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RVIの期間とスプレッドの影響をドル円2年間で検証

RVIの期間を4から55まで10通り、ドル円の2025年と2024年でバックテストしました。期間を14倍にしても取引回数がほとんど変わらない理由と、その結果コストが損益を決めてしまうことを実測値で示します。

RVI(Relative Vigor Index)は「終値が始値からどれだけ離れたか」を「その足の高値と安値の幅」で割った指標です。上げ相場では終値が高値寄りで引けるはず、という発想でできています。

期間を変えたらどうなるのか。ドル円の2025年(1月1日〜12月31日)で、期間4から55まで10通りをバックテストしました。時間足は15分足・1時間足・4時間足、比較のために2024年でも同じ10通りを回しています。

結果を先に書きます。期間を4から55へ約14倍に広げても、取引回数は年1,336回から1,078回へ減っただけでした。 RVI期間を大きく変えても、1時間足の年間取引回数は3割以上変わりませんでした。

そして年間1,000回を超える売買回数は、それ自体が損益を決める要素になります。この記事の後半はその話です。

050010001500−2k−1k0+1k+2k+3k46810141824304055RVIの期間
年間の取引回数(左軸)2025年の損益(右軸)2024年の損益(右軸)
期間は14倍まで広げていますが、棒はほとんど動きません。線のほうは大きく動き、年ごとに向きが違います。

RVIは何を測っているのか

1本の足について、まず2つの量を計算します。

  • 分子:終値 − 始値(直近4本を1:2:2:1で加重平均)
  • 分母:高値 − 安値(同じく加重平均)

分子を分母で割ったものがRVIです。値は −1 から +1 のあたりを動きます。終値が高値付近で引ける足が続けばプラス側、安値付近で引ける足が続けばマイナス側に寄ります。

このRVIを期間N本ぶん合計したものが表示される線で、期間はここにしか効きません

そしてもう1本、シグナル線があります。こちらはRVI本体を直近4本で1:2:2:1に加重平均したものです。期間の指定はここには入りません。

売買はこの2本の交差で判定します。つまり、片方は期間で滑らかにできますが、もう片方は常に「直近4本」でそれを追いかけてきます。 2本が離れ続けることがないので、交差の頻度は期間ではなくシグナル線の作り方で決まります。

これは机上の話ではなく、実測でそのとおりになりました。

チャートに表示する方法

環境手順
MT4 / MT5標準で入っている。ナビゲーターの「Oscillators」から Relative Vigor Index を選ぶ
TradingViewインジケーター検索で「Relative Vigor Index」を選ぶ
ブラウザ(Formiq)インジケーター一覧から選ぶ。期間は設定から変更できる

検証の条件

項目
通貨ペア米ドル/円
期間2025-01-01 〜 2025-12-31(比較用に2024年も同条件)
時間足15分足 / 1時間足 / 4時間足
検証本数1時間足で6,226本(2025年)。15分足24,903本、4時間足1,610本
買いRVIがシグナル線を上抜けた足の終値
売りRVIがシグナル線を下抜けた足の終値
決済反対側のクロスのみ。損切り・利確・時間決済は使わない。反対クロスが出た足で同時にドテンする
スプレッド0.3pips(スリッページ0、0.1ロット)
試した期間4 / 6 / 8 / 10 / 14 / 18 / 24 / 30 / 40 / 55 の10通り。時間足ごと・年ごとに実行
測定Formiqのバックテスト機能で実行し、1トレードずつの約定価格からpipsを再集計

期間を長くすると売買は減るか

減りません。損益は変わるのに、取引回数はほとんど動きませんでした。1時間足の10通りを並べます。冒頭の図が、この表を描いたものです。

期間取引回数年間損益
42025年1,336+511.0pips
42024年1,325+944.8pips
62025年1,110+38.6pips
62024年1,155−1,250.0pips
82025年1,048+272.4pips
82024年1,153−1,545.5pips
102025年1,094+2,233.9pips
102024年1,144+184.6pips
142025年1,075+1,853.1pips
142024年1,126+1,910.1pips
182025年1,043−183.8pips
182024年1,114−831.9pips
242025年1,081+2,810.0pips
242024年1,099−991.4pips
302025年1,081+1,489.3pips
302024年1,086−430.2pips
402025年1,094+2,764.9pips
402024年1,089+289.0pips
552025年1,078+3,071.8pips
552024年1,109+606.5pips

