ボリンジャーバンドの逆張りと順張りを315通り検証:勝率と損益
ボリンジャーバンドを逆張りと順張りの両方で、ドル円の2024年と2025年でバックテストしました。勝率60%台の逆張りが負けて勝率40%の順張りが勝った実測値と、定番の20・2σがどちらでどうなったかを載せています。
ボリンジャーバンドは移動平均線の上下に、値動きのばらつき(標準偏差)で決めた幅を足した3本の線です。価格の大半がこの幅に収まるので、**バンドに触れたら反対方向に戻ることを狙う(逆張り)**か、**バンドを抜けたらその方向に伸びることを狙う(順張り)**か、正反対の2つの使い方があります。
どちらが正しいのかは、書いてあるものによって違います。そこで、同じ通貨ペア・同じ期間・同じコストで、両方を並べて測りました。
ドル円の2025年(1月1日〜12月31日)で、期間7種×偏差5種の組み合わせに決済位置4種を掛けた逆張り140通りを買い側と売り側それぞれ、順張り35通り、合わせて315通りをバックテストしています。時間足は15分足・1時間足・4時間足の3つ、比較のために2024年でも同じ315通りを回しました。
先に結論を書きます。1時間足で、平均勝率60.1%の逆張り(買い)は140通り中28通りしか2024年と2025年の両方で黒字にならず、平均勝率40.4%の順張りは35通り中23通りが黒字でした。上バンドを売る逆張りに至っては、15分足でも1時間足でも両方の年で黒字になった設定はゼロです。勝率で並べると順序が逆になります。
ボリンジャーバンドは何を測っているのか
真ん中の線は単純移動平均です(期間)。上下のバンドは、その期間の終値のばらつきを標準偏差で測り、それを何倍したところに引くかで決まります(偏差)。
よく「1σに約68%、2σに約95%が収まる」と説明されますが、それは値動きが正規分布に従う場合の数字です。実際のドル円で数えると違いました。期間20のバンドに終値が収まった割合は、2025年の1時間足6,226本で次のとおりです。
| 偏差 | 終値が中に収まった割合 |
|---|---|
| 1σ | 45.0% |
| 1.5σ | 70.4% |
| 2σ | 87.1% |
| 2.5σ | 95.1% |
| 3σ | 99.1% |
教科書の数字より、どれも内側が薄くなります。 2σで約87%、つまり8本に1本は外に出ます。「めったに出ない」という前提で逆張りを組むと、想定より頻繁に外を歩かれることになります。
バンドそのものは「今の値動きの荒さに合わせて伸び縮みする物差し」です。荒れているときは広がり、静かなときは縮みます。同じ2σでも、そのときの相場によって実際の値幅はまったく違います。
つまみは2つ(逆張りではもう1つ)です。
| つまみ | 上げると何が起きるか |
|---|---|
| 期間 | 真ん中の線が鈍くなる。バンドに触れる回数が減る |
| 偏差 | バンドが外側に離れる。触れる/抜ける回数が減る |
| 決済の偏差(逆張りのみ) | 反対側のバンドを遠くに置く=利確を引っ張る。回数が減り、1回が長くなる |
実際の数字で確かめると、逆張り買い・1時間足・2025年の平均取引回数は、期間10のとき369回、期間50のとき54回でした。偏差では1σのとき249回、3σのとき79回です。どのつまみも「回数を減らす」向きに効くので、後で出てくるコストの話につながります。
チャートに表示する方法
ボリンジャーバンドはどのプラットフォームにも標準で入っています。
| 環境 | 手順 |
|---|---|
| MT4 / MT5 | ナビゲータのインジケータ一覧から Bollinger Bands を選び、期間と偏差を設定する |
| TradingView | インジケーター検索から Bollinger Bands を追加し、期間と偏差を設定する |
| ブラウザ(Formiq) | 最初から入っている。バックテスト側は逆張り(バンドタッチ)と順張り(バンドブレイク)をトリガーで切り替える |
表示そのものはどこでも同じですが、売買ルールとして組むときに「触れたら」なのか「抜けたら」なのかを決める必要があります。 この記事はその2つを別のシステムとして測っています。
検証の条件
