アリゲーターの使い方と設定:前にずらす意味を1,584通り検証
ビル・ウィリアムズのアリゲーターで、3本を前方にずらす設定を外してドル円1,584通りをバックテストしました。ずらしは予測ではなく遅れで、外したほうが良かったのは198通り中103通りです。3本が並ぶ「食べている」状態は年の8割ありました。
アリゲーター(Alligator)は、ビル・ウィリアムズが作った3本の移動平均線です。**顎(13)・歯(8)・唇(5)**と名前が付いていて、3本が絡み合っていれば「ワニが寝ている」、順番に並んで開いていけば「ワニが食べている」と読みます。
ただの3本の移動平均線と違うところが1つあります。3本がそれぞれ8本・5本・3本ぶん、右に(未来の方向に)ずらして描かれていることです。このシリーズで19本の指標を測ってきましたが、時間軸そのものを動かす指標はこれが初めてです。
先にそこから測りました。ずらしは予測ではなく、遅れです。 8本先に置かれた線は、8本前に計算した値をそこに置いたものなので、今日それを読むことは8本前の平均を読むことです。未来を見ているわけではありません。
そして、もう一つ。ワニが食べている時間は、年の8割ありました。
アリゲーターは何を測っているのか
3本とも同じ作り方です。
- 中央値 =(高値+安値)÷2
- その平滑移動平均(SMMA)を、13本・8本・5本で計算する
- できた3本を、それぞれ8本・5本・3本ぶん右にずらして描く
平滑移動平均は前の値に今の値を1本ぶん足していく形なので、単純移動平均より反応が鈍くなります。
恣意的な選択が3つ入っています。中央値を使うこと、SMMAを使うこと、そしてずらすことです。順に測りました。
ずらしは遅れである
「右にずらす」の中身はこうです。13本のSMMAをi番目の足で計算し、その値を i+8番目の足の位置に置く。読むときは逆で、i番目の足に描かれている顎は、i−8番目の足で計算された値です。
つまり未来のデータは一切入っていません。 入っているのは古さだけです。
実測でも一致しました。ずらした3本と、ずらさない3本を突き合わせます。
| 時間足 | 年 | 突き合わせた値の数 | 不一致 |
|---|---|---|---|
| 15分足 | 2024 | 74,958 | 0 |
| 1時間足 | 2024 | 18,711 | 0 |
| 4時間足 | 2024 | 4,809 | 0 |
| 15分足 | 2025 | 74,670 | 0 |
| 1時間足 | 2025 | 18,639 | 0 |
| 4時間足 | 2025 | 4,791 | 0 |
ずらした線は、ずらさない線をそのぶん過去から持ってきたものです。 この記事の残りは「その遅れに価値があるか」を測っています。
中央値と終値、SMMAと他の平均
分子の作り方を差し替えて比べました(ずらしなし・2025年)。
| 変えたもの | 唇の相関 | 3本の並び順が食い違う足 |
|---|---|---|
| 中央値 → 終値 | 1.0000〜0.9999 | 3.7〜4.6% |
| SMMA → EMA | 0.9998〜0.9999 | 26.7〜28.5% |
| SMMA → SMA | 0.9989〜0.9999 | 41.4〜45.2% |
相関が0.999でも、並び順は半分近く食い違います。 3本が近い場所にいるので、線としてはほぼ重なっていても、どちらが上かは頻繁に入れ替わるからです。相関を見て「ほとんど同じだから設定は関係ない」と結論すると間違えます。
中央値と終値の差は小さく(3.7〜4.6%)、平均の種類の差は大きい(26.7〜45.2%)。アリゲーターで効いている選択はSMMAのほうです。
アリゲーターの設定と読み方
主要な環境には最初から入っています。追加すると、チャートの上に3本の線が重なって表示されます。
| 環境 | 追加する場所 |
|---|---|
| MT4 / MT5 | 挿入 → インディケータ → ビル・ウィリアムズ → Alligator |
| TradingView | インジケーター検索から Williams Alligator |
| ブラウザ(Formiq) | インジケーター一覧から「アリゲーター」 |
設定ダイアログに並ぶ8つの項目
MT4で追加すると、次の値が入った状態で開きます。どの環境でもこの8つは同じです。
| 項目 | 既定値 | 意味 |
|---|---|---|
| Jaw period(顎の期間) | 13 | いちばん遅い線。何本ぶんの価格を平均するか |
| Jaw shift(顎のずらし) | 8 | その線を右に何本ずらして描くか |
| Teeth period(歯の期間) | 8 | 真ん中の線の期間 |
| Teeth shift(歯のずらし) | 5 | 真ん中の線のずらし |
| Lips period(唇の期間) | 5 | いちばん速い線の期間 |
