ストキャスRSIのクロスと時間足を36通り検証
ストキャスRSIの4つのパラメータを36通り、ドル円の2025年と2024年で検証しました。4時間足では36通り中30通りが両方の年で黒字、1時間足では3通り、15分足では0通り。時間足で結果が入れ替わります。
ストキャスRSIは、RSIにストキャスティクスをもう一段かけた指標です。RSIの数値そのものではなく、直近N本のRSIの高安レンジの中でいまのRSIがどこにいるかを見ます。二重に加工するぶん反応が速くなります。
ドル円の2025年(1月1日〜12月31日)で、RSI期間・ストキャス期間・%K平滑化・%D平滑化の4つを36通り組み合わせて検証しました。時間足は15分足・1時間足・4時間足、比較のために2024年でも同じ36通りを回しています。
1時間足では、両方の年で黒字だった設定が36通り中3通りしかありません。 2024年に黒字だったのは7/36です。
その一方で、4時間足では30通りが両方の年で黒字でした。同じ指標・同じパラメータで、時間足を変えるだけで結果が入れ替わっています。
時間足でどう変わるか
結果が正反対になりました。
| 時間足 | 年 | 黒字の設定数 | 年間損益の中央値 | 年間の取引回数(中央値) |
|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 2025年 | 0 / 36 | −1,139pips | 約4,850回 |
| 15分足 | 2024年 | 3 / 36 | −1,205pips | 対象外 |
| 1時間足 | 2025年 | 20 / 36 | +162pips | 約1,230回 |
| 1時間足 | 2024年 | 7 / 36 | −1,008pips | 対象外 |
| 4時間足 | 2025年 | 30 / 36 | +1,261pips | 約300回 |
| 4時間足 | 2024年 | 36 / 36 | +2,534pips | 対象外 |
理由は取引回数にあります。
この指標は二重に加工されているぶん、シグナルが非常に多く出ます。15分足では年間約4,850回。同じ条件でQQEは年465回、スーパートレンドは年152回でした。
スプレッドで失う額は取引回数にそのまま比例します。年4,850回なら0.3pipsでも年間1,455pips相当の負担です。1時間足の1,230回でも369pips。4時間足の300回まで落として、ようやく回数がコストに見合う水準になりました。
1時間足では設定を変えるべきか
変えても報われませんでした。
| 設定 | 年 | 年間損益 |
|---|---|---|
| 初期設定 14/14/3/3 | 2025年 | +764.5pips |
| 初期設定 14/14/3/3 | 2024年 | −1,811.3pips |
| 2025年に最大だった14/21/3/5 | 2025年 | +1,560.4pips |
| 2025年に最大だった14/21/3/5 | 2024年 | −2,011.2pips |
| 2024年に最大だった14/7/5/3 | 2025年 | −2,200.9pips |
| 2024年に最大だった14/7/5/3 | 2024年 | +858.4pips |
| 2025年に最小だった7/7/5/5 | 2025年 | −3,221.7pips |
| 2025年に最小だった7/7/5/5 | 2024年 | −1,009.9pips |
2024年に+858.4pipsだった14/7/5/3は、2025年に−2,200.9pipsへ反転しました。逆に2025年に+1,560.4pipsだった14/21/3/5は、2024年に−2,011.2pipsです。片方の年で選んだ設定は、もう片方の年でどちらも赤字でした。
4時間足なら設定を選べるか
年ごとに最大の設定が変わります。
| 設定 | 年 | 年間損益 |
|---|---|---|
| 初期設定 14/14/3/3 | 2025年 | +1,437.3pips |
| 初期設定 14/14/3/3 | 2024年 | +2,430.4pips |
| 2025年に最大だった21/21/3/3 | 2025年 | +2,333.0pips |
| 2025年に最大だった21/21/3/3 | 2024年 | +2,205.8pips |
| 2024年に最大だった7/21/5/5 | 2025年 | −863.4pips |
| 2024年に最大だった7/21/5/5 | 2024年 | +3,799.1pips |
| 2025年に最小だった7/14/5/5 | 2025年 | −1,389.5pips |
| 2025年に最小だった7/14/5/5 | 2024年 | +1,918.2pips |
2024年に+3,799.1pipsだった7/21/5/5は、2025年に−863.4pipsへ反転しました。2025年に最大だった21/21/3/3は、両方の年で+2,200pipsを超えています。