回数の列を縦に読んでください。1,043から1,336の間に全部収まっています。 期間を4から55へ、14倍近く広げても、年間の売買回数は3割も動きません。

損益の列は逆で、−1,545から+3,072まで4,600pips以上の幅があります。しかも2025年と2024年で符号がばらばらです。期間18は両方の年で赤字、期間8は2025年に+272pipsで2024年に−1,546pips。

つまり、期間を変えても取引頻度はほぼ同じなのに、年間損益は大きく変わりました。 過去1年の損益だけで期間を選ぶ根拠としては弱い結果です。

両方の年で黒字だったのは10通り中5通り(期間4・10・14・40・55)でした。期間14は+1,853.1/+1,910.1pips、初期設定の期間10は+2,233.9/+184.6pipsです。

RVIは15分足で使えるか

使えません。時間足ごとの結果を並べます。

時間足黒字の期間数年間損益の中央値年間の取引回数(中央値)
15分足2025年2 / 10−683pips約4,400回
15分足2024年0 / 10−1,510pips対象外
1時間足2025年9 / 10+1,671pips約1,080回
1時間足2024年5 / 10−123pips対象外
4時間足2025年5 / 10+15pips約275回
4時間足2024年10 / 10+927pips対象外

1時間足と4時間足は年をまたぐと入れ替わります。2025年は1時間足が良く、2024年は4時間足が10通り全部黒字です。

15分足は2024年に10通りすべてが赤字で、両方の年で黒字だった設定はひとつもありません。年4,400回という回数が理由です。

スプレッドで結果は変わるか

コストが損益を決めていました。同じ2025年、同じ設定で、スプレッドだけを変えます。

スプレッド時間足期間取引回数年間損益
0.0pips1時間足101,094回+2,562.1pips
0.3pips1時間足101,094回+2,233.9pips
0.6pips1時間足101,094回+1,905.7pips
1.0pips1時間足101,094回+1,468.1pips
1.5pips1時間足101,094回+921.1pips
2.0pips1時間足101,094回+374.1pips
0.0pips15分足104,375回+396.5pips
0.3pips15分足104,375回−916.0pips
0.6pips15分足104,375回−2,228.5pips
1.0pips15分足104,375回−3,978.5pips
1.5pips15分足104,375回−6,166.0pips
2.0pips15分足104,375回−8,353.5pips

15分足はスプレッドが0のときですら+396.5pipsしかありません。 そこから0.3pipsを引くだけで赤字になり、2.0pipsでは−8,353.5pipsです。

1時間足も無傷ではありません。0から2.0pipsで2,188pipsを失い、+2,562.1pipsだった利益が+374.1pipsまで削られます。

この数字には規則があります。

050010001500200003006009001200年間の取引回数 →スプレッドで失うpips
スーパートレンド 10/3アルーン 25クロスQQE 17/3/4.236RVI 10破線=取引回数×2.0pips
同じ通貨ペア・同じ年で、指標だけが違う4本。すべて直線の上に乗ります。スプレッドの負担は、その値そのものに取引回数を掛けた額です。

同じドル円・同じ2025年・同じ1時間足で、指標だけを変えた4本を並べたものです。

指標年間の取引回数0→2.0pipsで失うpips
スーパートレンド 10/3152回304pips
アルーン 25・クロス228回456pips
QQE 17/3/4.236465回930pips
RVI 101,094回2,188pips

すべて取引回数 × 2.0pipsにぴったり一致します。当たり前の算数ですが、当たり前だからこそ確実に効きます。指標を選ぶことは、支払うコストの総額を選ぶことでもあります。

RVIはこの4つの中で最も回数が多く、したがって最もスプレッドに弱い指標でした。

勝率で期間を選べるか

選べません。1時間足・2025年の10通りで、勝率は41.61%〜44.94%でした。一方、年間損益は−183.8〜+3,071.8pipsまで開いています。

フィルターを足すとどうなるか。期間10に対して測りました。

条件取引回数勝率年間損益
RVIのみ2025年1,094回42.23%+2,233.9pips
RVIのみ2024年1,144回42.05%+184.6pips
ADX 20以上2025年701回43.08%+1,431.2pips
ADX 20以上2024年713回43.34%−385.6pips
ADX 25以上2025年488回44.06%+1,691.3pips
ADX 25以上2024年500回41.80%−449.7pips
ADX 30以上2025年313回44.41%+915.3pips
ADX 30以上2024年324回41.98%+125.5pips
東京時間のみ2025年369回41.46%+315.0pips
東京時間のみ2024年389回40.87%+640.1pips
ロンドン・NY時間のみ2025年636回42.45%+1,876.6pips
ロンドン・NY時間のみ2024年643回43.86%+741.4pips

