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RSI「30以下で買い」は本当に勝てる?330通り検証した結果

RSIを逆張り(30/70)と順張り(50ライン抜け)の両方で、ドル円の2024年と2025年でバックテストしました。勝率65%の逆張りが負けて勝率24%の順張りが勝った実測値と、RSIの期間を変えたときに両年黒字となった設定数を比較します。

RSI(相対力指数)は、直近N本の値上がり幅と値下がり幅を比べて0〜100の数字にした指標です。30を下回ったら売られすぎ、70を上回ったら買われすぎという読み方が一番よく紹介されます。もうひとつ、50を境に上なら強い・下なら弱いと読む使い方もあります。

RSIが30以下なら買い、70以上なら売る読み方は逆張りです。RSIが設定水準を上抜けたら買い、下抜けたら売る読み方は順張りです。同じ通貨ペア・同じ期間・同じコストで、逆張りと水準抜け順張りを測りました。

ドル円の2025年(1月1日〜12月31日)で、期間6種×エントリー水準5種×決済水準5種の逆張り150通りを買い側と売り側それぞれ、期間6種×水準5種の順張り30通り、合わせて330通りをバックテストしています。時間足は15分足・1時間足・4時間足の3つ、比較のために2024年でも同じ330通りを回しました。

1時間足で、平均勝率65.3%の逆張り(買い)は150通り中31通りしか2024年と2025年の両方で黒字にならず、平均勝率23.7%の順張りは30通り中17通りが黒字でした。順張り側の勝率は、どの設定を取っても3割に届いていません。

20%30%40%50%60%70%80%90%−2k−1k0+1k+2k勝率 →年間の損益(pips)
逆張り・買い(98通り)逆張り・売り(112通り)順張り・レベル抜け(30通り)1時間足・2025年・取引10回以上
1本の線の2つの読み方です。青は10回に3回も当てていませんが、30通り中25通りが年間で黒字。6回当てている赤は、半分近くがゼロより下にあります。

RSIは何を測っているのか

計算は単純です。直近N本のうち、前の足より上がった分の平均と、下がった分の平均を出し、上がった分が全体の何割かを百分率にします。計算で設定する項目は期間(N)です。

  • 上がった足しかなければ100
  • 下がった足しかなければ0
  • 上下が釣り合えば50

つまり50は「上げ幅と下げ幅が拮抗している」点で、そこから離れるほど片方向に偏っている、という意味になります。「買われすぎ」「売られすぎ」という言葉は解釈であって、計算そのものは偏りの度合いを測っているだけです。

期間を伸ばすと、30には届かなくなる

ここが実務上いちばん効いてきます。平均を取る本数が増えると、上げと下げが混ざって数字は50に寄ります。2025年の1時間足6,226本で、RSIが計算できた足を数えました。

期間30を下回った割合70を上回った割合1年間の最小値最大値
713.97%14.13%1.097.0
910.81%11.20%2.494.5
145.73%6.54%8.089.5
211.80%4.17%16.484.7
300.39%2.03%24.980.8
500.00%0.32%31.274.7
03050701007914213050RSIの期間
1年で一度でも届いた範囲全体の8割が入る範囲縦の線=30と70・1時間足6,226本・2025年
期間50は、1年を通して一度も30を下回りませんでした。遅いRSIに売られすぎの条件を付けても、その条件は一度も成立しません。

期間50のRSIは、2025年の1年を通して一度も30を下回りませんでした。 最小値は31.2です。「期間を長くして、だましの少ない売られすぎを拾う」という組み方は、拾う対象がそもそも存在しない、ということになります。4時間足ではさらに極端で、期間30も期間50も30を下回った足は0本でした。

この検証でも、4時間足の逆張り買い150通りのうち50通りは1年間で1回もシグナルが出ていません。1時間足でも20通りがゼロです。

チャートに表示する方法

RSIはどのプラットフォームにも標準で入っています。

環境手順
MT4 / MT5ナビゲータのインジケータ一覧から Relative Strength Index を選び、期間を設定する
TradingViewインジケーター検索から RSI を追加し、期間を設定する
ブラウザ(Formiq)最初から入っている。バックテスト側は逆張り(レベル判定)と順張り(レベル抜け)をトリガーで切り替える

