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移動平均線ゴールデンクロスインジケーターパラメーターバックテストドル円

移動平均線クロスの設定を280通り検証:ゴールデンクロスの勝率と損益

移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスを、ドル円の2024年と2025年で280通りバックテストしました。期間の組み合わせ、平均の種類、時間足による差、既定の10と20が何位だったか、両方の年で黒字だった設定まで実測値で載せています。

移動平均線を2本引いて、短い方が長い方を上に抜けたら買い、下に抜けたら売る。ゴールデンクロスとデッドクロスの名前で呼ばれる、いちばん古くからある売買ルールのひとつです。

問題は、その2本を何期間にするかと、移動平均をどの計算方法にするかです。5と20、10と20、25と75、50と200。どれもよく見かけますが、実測値が添えられていることはあまりありません。

そこで、短期8種と長期8種の組み合わせ56通りに、平均の種類5種(単純・指数・加重・平滑・ハル)を掛けた280通りを、ドル円の2025年(1月1日〜12月31日)でひとつずつバックテストしました。時間足は15分足・1時間足・4時間足の3つ、比較のために2024年でも同じ280通りを回しています。

先に結論を書きます。2025年のドル円で最も損益が良かったのは15分足の12と50・加重移動平均で、751回のトレードで+2,978.0pips(勝率33.95%、プロフィットファクター1.259)でした。ただし、この検証で一番はっきり出たのはそこではありません。同じ280通りを4時間足で回すと、2024年は243通りが黒字だったのに、2025年は60通りしか黒字になりません。 期間の選び方より、どの時間足で見るかと、その年にトレンドが出たかどうかのほうが、はるかに大きく効いていました。

−4k−2k0+2k+4k年間の合計損益(pips)M15205/280H1172/280H432/280
20252024太い帯=中央50%、細い線=最小〜最大、白い縦線=中央値。右端は両方の年で黒字だった数
280通りの期間と平均の種類を、同じ通貨ペアで並べたものです。2024年はトレンドが出てほぼ何でも通り、2025年は通らず、4時間足だけが丸ごと抜け落ちました。

移動平均線クロスは何を測っているのか

移動平均は、直近n本の価格をならした線です。ならす本数(期間)を増やすほど価格から離れ、向きが変わるまでの時間が長くなります。

2本引いてクロスを見るというのは、短い期間のならしと長い期間のならしのどちらが上にあるか、その上下が入れ替わった瞬間を取る、ということです。上下が入れ替わるのは、直近の値動きが以前の平均から離れた方向に十分動いたときなので、実質的には「トレンドが変わったかもしれない」の代理指標になります。

つまみは3つあります。

つまみ上げる/変えると何が起きるか
短期の期間短い線が鈍くなる。クロスの回数が減り、反応が遅れる
長期の期間長い線が鈍くなる。クロスの回数が減り、1回の保有が長くなる
平均の種類同じ期間でも価格への近さが変わる。近いほど反応が速く、回数が増える

実際の数字で確かめると、1時間足・2025年の平均取引回数は、長期20のとき398回、長期200のとき108回でした。平均の種類でも動きます。同じ280通りの平均で、ハル移動平均は455回、平滑移動平均は86回です。「回数が減る」はこの3つに共通する効果で、後で出てくるコストの話に効いてきます。

チャートに表示する方法

移動平均はどのプラットフォームにも標準で入っています。違うのは、選べる計算方法の種類です。

環境手順
MT4 / MT5ナビゲータの指標一覧から Moving Average を2回ドラッグし、それぞれ期間を設定する。種別は単純・指数・平滑・線形加重の4つで、ハル移動平均は含まれない
TradingViewインジケーター検索から Moving Average を2つ追加し、期間と種別をそれぞれ設定する
ブラウザ(Formiq)移動平均を複数本追加でき、単純・指数・加重・平滑・ハルの5種類から選ぶ

この記事の数値は、単純・指数・加重・平滑・ハルの5種類で計算しています。ハル移動平均はMT4とMT5の標準機能には含まれないので、その環境で同じ検証をする場合は該当部分を読み替えてください。

