OsMAは1時間足で54通り全部が黒字だった:ドル円検証
OsMAの3つのパラメータを54通り、ドル円の2025年と2024年で検証しました。1時間足では両方の年で54通り全部が黒字、15分足では54通り中1通り。時間足の選択がすべてを決めた例です。
OsMA(Moving Average of Oscillator)は、MACD線とシグナル線の差を棒グラフにしたものです。MACDのヒストグラムと同じ計算で、ゼロより上ならMACD線がシグナル線の上にいる、という意味になります。
ドル円の2025年(1月1日〜12月31日)で、短期・長期・シグナルの3つのパラメータを54通り組み合わせて検証しました。時間足は15分足・1時間足・4時間足、比較のために2024年でも同じ54通りを回しています。
1時間足では、54通り全部が2025年と2024年の両方で黒字になりました。
この検証シリーズで6つの指標を同じ方法で調べていますが、片方の年ですら全通り黒字になった例は他にありません。ただしこれは「OsMAが強い」という話では終わりません。同じ54通りを15分足でやると、両方の年で黒字だったのは1通りだけです。
時間足が結果を決めた
| 時間足 | 2025年に黒字 | 2025年の中央値 | 2024年に黒字 | 2024年の中央値 | 両方の年で黒字 | 年間の取引回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 38 / 54 | +171pips | 1 / 54 | −1,303pips | 1 / 54 | 約970回 |
| 1時間足 | 54 / 54 | +952pips | 54 / 54 | +1,855pips | 54 / 54 | 約230回 |
| 4時間足 | 41 / 54 | +266pips | 44 / 54 | +812pips | 31 / 54 | 約55回 |
15分足の2024年は54通り中1通りしか黒字になっていません。年間970回の売買にスプレッドがかかると、それだけで大きな負担になります。この関係はどの指標でも同じでした。
4時間足は年55回まで減りますが、こちらは逆に標本が薄くなります。両方の年で黒字だったのは31/54で、1時間足より落ちます。
パラメータはどう効いたか
| 設定 | 2025年 | 2024年 |
|---|---|---|
| 既定値 12/26/9 | 226回・勝率38.50%・PF 1.232・+1,129.4pips(54通り中13位) | +2,363.7pips(1位) |
| 2025年の最良 6/18/9 | 316回・勝率36.08%・PF 1.286・+1,597.4pips | +2,029.4pips(14位) |
| 2025年の最下位 18/26/15 | +288.2pips | +1,946.0pips |
注目すべきは3行目です。1時間足で最も成績が悪かった設定でも、2025年に+288.2pips、2024年に+1,946.0pipsの黒字でした。パラメータの選び方で結果が黒字か赤字かに分かれる、という状況がそもそも起きていません。
順位相関は+0.082。順位は引き継がれませんが、引き継がれなくても全部黒字なので実害がない、という珍しい形です。
1時間足の取引回数は130回から416回の範囲でした。パラメータを変えると頻度は動きますが、どの頻度でも黒字が残っています。
勝率は低く出る
1時間足・2025年の54通りで、勝率は32.29%〜41.50%、中央値35.8%でした。勝率と損益の順位相関は−0.331で、勝率が高い設定ほど損益はむしろ悪い傾向です。
ゼロラインを抜けた方向に持ち続ける形なので、負けは小さく何度も出て、勝ちが大きく伸びます。ウィリアムズ%Rの記事で見た形のちょうど裏返しです。勝率だけを見て指標を比べると、順序が逆になります。
チャートに表示する方法
| 環境 | 手順 |
|---|---|
| MT4 / MT5 | 標準で入っている。ナビゲーターの「Oscillators」から Moving Average of Oscillator を選ぶ |
| TradingView | MACDを追加してヒストグラムを見る(同じ計算) |
| ブラウザ(Formiq) | インジケーター一覧から選ぶ。短期・長期・シグナルを設定から変更できる |
検証の条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 通貨ペア | 米ドル/円 |
| 期間 | 2025-01-01 〜 2025-12-31(比較用に2024年も同条件) |
| 時間足 | 15分足 / 1時間足 / 4時間足 |
| 検証本数 | 1時間足で6,226本(2025年)。15分足24,903本、4時間足1,610本 |