表示はどこでも同じですが、売買ルールとして組むときに「水準に到達したら」なのか「水準を抜けたら」なのかを決める必要があります。 この記事では、RSIが設定した水準に到達したら売買する逆張りと、設定した水準を上抜けたら買い・下抜けたら売る順張りを、別々の売買ルールとして測っています。

検証の条件

数字を見る前に、何をどう測ったかを書いておきます。この表と同じ設定を入れれば、同じ結果が出ます。

項目
通貨ペア米ドル/円
期間2025-01-01 〜 2025-12-31(比較用に2024年も同条件)
時間足15分足 / 1時間足 / 4時間足
検証本数2025年で15分足24,903本、1時間足6,226本、4時間足1,610本
逆張り・買いRSIがエントリー水準を下回った足の終値で買い、決済水準を上回った足の終値で決済
逆張り・売り買い側を50で折り返した鏡。RSIが「100−エントリー水準」を上回ったら売り、「100−決済水準」を下回ったら決済
順張りRSIが水準を上抜けたら買い、下抜けたら売り。反対向きに抜けたら同じ足でドテン
損切り・利確使わない(別セクションで測定)
スプレッド0.3pips(スリッページ0、0.1ロット)。決済と新規の両方に掛かる
逆張りの組み合わせ期間6種(7・9・14・21・30・50)× エントリー水準5種(20・25・30・35・40)× 決済水準5種(50・55・60・65・70)=150通り。買い側と売り側で別々に実行
順張りの組み合わせ期間6種 × 水準5種(40・45・50・55・60)=30通り
測定Formiqのバックテスト機能で実行し、1トレードずつの約定価格からpipsを再集計

逆張りの買いと売りを別々に集計するのは、水準判定が買いと売りのどちらか一方しか作らないからです。「30を割ったら買う」と「70を超えたら売る」は、まったく別の成績になります。

逆張りと順張り、どちらが勝てるか

勝率の高い逆張りより、勝率の低い順張りに利益が残りました。逆張り買い、逆張り売り、RSIが設定水準を抜けた方向へ売買する順張りの成績を、時間足ごとに並べます。

売買ルール時間足2025年の黒字数2025年の中央値2024年の黒字数2024年の中央値両方の年で黒字平均勝率
逆張り・買い15分足77 / 150+5pips67 / 150−45pips29 / 15064.6%
逆張り・買い1時間足78 / 150+11pips58 / 150−65pips31 / 15065.3%
逆張り・買い4時間足81 / 150+95pips36 / 150−211pips13 / 15067.6%
逆張り・売り15分足42 / 150−264pips33 / 150−367pips5 / 15057.7%
逆張り・売り1時間足48 / 150−137pips23 / 150−727pips9 / 15061.2%
逆張り・売り4時間足84 / 150+272pips17 / 150−1,075pips1 / 15061.0%
順張り15分足8 / 30−347pips12 / 30−408pips4 / 3022.3%
順張り1時間足25 / 30+830pips22 / 30+846pips17 / 3023.7%
順張り4時間足7 / 30−885pips28 / 30+1,388pips6 / 3023.0%

(平均勝率は2025年のうち取引が1回以上出た設定の平均。中央値はその時間足の全設定の損益の中央値)

冒頭の図が、この表の1時間足を1点ずつ描いたものです(年10回に満たない設定は除いています)。横軸が勝率、縦軸が年間の損益。赤と紫(逆張り)は勝率40〜90%の帯に広く散らばり、青(順張り)は勝率17〜30%の細い帯に固まっています。 それでも中央値は青が+830pips、赤が+11pips、紫が−137pipsです。

1時間足の順張りは、2025年に30通り中25通り、2024年に30通り中22通りが黒字でした。両方の年で黒字は17通りです。このシリーズで測った指標の中では高い残存率になります。