検証の条件

数字を見る前に、何をどう測ったかを書いておきます。この表と同じ設定を入れれば、同じ結果が出ます。

項目
通貨ペア米ドル/円
期間2025-01-01 〜 2025-12-31(比較用に2024年も同条件)
時間足15分足 / 1時間足 / 4時間足
検証本数2025年で15分足24,903本、1時間足6,226本、4時間足1,610本
買い短期の移動平均が長期を上抜けた足の終値
売り短期が長期を下抜けた足の終値
決済反対側のクロス。同じ足の終値でそのまま反対方向へ建て直す(ドテン)。損切り・利確・時間決済は使わない
スプレッド0.3pips(スリッページ0、0.1ロット)。決済と新規の両方に掛かる
試した組み合わせ短期8種(5・8・10・12・15・20・25・50)× 長期8種(20・25・30・40・50・75・100・200)のうち短期が長期より短い56通り × 平均の種類5種=280通り。時間足ごと・年ごとに実行
測定Formiqのバックテスト機能で実行し、1トレードずつの約定価格からpipsを再集計

短期と長期には同じ計算方法を使っています。片方だけ種類を変えるとどうなるかは、後の「短期と長期で計算方法を変えると」で別に測りました。

損切りを置かず反対クロスまで持つのは、移動平均クロス以外の要素を混ぜないためです。損切りを付けた場合は「フィルターと損切り利確」で別に測っています。

時間足で結果がほぼ決まる

同じ280通りを、時間足だけ変えて回すとこうなります。

時間足2025年に黒字だった数2025年の中央値2024年に黒字だった数2024年の中央値両方の年で黒字
15分足231 / 280+810pips234 / 280+1,420pips205 / 280
1時間足188 / 280+445pips259 / 280+1,671pips172 / 280
4時間足60 / 280−1,153pips243 / 280+2,151pips32 / 280

4時間足は、2024年だけ見れば中央値が3つの中で最も高く、243通りが黒字です。ところが2025年には60通りまで落ち、中央値は−1,153pipsになります。両方の年で黒字だったのは280通り中32通りだけでした。

15分足は逆で、2024年の中央値は3つの中で最も低いのに、両方の年で黒字だった設定は205通りと最も多く残っています。

理由は年の性格の違いです。2024年のドル円は年初140.873から年末157.197まで+1,632pipsの上昇で、値幅は2,237pips。2025年は年初157.227から年末156.670で−56pips、値幅は1,900pipsでした。 動いた幅はほぼ同じなのに、片方は行き先があり、もう片方は元の場所に戻ってきています。移動平均クロスはトレンドを取りにいく仕組みなので、この違いがそのまま出ます。そして長い時間足ほど、その影響を強く受けます。

定番の組み合わせはどうだったか

よく見かける組み合わせを、順位付きで並べます。順位はその年・その時間足の280通りの中での損益順です。

組み合わせ15分足 2025年15分足 2024年1時間足 2025年1時間足 2024年
5 / 20 単純+264.5(212位)+646.1(207位)−484.9(211位)+3,744.7(4位)
10 / 20 単純+1,015.0(110位)+1,600.9(119位)+377.4(151位)+2,888.4(38位)
12 / 25 指数+1,436.6(69位)+2,102.1(73位)+970.9(68位)+440.6(239位)
20 / 50 単純+1,774.9(46位)+1,464.8(132位)−220.5(202位)−34.6(261位)
25 / 75 単純−1,023.1(270位)+3,613.7(3位)−56.8(192位)−253.1(265位)
50 / 200 単純+629.3(171位)+301.2(225位)−1,340.4(246位)+2,435.4(77位)

(数字はpips)

25と75の単純移動平均は、15分足では2024年に280通り中3位、2025年には270位でした。同じ設定が2年で反対側の端に移動しています。5と20の単純移動平均も、1時間足で2024年に4位、2025年に211位です。