数字を見る前に、何をどう測ったかを書いておきます。この表と同じ設定を入れれば、同じ結果が出ます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 通貨ペア | 米ドル/円 |
| 期間 | 2025-01-01 〜 2025-12-31(比較用に2024年も同条件) |
| 時間足 | 15分足 / 1時間足 / 4時間足 |
| 検証本数 | 2025年で15分足24,903本、1時間足6,226本、4時間足1,610本 |
| 逆張り・買い | 安値が下バンドに触れた足の終値で買い、高値が上バンドに触れた足の終値で決済 |
| 逆張り・売り | 高値が上バンドに触れた足の終値で売り、安値が下バンドに触れた足の終値で決済 |
| 順張り | 終値が上バンドを上抜けたら買い、下バンドを下抜けたら売り。反対側のバンドを終値で抜けたら同じ足でドテン |
| 損切り・利確 | 使わない(別セクションで測定) |
| スプレッド | 0.3pips(スリッページ0、0.1ロット)。決済と新規の両方に掛かる |
| 逆張りの組み合わせ | 期間7種(10・14・20・25・30・40・50)× 偏差5種(1・1.5・2・2.5・3σ)× 決済の偏差4種(0.5・1・1.5・2σ)=140通り。買い側と売り側で別々に実行 |
| 順張りの組み合わせ | 期間7種 × 偏差5種=35通り |
| 測定 | Formiqのバックテスト機能で実行し、1トレードずつの約定価格からpipsを再集計 |
逆張りの買いと売りを別システムにしているのは、バンドタッチが方向を持つルールだからです。下バンドを買う設定と上バンドを売る設定は、まったく別の成績になります。
勝率と損益が反対を向く
3つのシステムを、時間足ごとに並べます。
| システム | 時間足 | 2025年の黒字数 | 2025年の中央値 | 2024年の黒字数 | 2024年の中央値 | 両方の年で黒字 | 平均勝率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 逆張り・買い | 15分足 | 19 / 140 | −621pips | 51 / 140 | −153pips | 5 / 140 | 64.0% |
| 逆張り・買い | 1時間足 | 34 / 140 | −278pips | 89 / 140 | +121pips | 28 / 140 | 60.1% |
| 逆張り・買い | 4時間足 | 105 / 140 | +506pips | 38 / 140 | −309pips | 16 / 140 | 69.2% |
| 逆張り・売り | 15分足 | 4 / 140 | −629pips | 2 / 140 | −1,621pips | 0 / 140 | 63.4% |
| 逆張り・売り | 1時間足 | 23 / 140 | −530pips | 13 / 140 | −1,068pips | 0 / 140 | 60.3% |
| 逆張り・売り | 4時間足 | 96 / 140 | +553pips | 5 / 140 | −1,325pips | 1 / 140 | 62.6% |
| 順張り | 15分足 | 25 / 35 | +432pips | 18 / 35 | +33pips | 16 / 35 | 38.3% |
| 順張り | 1時間足 | 25 / 35 | +789pips | 30 / 35 | +838pips | 23 / 35 | 40.4% |
| 順張り | 4時間足 | 12 / 35 | −1,025pips | 28 / 35 | +861pips | 9 / 35 | 36.3% |
(平均勝率は2025年の全設定の平均。取引が1回も出なかった設定は勝率の集計から除いています)
冒頭の図が、この表の1時間足を1点ずつ描いたものです。横軸が勝率、縦軸が年間の損益。赤と紫(逆張り)は右下に、青(順張り)は左上に集まります。 よく当たるほうが負けている、という形がそのまま見えます。
上バンドを売る逆張りは、15分足でも1時間足でも両方の年で黒字になった設定が1つもありません(140通り中0通り)。4時間足でようやく1通りです。2024年のドル円が年間1,632pips上昇したので、上バンドを売り続ける行為が上昇に轢かれ続けた、という説明がつきます。
