

時間足2024年↔2025年2025年前半↔後半
15分足0.3700.753
1時間足0.2100.748
4時間足−0.0700.260

年をまたぐと0.37・0.21・−0.07です。半年どうしでは0.75前後まで上がるので、設定の良し悪しはその年の相場つきに乗っていると読むのが素直です。

勝率の扱い

勝率は、ブロックの向きの変化で平均36.5〜38.1%でした。順張りの典型的な形です。

読み方時間足平均勝率平均の勝ち幅平均の負け幅勝率と損益の順位相関
向きの変化15分足36.5%+57.6pips−32.0pips0.615
向きの変化1時間足37.2%+69.0pips−38.9pips0.517
向きの変化4時間足38.1%+85.5pips−53.3pips0.308
連続ブロック15分足36.8%+91.1pips−60.7pips0.811
連続ブロック4時間足37.4%+107.7pips−82.7pips0.438

勝ち幅が負け幅の約1.7倍なので、勝率4割弱でも成立します。シリーズの他の順張り指標と同じ姿です。

ただし勝率と損益の順位相関が0.308から0.811と、これまでの記事より高く出ています。練行足では負け幅が構造的にそろっているからです。1ブロックで向きが変わる読み方なら、負けは「行った先から戻ってきた幅」でほぼ決まります。損失が均されているぶん、勝率がそのまま効きます。

フィルター・損切り利確・コスト

1時間足・20pipsのブロック・ブロックの向きの変化を土台に測りました。

条件2025年2024年
素のまま+1,310.9pips(602回・36.9%)+1,026.0pips(563回・36.8%)
ADX 20以上+834.1pips(395回)−29.8pips(393回)
ADX 30以上+806.6pips(191回)+176.0pips(184回)
ロンドン+NY(UTC 7-21)+636.3pips(346回)+1,013.0pips(348回)
東京(UTC 0-8)+371.1pips(227回)−144.5pips(197回)
損切り50/利確100+982.9pips(536回)+1,542.5pips(481回)
損切り100/利確200+1,194.7pips(598回)+1,660.5pips(544回)
24本で時間決済+1,947.3pips(596回)+1,117.5pips(561回)

ADXは両方の年で悪化しました。順張りの指標に順張りのフィルターを重ねる形で、GMMAの記事と同じです。時間帯フィルターも改善しません。

損切り利確は2024年で効き、2025年では効きませんでした。時間決済だけが2025年で+636.4pipsの改善です。年で反対を向くものを設定として採用する根拠にはなりません。

コストは回数どおりでした。

スプレッド損益0との差回数×スプレッド
0pips+1,491.5pips0.00.0
0.3pips+1,310.9pips180.6180.6
1.0pips+889.5pips602.0602.0
3.0pips−314.5pips1,806.01,806.0

誤差ゼロで一致します。損益分岐スプレッドは、1時間足20pipsで2.48pips、同じ設定の反転2で5.87pips、15分足20pipsで1.67pips、1時間足の連続3で0.24pipsでした。連続ブロックを待つ設定は、スプレッドが0.25pips広がるだけで消えます。

この検証で言えること

  1. ブロックの大きさより先に、目盛りが決まっていることを知る。 同じ20pipsのブロックで目盛りを10通り動かすと、ドル円2025年の15分足で+221.9から+3,082.5pips。幅は18通りで934.2〜2,860.6pipsあり、ブロックを6通り変えたときの幅の0.30〜1.49倍でした
  2. 良い目盛りは選べない。 2024年の最良を2025年に当てると9通り中7通りが中央値以下で、2通りは最下位でした。1つの目盛りで出た数字は、その幅の中の1点として読む
  3. 時間は消えていない。 同じ10pipsのブロックが、2025年のドル円で15分足から8,041個・4時間足から3,298個。逆を向く割合はブロック÷1本の値幅で決まっていて、時間足を離れた量ではありません
  4. ブロックの連続そのものは情報ではない。 同じ値動きを並べ替えた系列でも、逆行率の差は最大2.4ポイント。ただし成績は18通り中17通りで実データが勝つので、効いているのはブロックの数ではなく、そのあいだの値幅です
  5. ブロックの終値で約定させない。 実在した価格ですが、確定した時点では平均2.17〜18.43pips通り過ぎていて、15通りすべて有利側。同じ売買が30通り全部で良化し、1時間足20pipsでは+1,491.5pipsが+10,500pipsになります