いっぽう逆張りは、買い側で31通り、売り側で9通りでした。売り側が弱いのは、2024年のドル円が年間1,632pips上昇したためです。上げ相場で「買われすぎ」を売り続けると、そのぶん轢かれます。

RSIの期間は何がいいか

1つには決まらず、期間を伸ばすと逆張りと順張りで結果が分かれました。この検証でいちばんはっきり出たのは、期間の効き方です。

0%25%50%75%100%7914213050RSIの期間 →
逆張り・買い(各25通り)順張り・レベル抜け(各5通り)縦軸=2024年と2025年の両方で黒字だった割合・1時間足
どちらも山になりますが、頂点の位置が正反対です。逆張りは期間30、順張りは期間9でした。

1時間足で、期間ごとの「2024年と2025年の両方で黒字だった数」を並べます。

期間逆張り・買い順張り
72 / 254 / 5
93 / 255 / 5
147 / 253 / 5
217 / 252 / 5
308 / 252 / 5
504 / 251 / 5

買い逆張りは期間30、水準抜け順張りは期間9で、両年黒字の設定数が最も多くなりました。 買い逆張りは期間30が25通り中8通り、水準抜け順張りは期間9が5通り中5通りです。期間50では、買い逆張りが4通り、水準抜け順張りが1通りまで減りました。

買い逆張りでは、両年黒字の設定数が期間7の2通りから期間30の8通りまで増えた後、期間50では4通りへ減りました。期間を長くするとRSIが30以下になる回数が減り、期間50では2025年の1時間足で一度も30を下回っていません。期間7から30にかけて両年黒字の設定が増えた理由は、この集計だけでは特定できません。確実に言えるのは、期間30から50に伸ばすと、両年黒字の設定数が8通りから4通りへ減ったことです。

水準抜け順張りでは、期間9が5水準すべてで両年黒字でした。期間を14、21、30、50へ伸ばすにつれて、両年黒字の水準は3、2、2、1通りへ減りました。期間9は1時間足で年775回、期間50は231回です。取引回数が減るほど、数回の大きな勝ち負けが年間損益に占める割合が大きくなります。

水準のほうも見ておきます。

逆張り・エントリー水準両方の年で黒字
206 / 30
2513 / 30
304 / 30
352 / 30
406 / 30
順張り・水準両方の年で黒字
403 / 6
455 / 6
504 / 6
554 / 6
601 / 6

逆張りの決済水準は、70に置いたときが最も残りました(9 / 30。50に置くと6 / 30、65で5 / 30)。「30で買って70で売る」という組み合わせの後半だけは、この検証の範囲で妥当でした。

定番の14・30/70はどうだったか

いちばんよく見かける逆張り設定「期間14、30で買い・70で決済」と、期間14・水準50の順張りを比べます。

使い方時間足2025年2024年
逆張り・買い(30→70)15分足105回・勝率63.81%・+332.1pips93回・勝率75.27%・+9.0pips
逆張り・買い(30→70)1時間足25回・勝率60.00%・−250.7pips22回・勝率63.64%・+26.1pips
逆張り・買い(30→70)4時間足9回・勝率66.67%・+1,148.4pips7回・勝率85.71%・+209.2pips
逆張り・売り(70→30)15分足106回・勝率62.26%・+435.5pips94回・勝率50.00%・−1,545.0pips
逆張り・売り(70→30)1時間足25回・勝率64.00%・−256.1pips22回・勝率40.91%・−1,429.7pips
逆張り・売り(70→30)4時間足9回・勝率66.67%・+1,059.2pips8回・勝率50.00%・−1,150.7pips
順張り(50ライン)15分足2,840回・勝率22.64%・−265.7pips2,820回・勝率21.99%・+94.9pips
順張り(50ライン)1時間足638回・勝率24.14%・+1,272.0pips681回・勝率22.17%・+666.0pips
順張り(50ライン)4時間足164回・勝率27.44%・−790.1pips141回・勝率23.40%・+1,798.5pips