いっぽうFormiqの既定値である10と20の単純移動平均は、15分足で110位と119位、1時間足で151位と38位。どの年も中央付近で、上位でも下位でもありません。ただし4時間足では2025年に−1,336.2pips(165位)、2024年に−1,245.7pips(272位)で、両方の年とも赤字でした。

負けた設定の話をもう少しします。2025年に最も悪かったのは4時間足の25と30・単純移動平均で、80回のトレードで−3,582.6pips。この設定は2024年には+567.3pipsの黒字です。15分足で最も悪かった8と20・ハル移動平均は、3,463回のトレードで−2,098.1pips、2024年も−2,248.2pipsで、こちらは両方の年で赤字でした。

50と200のゴールデンクロスと、取引回数の話

50と200は名前が独り歩きしやすい組み合わせなので、単独で見ておきます。

時間足2025年2024年
15分足147回・勝率38.10%・+629.3pips147回・勝率29.93%・+301.2pips
1時間足47回・勝率31.91%・−1,340.4pips27回・勝率55.56%・+2,435.4pips
4時間足14回・勝率50.00%・+173.6pips7回・勝率71.43%・+1,357.5pips

4時間足の2024年は勝率71.43%、プロフィットファクター2.269という数字が出ますが、トレードは7回しかありません。 7回のうち5回勝った、という以上のことは言えない数字です。1時間足の2024年も27回でプロフィットファクター2.305です。

もっと極端な例が同じ表の中にあります。4時間足・2025年で損益3位に入ったのは20と200・平滑移動平均で、2回のトレードで勝率100%、+1,563.3pipsでした。2024年の同じ設定は7回で+1,251.3pips、順位は211位です。

回数の少ない設定ほど勝率とプロフィットファクターが派手になり、翌年に順位が動く。これは移動平均に限らず、QQEでもスーパートレンドでも同じ形で出ました。勝率やPFを見るときは、必ず横のトレード数を見てください。

長い方の期間を伸ばすほど、その年のトレンド次第になる

短期・長期・平均の種類を1つずつ動かし、残り全部で平均を取ると、はっきりした傾向が1つ出ました。

−1k0+1k+2k202530405075100200長い方の期間
2025年(横ばいの年)2024年(上昇した年)同じ長期期間を持つ設定すべての平均・1時間足
2本の差は右へ行くほど開き、1,163pipsから3,143pipsになります。長い方の期間を伸ばすほど、結果は「その年にトレンドが出たか」だけで決まっていきます。

1時間足の、長い方の期間で見た平均です。

長期の期間2025年の平均損益2024年の平均損益両方の年で黒字
20+736pips+1,899pips20 / 25
25+992pips+1,798pips30 / 30
30+822pips+1,474pips31 / 35
40+709pips+1,388pips26 / 35
50+567pips+1,468pips27 / 35
75−129pips+1,293pips17 / 40
100−158pips+1,679pips17 / 40
200−1,179pips+1,964pips4 / 40

2024年の列はほとんど動きません。上昇トレンドの年には、長い2本でも短い2本でも黒字になります。動くのは2025年の列のほうで、長期20から長期200まで下がり続け、途中で符号が変わります。長期を25にした30通りは30通り全部が両方の年で黒字、長期を200にした40通りは4通りしか残りません。

15分足では同じ傾向がずっと弱く出ます。長期200でも2025年に平均+343pips、2024年に+1,501pips、両方の年で黒字だったのは40通り中24通りでした。時間足を落とすほど、長い2本でも「その年のトレンド待ち」にはならない、ということになります。

短い方の期間にも同じ話があります。1時間足で短期を50にした15通りは、2025年に平均−693pips、両方の年で黒字だったのは2通りだけでした。短期5〜15の帯は、どれも2025年に+259〜+360pips、両方の年で黒字が25〜30通り(各40通り中)で、値による差はほとんどありません。