関連記事

  • 平均足の終値:同じく足そのものを書き換える指標です。あちらの終値は4本値の平均という架空の価格で、こちらは実在するが過ぎ去った価格。約定を分けるべき理由が2通りあります
  • 移動平均線クロスの期間:練行足の1ブロック順張りと同じ「動いた方向についていく」形を、線で測ったものです
  • サイコロジカルラインの75%:こちらも階段状の指標で、打ち込んだ数字がそのままルールにならない例です
  • GMMAの本数:順張りの指標に順張りのフィルターを重ねると悪化する、という同じ結果が出ています

この検証の限界

  • ドル円だけです。 2024年は+1,632pips上昇、2025年は−56pipsの横ばい。ブロックを積む戦略は上昇年に有利になりやすく、他の通貨ペアや別の年では順序が変わります
  • 目盛りは10段階しか測っていません。 20pipsのブロックには20通りの目盛りがありますが、そのうち10通りです。幅の実測は下限として読んでください
  • 並べ替えの対照群は、足の中の形を捨てています。 終値だけをつなぎ直しているので、高値と安値の情報は入っていません。終値だけを読むルールにしか使えない対照群です
  • 反転の作図は2種類だけです。 実装によっては3ブロック戻さないと反転しないものもあります
  • 練行足そのものの描き方も、実装で違います。 終値で組むか高値安値で組むかは分かれていて、この検証は終値で組んでいます
  • 注文の細かい滑りは入れていません。 スプレッドは固定0.3pipsで、指標発表時の広がりや約定拒否は反映していません

よくある質問

練行足のブロックの大きさは何pipsにすればいいですか?
ドル円の実測では、時間足と年で最良が入れ替わり、固定の答えはありませんでした。2025年の1時間足は15pipsが最も良く(+3,084.3pips・808回)、2024年の同じ時間足でも15pipsが最良(+2,177.7pips・765回)で、最下位は50pipsでした。15分足は2025年に30pips(+2,233.1pips・535回)、2024年に10pips(+1,738.7pips・2,287回)。ブロックを小さくすると取引回数が増えてスプレッドで削られ、大きくすると取引が減って1回あたりの結果のばらつきが増えます。それより先に確認したほうがいいものが、後述する目盛りの位置です。
練行足は時間の概念が無いと聞きましたが本当ですか?
ブロックの中には時間が入っていませんが、どの足の終値を見るかという形で時間足は残ります。同じ10pipsのブロックをドル円2025年で組むと、15分足からは8,041個、1時間足からは5,270個、4時間足からは3,298個のブロックが出ました。同じ年の同じ値動きで2.4倍の差です。ブロックが出た足の割合も25.2%・47.6%・68.9%と変わります。時間足を上げるほど1本の値幅が大きくなり、同じブロック幅でも意味が変わるためです。
練行足のバックテストはなぜ成績が良く見えるのですか?
ブロックの終値で約定を記録しているからです。ブロックの終値は目盛りの上の価格で、実際に取引された価格ではありますが、ブロックが出来上がった時点では価格はもうそこを通り過ぎています。ドル円2025年の1時間足・20pipsのブロックでは、その行き過ぎ幅が平均7.60pipsあり、15通りすべてで有利な側でした。同じ売買をブロックの終値で計算し直すと30通り全部で成績が良くなり、20pipsの1時間足では+1,491.5pipsが+10,500pipsになります。
練行足のブロックが3本続いたらトレンド、で合っていますか?
そう読める根拠は、この検証では見つかりませんでした。同じ年の値動きを1本ずつばらばらに並べ替えてから同じブロックを組むと、ブロックの連続の出かたが実際の年とほとんど同じになります。3つの時間足×5つのブロック幅の15通りで、1つ前と逆を向く割合の差は最大2.4ポイント、平均連続数の差は−0.19から+0.16でした。連続の見た目そのものは、値動きの順番を壊しても残ります。
練行足はMT4やTradingViewで使えますか?
TradingViewはチャート種類のメニューに練行足があります。MT4とMT5は標準のチャート種類に無いので、オフラインチャートを作るスクリプトやカスタムインジケーターを入れることになります。TradingViewで注意が要るのは、チャート種類を練行足にしたままストラテジーを動かすと約定価格までブロックの値になることです。それがこの記事で測っている差そのものです。Formiqのチャートでも表示でき、バックテスト側ではブロックの向きの変化と連続ブロックを条件にできます。

Formiqは、リプレイ練習とノーコードバックテストをブラウザだけで使える無料のFXツールです。 チャートを開く、または無料プランでできることをご覧ください。