いっぽう順張りは、1時間足で35通り中23通りが両方の年で黒字でした。
なぜ勝率が高いほうが負けるのか
1回あたりの勝ち幅と負け幅が非対称だからです。
2025年の全設定を平均すると、こうなります。
| システム | 時間足 | 平均勝ち幅 | 平均負け幅 |
|---|---|---|---|
| 逆張り・買い | 1時間足 | +40.5pips | −67.1pips |
| 逆張り・売り | 1時間足 | +44.2pips | −79.9pips |
| 順張り | 1時間足 | +123.8pips | −80.9pips |
逆張りは、バンドに触れて戻れば小さく勝ちますが、戻らずにそのまま走られたときに大きく負けます。反対側のバンドまで待つ決済ルールなので、外したときの損失が勝ちの1.7〜1.8倍になります。勝率6割でも、勝ち幅が負け幅の6割しかなければ合計は負けます。
順張りはその逆です。抜けてすぐ戻される回数のほうが多い(勝率40%)かわりに、伸びたときの1回が大きくなります。
15分足と4時間足でも関係はおおむね同じ向きでした。逆張り買いは15分足で+20.4/−38.7、4時間足で+83.8/−139.4。順張りは15分足で+66.5/−42.5、4時間足で+286.1/−136.4です。
例外が1つあります。4時間足の逆張り売りだけは、平均勝ち幅+96.7pipsが平均負け幅−88.4pipsを上回りました。 ただしこの組み合わせも、両方の年で黒字だったのは140通り中1通りだけです。幅の関係が有利でも、2024年の上昇に轢かれた分を取り返せていません。
定番の20・2σはどうだったか
いちばんよく見かける「期間20・偏差2σ」を、両方の使い方で見ます。
| 使い方 | 時間足 | 2025年 | 2024年 |
|---|---|---|---|
| 逆張り・買い(決済1σ) | 15分足 | 703回・勝率63.58%・−669.3pips | 677回・勝率67.06%・−585.9pips |
| 逆張り・買い(決済1σ) | 1時間足 | 172回・勝率62.79%・−26.6pips | 163回・勝率67.48%・−614.1pips |
| 逆張り・買い(決済1σ) | 4時間足 | 40回・勝率77.50%・+1,030.3pips | 34回・勝率67.65%・−389.0pips |
| 順張り | 15分足 | 570回・勝率37.72%・+292.5pips | 566回・勝率35.87%・+344.4pips |
| 順張り | 1時間足 | 132回・勝率43.18%・+1,177.5pips | 137回・勝率41.61%・+1,434.6pips |
| 順張り | 4時間足 | 41回・勝率19.51%・−2,126.7pips | 34回・勝率35.29%・+775.5pips |
両方の年で黒字だったのは、15分足と1時間足の順張りだけです。同じ20・2σを逆張りに使うと、勝率が63〜67%あるのに15分足でも1時間足でも両方の年で負けました。
4時間足は逆張りと順張りのどちらも年で符号が入れ替わります。4時間足の順張りは2025年に41回で−2,126.7pips、勝率19.51%。この件数と勝率で語れることは多くありません。
パラメータはどう効いたか
1時間足で、つまみを1つずつ動かして残り全部で平均を取ります。数字は「その値を持つ設定のうち、2024年と2025年の両方で黒字だった数」です。
順張りの期間
| 期間 | 2025年の平均 | 2024年の平均 | 両方の年で黒字 |
|---|---|---|---|
| 10 | +520pips | +732pips | 2 / 5 |
| 14 | +243pips | +1,221pips | 3 / 5 |
| 20 | +885pips | +1,489pips | 5 / 5 |
| 25 | +596pips | +870pips | 5 / 5 |
| 30 | +804pips | +287pips | 2 / 5 |
| 40 | +452pips | +803pips | 4 / 5 |
| 50 | −12pips | +704pips | 2 / 5 |
期間20と25は5通り中5通りが両方の年で黒字でした。定番の20が順張り側では実際に上位にいます。