去年いちばん良かった設定を、今年に持ち込むと

ここがこの検証で一番実用に近い部分です。それぞれの年で1位だった設定を、相手の年に当ててみます。

時間足2024年の1位2024年の損益2025年に当てたときの損益2025年の順位2025年の中央値
15分足20 / 75 単純+3,995.2pips(387回)−234.6pips237 / 280+809.8pips
1時間足5 / 25 単純+3,828.5pips(309回)+583.3pips115 / 280+445.0pips
4時間足8 / 50 加重+3,378.8pips(44回)−1,367.2pips170 / 280−1,152.9pips

15分足と4時間足では、去年いちばん良かった設定を選ぶことが、適当に選ぶより悪い結果になっています。1時間足だけは中央値をわずかに上回りました。

逆向きも見ておきます。2025年の1位を2024年に当てると、15分足の12と50・加重移動平均は+2,103.7pips(280通り中70位)で、こちらは両方の年で上位に残りました。1時間足の1位(5と30・ハル移動平均)は2024年に+634.1pipsで226位、4時間足の1位(12と50・ハル移動平均)は2024年に−733.9pipsで263位です。

280通り全体の順位がどれだけ引き継がれるかを順位相関で見ると、こうなります。

時間足2024年 ↔ 2025年2025年前半 ↔ 後半
15分足+0.385+0.103
1時間足−0.178−0.171
4時間足−0.416−0.187

4時間足は負の相関です。前年に良かった設定ほど翌年に悪い、という関係になっています。15分足だけは弱い正の相関があり、順位がある程度は引き継がれました。同じ手順で調べたQQEスーパートレンドでは、時間足によって順位が引き継がれる側に振れることはありませんでした(ボリンジャーバンドの順張り側でも弱い正の相関が出ています)。移動平均クロスの15分足は、このシリーズで初めて弱い正の相関が出た組み合わせです。

年の中でも動きます。1時間足の10と20・単純移動平均は、2025年前半が169回で−548.7pips、後半が189回で+885.9pips。1時間足の50と200・単純移動平均は前半21回で+306.5pips、後半26回で−1,576.0pipsです。半年で符号が入れ替わっています。

平均の種類は、時間足とセットでしか決まらない

計算方法を5種類試したので、その結果を並べます。数字は「2024年と2025年の両方で黒字だった設定の数 / 試した設定の数」です。

平均の種類15分足1時間足4時間足
単純(SMA)48 / 5628 / 562 / 56
指数(EMA)52 / 5634 / 562 / 56
加重(WMA)49 / 5639 / 568 / 56
平滑(SMMA)43 / 5622 / 5613 / 56
ハル(HMA)13 / 5649 / 567 / 56

**ハル移動平均は15分足で最下位(13/56)、1時間足で最上位(49/56)**です。同じ計算方法が、時間足が変わると評価ごと逆になっています。平滑移動平均も似た形で、15分足43/56に対して1時間足22/56、4時間足では5種類の中で最も多く残りました。

平均損益で見ても同じです。15分足のハル移動平均は2025年に平均+243pips、2024年に平均−449pips(56通り中16通りしか黒字にならず)。1時間足のハル移動平均は2025年に+1,155pips、2024年に+1,565pipsです。

なぜ15分足でだけ崩れるのかは、取引回数で説明がつきます。15分足のハル移動平均は56通りの平均で年1,852回、他の4種類は324〜875回です。いちばん近い加重移動平均の2倍、平滑移動平均に対しては5倍を超えます。後で見るコストは回数にそのまま比例するので、そのぶん重くなります。

「どの平均がいいか」という問いには、この検証の範囲では時間足と組にしないと答えが出ません

短期と長期で計算方法を変えると何が起きるか

短期と長期に違う種類を使う組み合わせも見かけるので、1時間足で5×5の25通りを回しました。

まず、なぜこれが単なる好みの問題ではないのかを示します。次の図は、それぞれの計算方法が終値からどれだけ離れたところを通るかです。

025507510012551020255075200期間
平滑(SMMA)単純(SMA)指数(EMA)加重(WMA)ハル(HMA)終値からの平均距離(pips)が小さいほど価格に近い=速い
20期間のハル移動平均は、10期間の単純移動平均より価格に近いところを通ります。遅い側に速い種類を置くと、2本の役割が入れ替わります。