| Lips shift(唇のずらし) | 3 | いちばん速い線のずらし |
| MA method(平均の種別) | Smoothed | 平滑移動平均。単純平均より反応が鈍い |
| Apply to(適用価格) | Median price (HL/2) | 高値と安値の真ん中を使う。終値ではない |
MT4の初期色は顎が青、歯が赤、唇が緑です。線の名前は太さや役割の比喩で、計算はどれも同じです。遅い順に顎・歯・唇とだけ覚えれば読めます。
3本の並びで相場を3つに分ける
アリゲーターの読み方は、3本の位置関係だけで決まります。
| 状態 | 3本の見え方 | ビル・ウィリアムズの言い方 |
|---|---|---|
| 寝ている | 3本が絡み合って横ばい | ワニが眠っている。手を出さない |
| 目覚める | 3本が離れはじめる | ワニが口を開く。準備する |
| 食べている | 唇>歯>顎(またはその逆)に並んで開く | ワニが食べている。その方向に乗る |
上向きに食べている=唇(緑)がいちばん上、顎(青)がいちばん下。下向きはその逆です。この記事で「順番に並んでいる」と書いているのは、この状態を指しています。
売買のルールとして使われている形
もっとも広く紹介されているのは、唇(5)が歯(8)を上に抜けたら買い、下に抜けたら売りという形です。この記事はこれを「唇×歯のクロス」として測っています。
ほかに2つ、よく使われる読み方があります。
- 3本が順番に並んだら乗る:クロスの瞬間ではなく、並んだ状態が続くあいだ持つ
- 価格が3本すべての外に出たら乗る:ローソク足の終値が3本より上なら買い、下なら売り
この3つを別々のシステムとして検証しました。
どこをいじるべきか
期間を変えれば線の速さが変わり、ずらしを変えれば線が横に動きます。 平均の種別と適用価格も変えられますが、この2つは記事の後半で線そのものを比べています(並び順が変わる足の割合は、平均の種別で26.7〜45.2%、適用価格で3.7〜4.6%)。
ずらし幅を0にできる環境なら、それが「ただの3本の移動平均線」です。 この記事はその2つを比べています。
検証の条件
数字を見る前に、何をどう測ったかを書いておきます。この表と同じ設定を入れれば、同じ結果が出ます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 通貨ペア | 米ドル/円 |
| 期間 | 2025-01-01 〜 2025-12-31(比較用に2024年も同条件) |
| 時間足 | 15分足 / 1時間足 / 4時間足 |
| 読み方 | 唇×歯のクロス / 3本が順番に並ぶ / 価格が3本を抜ける |
| 期間の組 | フィボナッチ列 5/3/2・8/5/3・13/8/5・21/13/8・34/21/13 / 対照群 12/7/4・12/7/6・14/9/4・14/9/6 / 顎だけ動かす 11/8/5・16/8/5 の計11組 |
| ずらし | なし 0/0/0 / 半分 4/3/2 / 本来 8/5/3 / 倍 16/10/6 |
| 組み合わせ | 1区分あたり132通り。時間足3種 × 期間4区分で合計1,584通り |
| 決済 | 反対シグナルまで。エントリーと決済に同じルールセットを使う |
| 損切り・利確 | 使わない(別セクションで測定) |
| スプレッド | 0.3pips固定。約定は終値 |
| ロット | 0.1ロット |
3つの読み方はどれも対称(買いと売りが同じ形で出る)なので、エントリーと決済に同じルールセットを使いました。
ワニが食べている時間は、年の8割
3本が「順番に並んでいる」(唇>歯>顎、またはその逆)足の割合です。
| 時間足 | 年 | 上向きに並ぶ | 下向きに並ぶ | 並んでいる合計 | 絡んでいる |
|---|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 2024 | 46.47% | 34.08% | 80.54% | 19.46% |
| 1時間足 | 2024 | 50.27% | 30.58% | 80.85% | 19.15% |
| 4時間足 | 2024 | 56.52% | 27.44% | 83.96% | 16.04% |
| 15分足 | 2025 | 41.79% | 38.83% | 80.62% | 19.38% |
| 1時間足 | 2025 | 41.65% | 39.20% | 80.86% | 19.14% |
| 4時間足 | 2025 | 38.30% | 42.58% | 80.88% | 19.12% |
6通りすべてで80%を超えました。 ずらしを外すと85.9〜88.3%まで上がります。「ワニが寝ているあいだは手を出さない」というルールは、年の16〜19%だけ手を出さないということです。