順張りの偏差
| 偏差 | 2025年の平均 | 2024年の平均 | 両方の年で黒字 |
|---|---|---|---|
| 1σ | +1,082pips | +1,569pips | 7 / 7 |
| 1.5σ | +1,368pips | +693pips | 5 / 7 |
| 2σ | +980pips | +742pips | 6 / 7 |
| 2.5σ | −813pips | +896pips | 2 / 7 |
| 3σ | −125pips | +462pips | 3 / 7 |
偏差1σは7通り全部が両方の年で黒字です。バンドを狭くするほどブレイクの回数が増え、標本が増えます。逆に2.5σ以上はブレイク自体が珍しくなり、年による振れが大きくなりました。
逆張りの偏差(買い側)
| 偏差 | 2025年の平均 | 2024年の平均 | 両方の年で黒字 |
|---|---|---|---|
| 1σ | −796pips | +6pips | 0 / 28 |
| 1.5σ | −537pips | +28pips | 5 / 28 |
| 2σ | −266pips | +83pips | 8 / 28 |
| 2.5σ | −85pips | +64pips | 6 / 28 |
| 3σ | −37pips | +156pips | 9 / 28 |
逆張りは順張りと反対で、バンドを広げるほどマシになります。ただし「マシ」であって、2025年はどの偏差でも平均がマイナスです。偏差1σの逆張りは28通り中0通りしか両方の年で黒字になりませんでした。
期間についても同じ向きで、1時間足の逆張り買いは期間50が20通り中8通り、期間20は20通り中0通りです。逆張りで残るのは「めったに触れない、遅い設定」だけでした。
去年いちばん良かった設定を、今年に持ち込むと
それぞれの年の1位を、相手の年に当てます。
| システム | 2024年の1位 | 2024年の損益 | 2025年に当てたとき | 2025年の順位 | 2025年の中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 逆張り・買い(1時間足) | 期間40・2σ→1.5σ | +1,085.6pips(70回) | −268.0pips | 69 / 140 | −277.7pips |
| 順張り(1時間足) | 期間20・1.5σ | +2,637.8pips(195回) | +1,488.1pips | 7 / 35 | +788.6pips |
逆張りは中央値と変わらない位置に落ちました。いっぽう順張りの2024年1位は、2025年でも35通り中7位を保っています。 このシリーズでは珍しく、順位がある程度引き継がれた例です。
逆向きも見ておきます。2025年に1位だった順張り設定(期間10・1.5σ、+1,838.4pips、363回)は、2024年には−156.5pipsで35通り中33位でした。片方の年の1位を選ぶ行為は、順張りでも安全ではありません。
315通り全体の順位相関は、どのシステムもほぼゼロです。
| システム | 2024年 ↔ 2025年 | 2025年前半 ↔ 後半 |
|---|---|---|
| 逆張り・買い(1時間足) | +0.179 | +0.079 |
| 逆張り・売り(1時間足) | −0.071 | −0.335 |
| 順張り(1時間足) | +0.112 | +0.142 |
フィルターと損切り利確
1時間足の2つの代表設定に、よく紹介される条件を足しました。
| 条件 | 逆張り買い 20/2σ→1σ 2025年 | 同 2024年 | 順張り 20/2σ 2025年 | 同 2024年 |
|---|---|---|---|---|
| そのまま | 172回・−26.6pips | 163回・−614.1pips | 132回・+1,177.5pips | 137回・+1,434.6pips |
| ADX 20以上 | 121回・+323.9pips | 117回・−740.0pips | 94回・+703.6pips | 106回・−322.6pips |
| ADX 25以上 | 98回・+681.1pips | 79回・−1,029.1pips | 69回・−199.2pips | 74回・−120.3pips |