| 買い | OsMAがゼロを上抜けた足の終値 |
| 売り | ゼロを下抜けた足の終値 |
| 決済 | 反対側へのゼロ抜けのみ。損切り・利確・時間決済は使わない |
| スプレッド | 0.3pips(スリッページ0、0.1ロット) |
| 試した組み合わせ | 短期5種(6〜24)× 長期4種(18〜60)× シグナル3種(5〜15)のうち短期<長期の54通り |
| 測定 | Formiqのバックテスト機能で実行し、1トレードずつの約定価格からpipsを再集計 |
4時間足では順位が反転する
1時間足の安定ぶりと対照的に、4時間足は他の指標と同じ挙動を見せました。
| 2025年 | 2024年 | |
|---|---|---|
| 2025年の最良 9/18/9 | +1,040.3pips | −1,153.4pips(54通り中53位) |
| 2024年の最良 24/60/15 | −835.0pips(54位) | +1,718.4pips |
2024年で1位だった設定が2025年の最下位、2025年で1位だった設定が2024年の53位です。順位相関は−0.277。年55回という取引回数では、この程度の反転は普通に起こります。
同じ指標でも、時間足を変えると「設定を選ぶ意味がある/ない」の性質まで変わる、ということです。
この検証で言えること
- 1時間足では、設定を選ぶ作業がほぼ不要だった。 54通り全部が両方の年で黒字。最下位でも+288.2/+1,946.0pips
- 15分足では成立しない。 2024年は54通り中1通り。年970回の売買がコストに耐えられません
- 4時間足は反転する。 2024年の1位が2025年の最下位。年55回では標本が薄すぎます
- 勝率は低く、それでいい。 中央値35.8%。勝率と損益の相関は−0.331で、勝率を上げようとすると損益が落ちます
- 既定値の12/26/9で足りている。 2024年1位、2025年13位。探しても上積みはわずかです
同じ方法で調べたQQE・アルーン・RVI・スーパートレンド・ウィリアムズ%R・MFIの記事もあります。
この検証の限界
- 通貨ペアは米ドル/円のみ、期間は2024年と2025年の2年だけです
- 2年とも1時間足のOsMAに有利だった可能性を否定できません。 54通り全部が黒字という結果は、指標の強さと同じくらい、この2年のドル円の性格を映しています
- OsMAの計算はMACDの実装差(EMAの初期化方法など)をそのまま引き継ぎます。この数値はFormiqの実装によるものです
- エントリーも決済も足の終値で行っています
- スプレッドは全期間0.3pips固定です。15分足の結果はこの前提に強く依存します
- 4時間足は年間35〜110回です。この件数の勝率やPFは幅の広い数字です
- 時間帯によって値動きの大きさは変わります
よくある質問
- OsMAの最強設定は何ですか?
- 1時間足なら探す必要がほとんどありませんでした。54通り全部が2025年・2024年の両方で黒字です。2025年の最良は6/18/9(316回で+1,597.4pips)、2024年の最良は既定値の12/26/9(+2,363.7pips)でした。既定値は2024年で54通り中1位、2025年で13位です。
- OsMAとMACDの違いは何ですか?
- OsMAはMACDのヒストグラム部分そのものです。MACD線とシグナル線の差を棒で表したもので、ゼロを上抜けることはMACD線がシグナル線を上抜けることと同じです。別々の指標というより、同じ計算の別の見せ方です。
- OsMAはどの時間足がいいですか?
- この検証では1時間足が突出していました。54通り全部が両方の年で黒字です。4時間足は31/54、15分足は1/54しかありません。15分足では年間約970回売買するため、スプレッドの負担が利益を上回ります。
- OsMAの勝率はどのくらいですか?
- 低めに出ます。1時間足・2025年の54通りで32.29%〜41.50%、中央値は35.8%でした。ゼロラインの上抜け・下抜けで持ち続けるトレンドフォローなので、勝率は低く1回あたりの勝ちが大きい形になります。勝率と損益の順位相関は−0.331で、勝率が高い設定ほど損益は悪い傾向でした。
- OsMAはMT4に標準で入っていますか?
- MT4とMT5に標準で入っています(オシレーター内のMoving Average of Oscillator)。TradingViewではMACDのヒストグラム表示が同じものです。Formiqのチャートにも入っていて、3つのパラメータを設定から変更できます。
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