20期間のハル移動平均は終値から平均18.7pips、10期間の単純移動平均は22.1pips。 期間が2倍あるハル移動平均のほうが、価格に近いところを通っています。つまり10と20でハル移動平均を長期側だけに使うと、「長い線」のほうが速く動きます。

実測もそのとおりになりました。1時間足の10と20で、長期だけをハル移動平均にした4通りは、2025年に4通り中1通りしか黒字にならず平均−420pips、2024年は0通りで平均−2,953pipsでした。逆に短期だけをハル移動平均にした4通りは、両方の年とも4通り全部が黒字(2025年+820pips、2024年+3,089pips)です。両方を同じ種類にした5通りは、2025年に5通り全部が黒字で平均+978pips、2024年も5通り全部で+2,106pipsでした。

いちばん極端な組み合わせを挙げると、10と20で短期を単純・長期をハルにした場合、2024年は385回のトレードで−3,393.4pips。短期をハル・長期を単純にすると、同じ2024年に397回で+3,739.2pipsです。符号が反対になります。

ただし、これは万能の法則ではありません。25と75では同じ形になりませんでした。長期だけをハル移動平均にした4通りは、2024年に4通り全部が黒字で平均+845pipsです。図を見ると理由がわかります。75期間のハル移動平均は終値から39.7pips、25期間の単純移動平均は38.1pipsで、ほぼ同じ位置にあり、順序が逆転していません。

実務的な結論はひとつです。種類を混ぜるなら、期間の数字ではなく、実際にどちらが速いかを確かめてから混ぜてください。

勝率を上げると利益は増えるのか

時間足によって答えが違いました。

時間足勝率と損益の順位相関(2025年)勝率の範囲
15分足−0.11019.30% 〜 44.22%
1時間足+0.71412.24% 〜 48.75%
4時間足+0.68010.94% 〜 100%

15分足ではわずかに負の相関です。2025年に勝率が最も高かった設定(15と20・ハル移動平均、2,680回で勝率44.22%)は、損益では280通り中263位、−755.1pipsでした。逆に損益1位の12と50・加重移動平均は勝率33.95%です。この設定の内訳は、平均勝ち+56.74pips、平均負け−23.17pips。3回に1回しか勝たないかわりに、勝ったときの幅が2.4倍あることで利益が出ています。

1時間足と4時間足では正の相関が出ますが、4時間足の勝率上限100%は前に書いた2回だけのトレードなので、この相関自体が少数の設定に引っ張られています。

トレンドを取りにいく仕組みの勝率が30〜40%台に収まり、それでも黒字になるという形は、同じ手順で調べた他の指標とも一致しました。逆張り系の指標では勝率のほうが高く、損益はマイナスになります(ウィリアムズ%R)。勝率で指標や設定を並べると、順序が損益と逆になることがあります。

フィルターと損切り利確

15分足の2つの設定に、よく紹介されるフィルターを足して測りました。

条件2025年2024年
10/20 単純・クロスのみ1,402回・勝率37.52%・+1,015.0pips1,397回・勝率38.08%・+1,600.9pips
同 + ADX 20以上674回・勝率35.31%・−495.4pips705回・勝率37.02%・+923.1pips
同 + ADX 25以上354回・勝率34.75%・−271.0pips400回・勝率40.25%・+1,847.9pips
同 + ADX 30以上170回・勝率34.71%・+195.7pips217回・勝率37.33%・+703.8pips
同 + ロンドン・NY時間(UTC 7〜21)802回・勝率37.16%・+846.9pips797回・勝率37.77%・+41.1pips
同 + 東京時間(UTC 0〜8)460回・勝率38.91%・+309.7pips443回・勝率39.73%・+2,194.9pips

ADXフィルターは2024年には効き、2025年には逆に働きました。ADX 25以上は2024年に+1,847.9pipsとフィルターなしを上回りますが、2025年は−271.0pipsで黒字を消しています。