| ADX 30以上 | 74回・+778.2pips | 56回・−843.4pips | 52回・−445.6pips | 49回・+263.3pips |
| ロンドン・NY時間 | 141回・+269.3pips | 135回・−684.0pips | 114回・−54.1pips | 113回・+1,599.8pips |
| 東京時間 | 93回・+11.9pips | 83回・−727.1pips | 84回・+78.2pips | 79回・+449.2pips |
ADXフィルターは逆張りの2025年を黒字に変えますが、2024年には逆に働いて赤字を広げます。順張りに足すと、2025年も2024年も基準を下回りました。 トレンドの強さで絞ればトレンド追随がよくなる、とはなりませんでした。
損切りと利確も足しました。
| 決済ルール | 逆張り買い 2025年 | 逆張り買い 2024年 | 順張り 2025年 | 順張り 2024年 |
|---|---|---|---|---|
| そのまま | −26.6pips | −614.1pips | +1,177.5pips | +1,434.6pips |
| 損切り30 / 利確60 | −269.5pips | −573.5pips | +154.5pips | +195.6pips |
| 損切り50 / 利確100 | −177.5pips | −592.0pips | +28.5pips | +1,097.3pips |
| 損切り100 / 利確200 | −440.2pips | −36.3pips | +1,320.9pips | +1,119.0pips |
| 24本で時間決済 | +164.9pips | −651.8pips | +1,413.8pips | +1,536.2pips |
24本の時間決済だけが、順張りで両方の年とも基準を上回りました(+1,177.5→+1,413.8、+1,434.6→+1,536.2)。損切りを浅くするほど順張りの成績は落ちます。抜けた方向に伸びるのを待つ仕組みなので、途中で切ると本体が消えるためです。
逆張りには、両方の年で効いた決済ルールがありませんでした。
逆張りの利益は、スプレッドとほぼ同額だった
スプレッドだけを変えて2025年を回し直します。
| スプレッド | 逆張り買い 20/2σ→1σ(172回) | 順張り 20/2σ(132回) |
|---|---|---|
| 0.0pips | +25.0 | +1,217.1 |
| 0.3pips | −26.6 | +1,177.5 |
| 0.6pips | −78.2 | +1,137.9 |
| 1.0pips | −147.0 | +1,085.1 |
| 1.5pips | −233.0 | +1,019.1 |
| 2.0pips | −319.0 | +953.1 |
逆張りはスプレッドが0なら+25.0pips、0.3pipsを払うと−26.6pipsです。1年やって残ったものが、支払ったコストとほぼ同額でした。失った額51.6pipsは172回×0.3pipsとぴったり一致します。
順張りは2.0pipsでも+953.1pipsが残ります。0から2.0pipsで失うのは264.0pips(132回×2.0)で、こちらも一致しました。この関係はこのシリーズのQQEや移動平均線クロスでも誤差なく成立しています。
この検証で言えること
年をまたいで同じ方向を向いていたものだけを並べます。
- 同じ指標でも、逆張りと順張りで結論が反対になる。 1時間足で両方の年に残ったのは、逆張り買いが140通り中28通り、逆張り売りが0通り、順張りが35通り中23通りでした
- 勝率で選ぶと逆の設定を選ぶことになる。 平均勝率は逆張り60.1%、順張り40.4%。勝ち幅と負け幅の非対称がそれを打ち消します
- 順張りなら偏差は狭いほう。 1時間足の偏差1σは7通り全部が両方の年で黒字。逆張りなら広いほう(1σは28通り中0通り)
- 定番の20・2σは順張り側で妥当。 15分足と1時間足の順張りは両方の年で黒字、同じ設定の逆張りは両方の年で赤字でした
- 回数の多い設定ほどスプレッドで決まる。 逆張りの1年ぶんの利益は、支払ったスプレッドとほぼ同額でした