両方の年で黒字だったのは、15分足と4時間足の逆張り買い、そして1時間足の順張りだけです。

数字の中で目を引くのは2024年の15分足です。93回のうち75.27%が勝ちトレードで、1年の合計は+9.0pipsでした。4回に3回当てて、残ったのが9pipsです。当たった回数が損益とほとんど関係していない、ということがそのまま出ています。

1時間足の逆張りは、年25回しかシグナルが出ません。この件数で語れることは多くありません。 勝率60%と書けば強そうに見えますが、25回のうち15回勝って10回負けた、という意味です。

順張りの1時間足は638回で+1,272.0pips、翌年は681回で+666.0pipsでした。回数が桁違いに多く、そのぶん年による振れが小さくなっています。

なぜ勝率が高いほうが負けるのか

1回あたりの勝ち幅と負け幅が非対称だからです。2025年の全設定を平均するとこうなります。

売買ルール時間足平均勝ち幅平均負け幅平均保有本数
逆張り・買い1時間足+88.6pips−120.8pips188.9本
逆張り・売り1時間足+80.7pips−129.6pips273.4本
順張り1時間足+71.5pips−20.5pips21.6本

順張りは、勝ち幅が負け幅の3.5倍あります。 勝率23.7%でも、0.237×71.5 − 0.763×20.5 は正の値になります。抜けた方向に伸びれば持ち続け、反対に抜けたら同じ足でドテンするので、外れたときの傷が浅くなります。

逆張りは反対です。勝ち幅が負け幅の0.73倍しかありません。決済水準まで戻れば小さく勝ちますが、戻らずに走られたときの損失が大きくなります。保有本数の差も極端で、逆張りは平均189本(1時間足で約8日)、順張りは21.6本(約1日)でした。

15分足と4時間足でも関係は同じ向きです。逆張り買いは15分足で+49.6/−73.1、4時間足で+126.2/−196.2。順張りは15分足で+36.8/−10.4、4時間足で+120.1/−42.8でした。

去年勝てた設定は今年どうなるか

逆張りの首位は翌年に赤字、順張りの首位は減っても黒字でした。2024年に年間損益が最も大きかった設定を、同じ条件のまま2025年で検証します。1時間足です。

売買ルール設定選定年選定年の年間損益取引回数検証年検証年の年間損益検証年の中央値
逆張り・買い期間14・40→702024年+1,139.8pips44回2025年−798.8pips+11.2pips
順張り期間9・水準452024年+3,601.3pips725回2025年+1,254.9pips+830.3pips

逆張り・買いの期間14・40→70は、2024年に勝率77.27%・44回で+1,139.8pipsでしたが、2025年は−798.8pipsです。同年の150設定の中央値+11.2pipsも下回りました。

順張りの期間9・水準45は、2024年の+3,601.3pipsから2025年の+1,254.9pipsへ減りましたが、2025年の中央値+830.3pipsは上回りました。逆向きに見ると、2025年に+1,815.4pipsだった期間9・水準40は2024年に+1,003.6pipsです。個別設定の年間損益は変わっても、この2設定は両年とも黒字でした。

フィルターと損切り利確

1時間足の逆張り買い(期間14・30→70)と50ライン順張り(期間14・水準50)に、よく紹介される条件を足しました。

売買ルール条件取引回数年間損益
逆張り買い14・30→70そのまま2025年25回−250.7pips
逆張り買い14・30→70そのまま2024年22回+26.1pips
逆張り買い14・30→70ADX 20以上2025年25回−225.0pips
逆張り買い14・30→70ADX 20以上2024年21回−99.2pips
逆張り買い14・30→70ADX 25以上2025年25回−58.2pips
逆張り買い14・30→70ADX 25以上2024年20回−164.8pips
逆張り買い14・30→70ADX 30以上2025年22回−200.8pips
逆張り買い14・30→70ADX 30以上2024年16回−403.2pips
逆張り買い14・30→70ロンドン・NY時間2025年22回−561.0pips
逆張り買い14・30→70ロンドン・NY時間2024年20回+100.2pips
逆張り買い14・30→70東京時間2025年21回−113.6pips
逆張り買い14・30→70東京時間2024年18回+53.1pips
順張り14・50そのまま2025年638回+1,272.0pips
順張り14・50そのまま2024年681回+666.0pips
順張り14・50ADX 20以上2025年290回+389.4pips
順張り14・50ADX 20以上2024年334回−827.0pips
順張り14・50ADX 25以上2025年163回+710.9pips
順張り14・50ADX 25以上2024年165回+94.6pips
順張り14・50ADX 30以上2025年79回+420.8pips
順張り14・50ADX 30以上2024年89回−152.8pips
順張り14・50ロンドン・NY時間2025年370回+1,669.9pips
順張り14・50ロンドン・NY時間2024年400回−117.9pips
順張り14・50東京時間2025年247回+284.3pips
順張り14・50東京時間2024年236回+1,254.5pips