時間帯フィルターは、1トレードあたりで見ると別の見え方になります。東京時間だけに絞った場合、2024年は443回で+2,194.9pips(1回あたり+4.95pips)、フィルターなしの1回あたり+1.15pipsを大きく上回ります。2025年は1回あたり+0.67pipsで、フィルターなしの+0.72pipsをわずかに下回りました。損益1位の12と50・加重移動平均で同じことをすると、東京時間は2025年に261回で+1,315.4pips(1回あたり+5.04pips、フィルターなしは+3.97pips)、2024年は318回で+2,297.1pips(同+7.22pips、フィルターなしは+2.57pips)。4つのうち3つで1回あたりが改善しましたが、4つ全部ではありません。

損切りと利確も足してみました。15分足の2設定・2年ぶんの結果は、次のようになります。

決済ルール10/20 単純 2025年10/20 単純 2024年12/50 加重 2025年12/50 加重 2024年
反対クロスのみ+1,015.0pips+1,600.9pips+2,978.0pips+2,103.7pips
損切り30 / 利確60+189.7pips+124.3pips+1,809.6pips+547.7pips
損切り50 / 利確100+510.8pips+932.1pips+2,475.1pips+749.2pips
損切り30 / 利確90+558.9pips+1,113.2pips+2,268.9pips+1,361.3pips
24本で時間決済+621.7pips+273.0pips+641.2pips−108.5pips

16通りすべてで、反対クロスまで持つ形を下回りました。 2設定 × 2年 × 4種類の決済ルール、例外なしです。

1時間足では同じことが言えません。10と20・単純移動平均の場合、2025年は損切り30・利確90が+1,224.0pipsで、反対クロスのみの+377.4pipsを上回ります。ところが2024年は同じルールが+980.8pipsで、反対クロスのみの+2,888.4pipsを大きく下回りました。15分足では「触らない」が両方の年で最良、1時間足では年によって入れ替わる、という結果です。

スプレッドで失う額は、取引回数そのもの

スプレッドだけを変えて2025年を回し直すと、失う額はきれいに取引回数に比例します。

スプレッド15分足 10/20 単純(1,402回)15分足 12/50 加重(751回)1時間足 10/20 単純(358回)4時間足 50/200 単純(14回)
0.0pips+1,435.6+3,203.3+484.8+177.7
0.3pips+1,015.0+2,978.0+377.4+173.6
0.6pips+594.4+2,752.7+270.0+169.4
1.0pips+33.6+2,452.3+126.8+163.8
1.5pips−667.4+2,076.8−52.2+156.8
2.0pips−1,368.4+1,701.3−231.2+149.8

0から2.0pipsに動かしたときに失う額は、15分足の10と20で2,804.0pips。これは1,402回 × 2.0pipsとぴったり一致します。12と50は1,502.0pips(751回 × 2.0)、1時間足の10と20は716.0pips(358回 × 2.0)、4時間足の50と200は27.9pipsで、14回 × 2.0pipsの28.0pipsに対して丸めぶんの差しかありません。

実務上の意味ははっきりしています。15分足の10と20は1.0pipsでほぼゼロ、1.5pipsで赤字になります。 同じ15分足でも回数が半分の12と50なら、2.0pipsでも+1,701.3pipsが残ります。自分の口座のスプレッドがいくつかを確かめるほうが、期間の数字を1つ動かすより損益への影響が大きい場面があります。

この検証で言えること

実測から取り出せた、2つの年で同じ方向を向いていたものだけを並べます。

  1. 時間足を先に決める。 両方の年で黒字だった設定は15分足で205通り、1時間足で172通り、4時間足で32通りでした。4時間足は2024年に243通りが黒字だった時間足です。年による振れ幅が大きすぎます
  2. 長い方の期間を伸ばすほど、その年にトレンドが出たかどうかで結果が決まる。 1時間足の長期25は30通り全部が両方の年で黒字、長期200は40通り中4通りでした
  3. 平均の種類は時間足とセットでしか決まらない。 ハル移動平均は15分足で13/56、1時間足で49/56です
  4. 種類を混ぜるなら、どちらが実際に速いかを先に確かめる。 20期間のハル移動平均は10期間の単純移動平均より価格に近く、長期側に置くと2本の役割が入れ替わりました
  5. 「去年いちばん良かった設定」を選ばない。 15分足では280通り中237位、4時間足では170位。どちらもその年の中央値を下回っています