勝率の高さを根拠に逆張りを選ぶ、という判断はこの検証の範囲では支持できませんでした。勝率と損益が逆を向く現象は他の指標でも出ていますが、ボリンジャーバンドは同じ指標の中で両方を測れるぶん、差がはっきり出ます。RSIを同じ2つの使い方で測った記事では、勝率の差がさらに開きました(逆張り65.3%・順張り23.7%)。プログラミングなしで条件を組んで検証するなら、この記事の表と同じことを自分の通貨ペア・自分の期間で確かめられます。
この検証の限界
- 通貨ペアは米ドル/円のみ、期間は2024年と2025年の2年だけです。他の通貨ペアや他の年で同じ傾向になる保証はありません
- 2つの年の性格が大きく違います。 2024年は+1,632pipsの上昇(値幅2,237pips)、2025年は−56pipsで元の位置に戻る動き(値幅1,900pips)でした。上バンドを売る逆張りが2024年に全滅したのは、この上昇の影響が大きいはずです
- 逆張りの決済は「反対側のバンドに触れるまで」です。損切りを置かない形なので、外したときの負け幅がそのまま出ています。損切りを付けた場合は別のセクションで測りました
- 順張りは終値で判定しています。ヒゲでバンドを抜けて終値では戻った足は、シグナルになりません
- エントリーも決済も足の終値で行っています。実際の約定はここからずれます
- スプレッドは全期間0.3pips固定として計算しています。実際のスプレッドは時間帯と指標発表で変動します
- 4時間足は設定によって年4〜202回(逆張り買い)と幅があり、順張りには1回も取引が出なかった設定が1つあります。件数の少ない設定の勝率やPFは、そもそも幅の広い数字です
- 時間帯によって値動きの大きさは変わります。時間フィルターの結果はその影響を受けています
よくある質問
- ボリンジャーバンドの逆張りと順張りはどちらが有効ですか?
- ドル円の1時間足で、下バンドを買う逆張りは140通り中28通りしか2024年と2025年の両方で黒字にならず、上バンドを売る逆張りは140通り中0通りでした。バンドを終値で抜けた方向に乗る順張りは35通り中23通りが両方の年で黒字です。平均勝率は逆張りが60.1%、順張りが40.4%で、勝率と損益が逆を向いています。
- ボリンジャーバンドの最強設定は何ですか?
- この検証で両方の年に残った設定は、順張り側に集まりました。1時間足では偏差1σの7通りが7通りとも両方の年で黒字、期間20と期間25もそれぞれ5通り中5通りです。逆張り側は1時間足で期間50が20通り中8通り、偏差1σは28通り中0通りでした。ただし2025年で1位だった順張り設定(期間10・偏差1.5σ)は2024年には35通り中33位まで落ちています。
- ボリンジャーバンドの定番設定20・2σは使えますか?
- 使い方で結果が反対になりました。期間20・偏差2σを逆張り(下バンドで買い、1σで決済)に使うと、15分足で2025年−669.3pips・2024年−585.9pips、1時間足で−26.6pipsと−614.1pipsで、勝率が63〜67%あるのに両方の年で負けています。同じ20・2σを順張りに使うと1時間足で+1,177.5pipsと+1,434.6pips、勝率は43.18%と41.61%でした。
- ボリンジャーバンドの逆張りは勝率が高いのに、なぜ負けるのですか?
- 1回あたりの勝ち幅と負け幅が非対称だからです。1時間足・2025年の平均で、逆張りは勝ちトレードが+40.5pips、負けトレードが−67.1pips。順張りは勝ちが+123.8pips、負けが−80.9pipsで関係が逆になっています。逆張りは小さく勝って大きく負ける形なので、勝率60%でも合計はマイナスに振れます。
- ボリンジャーバンドはMT4に入っていますか?
- 入っています。MT4とMT5ではナビゲータのインジケータ一覧からBollinger Bandsを選び、期間と偏差を設定します。TradingViewもインジケーター検索からBollinger Bandsを追加できます。Formiqのチャートにも最初から入っていて、バックテスト側では逆張り(バンドタッチ)と順張り(バンドブレイク)をトリガーで切り替えます。
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