これは絞り込みの条件になりません。GMMAの検証でも、長期リボンの整列が85%の足で成立していて同じ結論になりました。 状態を条件にする前に、その状態がどれくらい珍しいのかを数える必要があります。
上向きと下向きの内訳は素直に相場を映しています。2024年のドル円は年間1,632pips上げていて、1時間足では50.27%対30.58%。2025年は年間−56pipsの横ばいで、41.65%対39.20%とほぼ半々でした。
ずらしを外すと、どうなるか
同じ読み方・同じ期間で、ずらし幅だけを変えて突き合わせます。
| 読み方 | 15分足 | 1時間足 | 4時間足 |
|---|---|---|---|
| 唇×歯のクロス | 13/22 | 19/22 | 20/22 |
| 3本が順番に並ぶ | 14/22 | 5/22 | 12/22 |
| 価格が3本を抜ける | 1/22 | 8/22 | 11/22 |
各セルは「11組の期間 × 2年」で、ずらしを外したほうが損益で上回った数です。
全体では198通り中103通り。 半分です。ずらしそのものに一般的な効果は検出できませんでした。
ただし読み方で向きが割れます。公表されている「唇が歯を抜ける」エントリーに限れば66通り中52通りで、外したほうが良い。逆に「価格が3本を抜ける」は66通り中20通りで、ずらしたままのほうが良い。
いちばん具体的な形で書きます。1時間足・期間13/8/5・唇×歯のクロスです。
| ずらし | 2025年 取引数 | 2025年 勝率 | 2025年 損益 | 2024年 損益 |
|---|---|---|---|---|
| なし | 298 | 34.56% | +742.5 | +2,944.9 |
| 半分(4/3/2) | 374 | 44.39% | +397.9 | +2,462.2 |
| 本来(8/5/3) | 404 | 43.07% | +115.5 | +973.7 |
| 倍(16/10/6) | 370 | 48.11% | +332.1 | +1,298.8 |
本来のずらしが、4通りの中で両方の年とも最下位でした。 取引数は298回から404回へ増え、勝率は34.56%から43.07%へ上がり、それでも損益は落ちています。勝率が上がって損益が下がる。このシリーズで何度も出た形です。
損益分岐スプレッドで見るともっとはっきりします。ずらしありは0.59pips、ずらしなしは2.79pips。 前者はスプレッドが0.6pips開いた時点で成立しません。
値動きだけで見ても同じ
売買を挟まずに測ります。唇が歯を抜けた足を全部拾い、そこから10・20・50本先の値幅から同区間の無条件平均を引きます(2024年は1,632pips上げているので、生の値幅では買い方向が必ず大きく出るため)。
ずらしありとずらしなしを別々に集計すると、ずらさないほうが良かったのは18通り中16通りでした。ずらすと交差の回数も増えます(1時間足2024年で410回対294回)。遅らせた線どうしを比べると、交差が増えて中身が薄くなる、という形です。
顎は、標準のエントリーに使われていない
「唇が歯を抜けたら」というルールは、唇と歯しか読みません。顎は入っていません。
期間11/8/5・13/8/5・16/8/5の3組は、歯と唇が同じで顎だけ違います。回すとこうなりました。
| 読み方 | 11/8/5 | 13/8/5 | 16/8/5 |
|---|---|---|---|
| 唇×歯のクロス(1時間足2025) | +397 | +397 | +397 |
| 3本が順番に並ぶ | +357 | +306 | +483 |
| 価格が3本を抜ける | +1,495 | +1,337 | +935 |
クロスの行は3つとも同じ数字です。 1回も違いません。ワニの名前の由来である13本の線は、いちばん普及しているエントリー方法では一度も読まれていません。
この検証ではそれを踏まえて、エディタ側でもクロスを選んだときは顎の2つのつまみを隠すようにしました。動かしても結果が変わらないつまみを出しておくのは、ないほうがましです。
13・8・5はフィボナッチ数だから効くのか
顎13・歯8・唇5、ずらし8・5・3。全部フィボナッチ数です。
フィボナッチ・リトレースメントの検証で使った型をそのまま当てました。フィボナッチ数を1つも含まない対照群を作って、隣同士で比べます。対照群は12/7/4・12/7/6・14/9/4・14/9/6の4組で、歯と唇の4隅を囲む形です。
13/8/5が対照群を上回ったのは288通り中136通り。 半分を下回りました。
| 時間足 | 年 | フィボナッチ列5組の平均 | 対照群4組の平均 |
|---|---|---|---|
| 15分足 | 2025 | +435 | +865 |
| 15分足 | 2024 | +937 | +1,178 |