移動平均クロスの期間をひとつに絞る作業には、この検証の範囲では意味が見つかりませんでした。代わりに効いていたのは、時間足の選択と、長い2本を避けることと、コストです。プログラミングなしで条件を組んで検証するなら、この記事の表と同じことを自分の通貨ペア・自分の期間で回して確かめられます。

この検証の限界

  • 通貨ペアは米ドル/円のみ、期間は2024年と2025年の2年だけです。他の通貨ペアや他の年で同じ傾向になる保証はありません
  • 2つの年の性格が大きく違います。 2024年は+1,632pipsの上昇(値幅2,237pips)、2025年は−56pipsで元の位置に戻る動き(値幅1,900pips)でした。移動平均クロスはトレンドを取りにいく仕組みなので、この違いが結果の大部分を作っています。3年目を足せば結論が変わる可能性は十分にあります
  • エントリーも決済も足の終値で行っています。実際の約定はここからずれます
  • 反対クロスで同じ足の終値のまま建て直しています。実際には決済と新規のあいだに時間差が出ます
  • スプレッドは全期間0.3pips固定として計算しています。実際のスプレッドは時間帯と指標発表で変動します
  • 長期200の設定は、検証開始時点でその本数ぶんの過去データを使って線を作っています。チャートを開いた直後に同じ線が引けるとは限りません
  • 時間帯によって値動きの大きさは変わります。時間フィルターの結果はその影響を受けています

よくある質問

移動平均線クロスの一番良い設定は何ですか?
ドル円・2025年で最も損益が良かったのは15分足の12と50・加重移動平均で、751回のトレードで+2,978.0pips、勝率33.95%でした。ただし2024年で1位だった15分足の20と75・単純移動平均を2025年に持ち込むと−234.6pipsで280通り中237位、2025年の中央値+809.8pipsを下回ります。1年ぶんのデータで決めた「一番良い設定」は、翌年の一番良い設定ではありませんでした。
移動平均線は何期間と何期間の組み合わせがいいですか?
この検証では長い方の期間の影響が大きく出ました。1時間足の場合、長期を25にした設定は30通り全部が2024年と2025年の両方で黒字でしたが、長期を200にすると40通り中4通りしか残りません。長期200は2024年に平均+1,964pips、2025年に平均−1,179pipsで、符号ごと入れ替わります。長い2本ほど、その年にトレンドが出たかどうかで結果が決まります。
ゴールデンクロスの勝率はどのくらいですか?
1時間足・2025年の280通りで勝率は12.24%〜48.75%でした。損切りを置かず反対クロスまで持つ形なので勝率は50%を下回り、勝ちトレードの平均が負けトレードより大きいことで利益が出ています。15分足で最も損益が良かった12と50・加重移動平均は、勝率33.95%で平均勝ち+56.74pips、平均負け−23.17pipsでした。
50日と200日のゴールデンクロスは有効でしたか?
4時間足の50と200・単純移動平均は、2024年に7回のトレードで勝率71.43%・+1,357.5pips、2025年は14回で勝率50%・+173.6pipsでした。回数が一桁台なので、この数字で優劣を語るには標本が足りません。同じ50と200を1時間足でやると2025年は47回で−1,340.4pips、280通り中246位です。
移動平均線クロスはどの時間足で使うのがいいですか?
同じ280通りを時間足だけ変えると、2024年と2025年の両方で黒字だった設定は15分足で205通り、1時間足で172通り、4時間足では32通りでした。4時間足は2024年に243通りが黒字だったのに2025年は60通りまで落ちます。この検証の範囲では15分足が最も安定していました。

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