ADXフィルターは、順張りの両方の年で基準を下回りました。 2025年は+1,272.0が+710.9へ、2024年は+666.0が+94.6へ(いずれもADX 25以上)。トレンドの強さで絞ればトレンド追随がよくなる、とはなりませんでした。取引ごとの効率は上がります(PFは1.146→1.322)が、残る額は減ります。

時間帯フィルターは年で反対を向きました。ロンドン・NY時間は2025年に+1,669.9まで伸びますが、2024年は−117.9で赤字に落ちます。東京時間はその逆です。片方の年だけ見て選ぶと、翌年に反対の結果が出ます。

損切りと利確も足しました。

売買ルール決済ルール年間損益
逆張り買い14・30→70そのまま2025年−250.7pips
逆張り買い14・30→70そのまま2024年+26.1pips
逆張り買い14・30→70損切り30・利確602025年−360.0pips
逆張り買い14・30→70損切り30・利確602024年+90.0pips
逆張り買い14・30→70損切り50・利確1002025年−243.6pips
逆張り買い14・30→70損切り50・利確1002024年+189.2pips
逆張り買い14・30→70損切り100・利確2002025年−513.0pips
逆張り買い14・30→70損切り100・利確2002024年−731.2pips
逆張り買い14・30→7024本で時間決済2025年−536.7pips
逆張り買い14・30→7024本で時間決済2024年−878.1pips
順張り14・50そのまま2025年+1,272.0pips
順張り14・50そのまま2024年+666.0pips
順張り14・50損切り30・利確602025年+1,427.1pips
順張り14・50損切り30・利確602024年−312.7pips
順張り14・50損切り50・利確1002025年+1,964.5pips
順張り14・50損切り50・利確1002024年−300.1pips
順張り14・50損切り100・利確2002025年+2,122.6pips
順張り14・50損切り100・利確2002024年+761.1pips
順張り14・5024本で時間決済2025年+2,960.5pips
順張り14・5024本で時間決済2024年−84.7pips

順張りで両方の年とも基準を上回ったのは、損切り100/利確200だけでした(+1,272.0→+2,122.6、+666.0→+761.1)。浅い損切りは2025年には効き、2024年には赤字に落としています。24本の時間決済は2025年に+2,960.5で一番良かったのですが、2024年は−84.7で基準を割りました。

逆張りには、両方の年で基準を上回った決済ルールがありませんでした。

スプレッドで負けているのか

順張りは当てはまり、逆張りは当てはまりませんでした。スプレッドだけを変えて2025年を回し直します。

スプレッド逆張り買い 14・30→70(25回)順張り 14・50(638回)
0.0pips−243.2+1,463.4
0.3pips−250.7+1,272.0
0.6pips−258.2+1,080.6
1.0pips−268.2+825.4
1.5pips−280.7+506.4
2.0pips−293.2+187.4

逆張りはスプレッドを0にしても−243.2pipsのままです。 0から2.0pipsで失うのは50.0pips(25回×2.0)にすぎません。このシリーズで繰り返し出てきた「回数×スプレッドで負けている」という説明が、ここでは当てはまりません。逆張りが負けているのはコストのせいではなく、トレードそのもののせいです。