2024年は36通り全部が黒字でした。初期設定の14/14/3/3は、両方の年で+1,400pips以上を残しています。
勝率は損益と結びつくか
無関係でした。1時間足・2025年の36通りで、勝率は38.17%〜41.84%、中央値39.8%でした。3.67ポイントの狭い範囲でも、年間損益は−3,221.7〜+1,560.4pipsに分かれています。
4時間足では勝率が36.72%〜45.85%まで広がりました。勝率の範囲だけで設定の年間損益は判断できません。
ストキャスRSIの表示と設定
| 環境 | 手順 |
|---|---|
| MT4 / MT5 | 標準では入っていない。配布されている .ex4/.mq4 を MQL4/Indicators(MT5は MQL5/Indicators)に置いて再起動する |
| TradingView | インジケーター検索で「Stochastic RSI」を選ぶ |
| ブラウザ(Formiq) | インジケーター一覧から選ぶ。RSI期間・ストキャス期間・%K・%Dを設定から変更できる |
検証の条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 通貨ペア | 米ドル/円 |
| 期間 | 2025-01-01 〜 2025-12-31(比較用に2024年も同条件) |
| 時間足 | 15分足 / 1時間足 / 4時間足 |
| 検証本数 | 1時間足で6,226本(2025年)。15分足24,903本、4時間足1,610本 |
| 買い | %Kが%Dを上抜けた足の終値 |
| 売り | %Kが%Dを下抜けた足の終値 |
| 決済 | 反対側のクロスのみ。損切り・利確・時間決済は使わない |
| スプレッド | 0.3pips(スリッページ0、0.1ロット) |
| 試した組み合わせ | RSI期間3種(7・14・21)× ストキャス期間3種(7・14・21)× %K 2種(3・5)× %D 2種(3・5)= 36通り |
| 測定 | Formiqのバックテスト機能で実行し、1トレードずつの約定価格からpipsを再集計 |
この指標を使うなら、時間足を上げて回数を減らすことが前提条件になります。同じことがRVIでも起きています。元になっているRSIは、加工しないぶんシグナルが桁違いに少なくなります。ほかにOsMA・ACオシレーター・QQE・アルーン・スーパートレンド・ウィリアムズ%R・MFIの検証記事があります。
補足
- 通貨ペアは米ドル/円のみ、期間は2024年と2025年の2年だけです
- ストキャスRSIの実装はスクリプトによって差があります(RSIの平滑化方法、%Kの取り方)。この数値はFormiqの実装によるものです
- 判定は%Kと%Dのクロスのみで、20/80のような水準判定は試していません。水準で絞れば回数は減ります
- エントリーも決済も足の終値で行っています
- スプレッドは全期間0.3pips固定です。回数の多いこの指標では、この前提が結果を大きく左右します
- 4時間足は年間230〜397回です
よくある質問
- ストキャスRSIの最強設定は何ですか?
- 1時間足では36通り中、両方の年で黒字だったのは3通りだけです。4時間足では30通りが両方の年で黒字で、初期設定の14/14/3/3は2025年+1,437.3pips、2024年+2,430.4pipsでした。
- ストキャスRSIはどの時間足で使えますか?
- この検証では4時間足だけです。4時間足は2025年に30/36、2024年に36/36が黒字で、両方の年で黒字だったのは30通り。1時間足は3通り、15分足は0通りでした。1時間足では年間約1,230回、15分足では約4,850回売買します。
- ストキャスRSIとRSIの違いは何ですか?
- ストキャスRSIはRSIにストキャスティクスを重ねたものです。RSIの値そのものではなく、直近N本のRSIのレンジの中でいまのRSIがどこにいるかを見ます。二重に加工するぶん反応が速くなり、売買シグナルの回数が大幅に増えます。
- ストキャスRSIの勝率はどのくらいですか?
- 1時間足・2025年の36通りで38.17%〜41.84%、中央値39.8%でした。%Kが%Dを上抜け・下抜けしたところで持ち続ける形なので、勝率は50%を下回ります。ただし1時間足では損益がついてこず、両方の年で黒字だったのは36通り中3通りだけです。
- ストキャスRSIはMT4に標準で入っていますか?
- 入っていません。配布されている .ex4/.mq4 を MQL4/Indicators に置いて再起動します。MT5も標準では入っていません。TradingViewはインジケーター検索から「Stochastic RSI」を追加できます。Formiqのチャートには入っていて、4つのパラメータを設定から変更できます。
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