ADX 20以上と25以上は2025年に勝率を1〜2ポイント上げますが、2024年には損益を+184.6pipsから赤字に落とします。どの条件も2025年の基準(+2,233.9pips)を上回りませんでした。

ただし符号だけを見ると、両方の年で黒字を保った条件が3つあります。ADX 30以上(+915.3/+125.5pips)、東京時間(+315.0/+640.1pips)、ロンドン・NY時間(+1,876.6/+741.4pips)です。いずれも回数を4〜7割に減らしています。回数の多さがこの指標の弱点である以上、回数を減らして黒字が残る絞り方には意味があります。

損切りと利確は効くのか

決済ルール取引回数年間損益
反対クロスのみ2025年1,094回+2,233.9pips
反対クロスのみ2024年1,144回+184.6pips
損切り30・利確602025年980回+1,371.0pips
損切り30・利確602024年1,044回−1,188.5pips
損切り50・利確1002025年1,031回+1,144.0pips
損切り50・利確1002024年1,080回−972.7pips
損切り100・利確2002025年1,082回+2,618.3pips
損切り100・利確2002024年1,131回−332.6pips
損切り50・利確502025年1,027回+901.5pips
損切り50・利確502024年1,076回−1,658.6pips
24本で時間決済2025年1,094回+2,222.0pips
24本で時間決済2024年1,144回+184.6pips

損切りと利確を付けた4通りすべてが、2024年には赤字でした。2025年に最も良かった損切り100/利確200は、2024年に−332.6pipsです。

RVIは平均8.0本で決済まで到達する短いトレードなので、そこに固定幅の損切りと利確を重ねると、指標が出そうとしたシグナルより先に価格の幅が決めてしまいます。24本の時間決済がほぼ何も変えていない(2024年は1pipも動かず、2025年も−11.9pips)のは同じ理由です。8本で終わるトレードに24本の期限を付けても、ほとんど届きません。反対クロスまで持つ形のほうが、両方の年で安定していました。

同じ方法で調べた他の指標との比較として、QQEを200通り検証した記事アルーンを84通り検証した記事スーパートレンドを36通り検証した記事があります。指標ごとに結論が変わる様子が読み取れます。

補足

  • 通貨ペアは米ドル/円のみ、期間は2024年と2025年の2年だけです
  • RVIの実装はツールによる差が小さい指標ですが、シグナル線の作り方には流儀があります。この数値はFormiqの実装によるものです
  • エントリーも決済も足の終値で行っています
  • スプレッドは全期間固定として計算しています。実際には時間帯と指標発表で変動し、回数の多い設定ほどその影響を受けます
  • 4時間足は年間約275回で、10通りの幅も271〜333回と狭く、期間による差はここでも出ませんでした

よくある質問

RVIの一番良い期間はいくつですか?
ドル円・1時間足で、期間55は2025年に1,078回・+3,071.8pips、2024年に1,109回・+606.5pipsでした。両方の年で黒字だったのは10通り中5通り(4・10・14・40・55)です。期間14は2025年+1,853.1pips、2024年+1,910.1pipsでした。
RVIの期間を長くすると売買が減りますか?
ほとんど減りません。1時間足で期間4のとき年1,336回、期間55でも1,078回です。期間を14倍にして取引回数は2割しか減りません。RVIの本体は期間で平滑化されますが、シグナル線は期間と無関係に直近4本の加重平均で作られるため、2本の交差する頻度が期間に支配されないからです。
RVIは15分足で使えますか?
この検証では厳しい結果でした。15分足の期間10は年4,375回トレードし、スプレッド0.3pipsで−916.0pips、1.0pipsで−3,978.5pips、2.0pipsで−8,353.5pipsです。スプレッドが0でようやく+396.5pipsなので、コストを引く前からほとんど利益がありません。15分足は10通り中2通りしか2025年に黒字にならず、2024年は0通りでした。
RVI単体の勝率はどのくらいですか?
1時間足・2025年の10通りで勝率は41.61%〜44.94%でした。反対のクロスまで持つ形なので勝率は50%を下回ります。年間損益は−183.8〜+3,071.8pipsに分かれ、勝率だけでは期間を選べませんでした。
RVIはMT4に標準で入っていますか?
MT4とMT5には標準で入っています(オシレーター内のRelative Vigor Index)。TradingViewはインジケーター検索から「Relative Vigor Index」を追加できます。Formiqのチャートにも入っていて、期間を変更できます。

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