50ライン順張りは取引回数が多いため、コストの比重が大きくなります。0.3pipsで払う191.4pips(638回×0.3)は、スプレッド0の利益+1,463.4pipsの13%です。2.0pipsまで上がると1,276.0pipsを払い、残りは+187.4pipsまで細ります。この関係はこのシリーズのボリンジャーバンド移動平均線クロスでも誤差なく成立しています。

勝率の高さを根拠にRSIの逆張りを選ぶ、という判断はこの検証の範囲では支持できませんでした。RSIが70以上・30以下に何本続くかを測った検証では、水準へ入った次の足も同じ範囲に残る確率を調べています。ウィリアムズ%Rでも、高勝率の設定ほど年間損益が良いとは限りませんでしたボリンジャーバンドでは、バンドタッチ逆張りと終値ブレイク順張りを同じ条件で比較しています。RSIを平滑化したQQEや、RSIをさらにストキャスティクスに掛けたストキャスRSIも同じ手順で測りました。価格そのものに水準を引くフィボナッチ・リトレースメントでも、水準に到達したら売買するルールと、水準を抜けた方向へ売買するルールを比較しています。上下に枠のないCCIの逆張りは6通りすべてが赤字でした。プログラミングなしで条件を組んで検証するなら、この記事の表と同じことを自分の通貨ペア・自分の期間で確かめられます。

補足

  • 通貨ペアは米ドル/円のみ、期間は2024年と2025年の2年だけです。他の通貨ペアや他の年で同じ傾向になる保証はありません
  • 逆張りの決済は「決済水準に届くまで」です。損切りを置かない形なので、外したときの負け幅がそのまま出ています。損切りを付けた場合は別のセクションで測りました
  • 逆張りは取引回数が少なすぎる設定を多く含みます。 1時間足の中央値は年29回、4時間足では150通り中50通りが1回も取引していません。件数の少ない設定の勝率やPFは、そもそも幅の広い数字です
  • エントリーも決済も足の終値で行っています。実際の約定はここからずれます
  • スプレッドは全期間0.3pips固定として計算しています。実際のスプレッドは時間帯と指標発表で変動します

よくある質問

RSIの逆張りと順張りはどちらが有効ですか?
ドル円の1時間足で、売られすぎで買う逆張りは平均勝率65.3%でしたが、2024年と2025年の両方で黒字だったのは150通り中31通りです。買われすぎで売る逆張りは150通り中9通りでした。RSIが設定水準を抜けた方向に乗る順張りは平均勝率23.7%でも、30通り中17通りが両年黒字でした。
RSIの期間は何がいいですか?
1時間足の買い逆張りでは、両年黒字の設定が期間7の2/25から期間30の8/25へ増えました。RSIが設定水準を抜けた方向へ売買する順張りでは、期間9の5/5が最多で、期間50は1/5です。RSIの期間を長くすれば、どちらの売買ルールも改善するわけではありません。
RSIの定番設定14・30/70は使えますか?
1時間足では年25回しかシグナルが出ませんでした。2025年は25回・勝率60.00%で−250.7pips、2024年は22回・勝率63.64%で+26.1pipsです。15分足の2024年は93回・勝率75.27%で合計+9.0pipsでした。勝率が高くても、そこから残った額は取引回数ぶんの手数料と同じ桁になります。
RSIの期間を長くすると売られすぎになりませんか?
なりません。2025年の1時間足6,226本で数えると、RSIが30を下回った足の割合は期間7で13.97%、期間14で5.73%、期間30で0.39%、期間50では0.00%でした。期間50の最小値は31.2です。遅いRSIに「30以下で買う」という条件を付けても、その条件は1年を通して一度も成立しませんでした。
RSIはMT4に入っていますか?
入っています。MT4とMT5ではナビゲータのインジケータ一覧からRelative Strength Indexを選び、期間を設定します。TradingViewもインジケーター検索からRSIを追加できます。Formiqのチャートにも最初から入っていて、バックテスト側では逆張り(レベル判定)と順張り(レベル抜け)をトリガーで切り替えます。

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