| 1時間足 | 2025 | +707 | +734 |
| 1時間足 | 2024 | +1,399 | +1,293 |
| 4時間足 | 2025 | −982 | −952 |
| 4時間足 | 2024 | +1,709 | +2,055 |
6通り中5通りで対照群のほうが上です(唯一の例外は1時間足2024年の+1,399対+1,293)。フィボナッチ数であることに固有の効果は検出できませんでした。 深さで測ったリトレースメントの記事と同じ結論です。
3つの読み方は、どの時間足で残ったか
両方の年で黒字だった設定の数です。
| 読み方 | 15分足 | 1時間足 | 4時間足 |
|---|---|---|---|
| 唇×歯のクロス | 35/44 | 39/44 | 4/44 |
| 3本が順番に並ぶ | 41/44 | 27/44 | 1/44 |
| 価格が3本を抜ける | 22/44 | 44/44 | 9/44 |
1時間足の「価格が3本を抜ける」が44通り中44通り、2024年も2025年も全部黒字です。このシリーズで最も揃った数字でした。
4時間足はまた反転しました。2024年は3つの読み方が40/44・42/44・44/44だったのに、2025年は4/44・1/44・9/44です。GMMAとCCIでも同じことが起きています。
ただし2025年の前半だけを見ると
年間の数字を半分に割ります。1時間足、44通り中の黒字数です。
| 読み方 | 2024年 | 2025年 | 2025年前半 | 2025年後半 |
|---|---|---|---|---|
| 唇×歯のクロス | 42/44 | 41/44 | 11/44 | 44/44 |
| 3本が順番に並ぶ | 34/44 | 31/44 | 10/44 | 34/44 |
| 価格が3本を抜ける | 44/44 | 44/44 | 18/44 | 43/44 |
44/44は、18/44の半年と43/44の半年を足したものでした。 「2年とも黒字」と「ずっと黒字」は別のことです。
具体的な設定で書くと、期間13/8/5・ずらし8/5/3・価格が3本を抜ける・1時間足は、2025年通年で361回・+969.3pipsですが、前半は212回で−673.5pips、後半は150回で+1,618.7pipsです。
3つの読み方が同時に沈んでいるので、これは読み方ではなくその半年の相場の話です。年単位の集計は、こういう半年を平均して見えなくします。
勝率が最も低い読み方が、最も残った
1時間足2025年、売買の生きている設定の平均です。
| 読み方 | 平均勝率 | 平均利益 | 平均損失 | 平均保有 | 黒字 |
|---|---|---|---|---|---|
| 唇×歯のクロス | 42.8% | +56.5 | −38.6 | 26.7本 | 41/44 |
| 3本が順番に並ぶ | 41.1% | +76.8 | −50.7 | 51.9本 | 31/44 |
| 価格が3本を抜ける | 30.4% | +76.7 | −29.2 | 24.6本 | 44/44 |
最も勝率が低い読み方が、最も安定していました。 平均利益が平均損失の2.6倍あるからです。勝率と損益が逆を向く形はこれで19本連続です。
口の広がりは、次の値動きを予告するか
「口が開いていれば強いトレンド」という主張は、唯一そのまま成立しました。
3本の最大と最小の差でエントリー時点を四分位に分け、その後20本の値幅(絶対値)を測ります。
| 時間足 | 最も狭い | 第2 | 第3 | 最も広い | 全足の平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 24.69 | 28.39 | 28.86 | 34.75 | 29.17 |
| 1時間足 | 57.53 | 61.91 | 59.42 | 73.06 | 62.98 |
| 4時間足 | 116.48 | 125.60 | 127.92 | 133.64 | 125.92 |
3つの時間足すべてで、最も広い区分の後がいちばん大きく動きます。 最も狭い区分はどれも全足平均を下回ります。
ただし読み方には注意が必要です。3本が離れているのは直前に価格が動いたからなので、これは「動いた後は動く」という値動きの性質(ボラティリティの持続)であって、方向を当てているわけではありません。差の大きさも15分足で+19%です。
フィルター・損切り利確・コスト
ADXフィルターは4度目の失敗
| 設定 | ベース | ADX≥20 | ADX≥25 | ADX≥30 |
|---|---|---|---|---|
| 唇×歯・1時間足・2025 | +115.5(404回) | +121.8(182回) | −1,175.1(100回) | −695.5(50回) |
| 唇×歯・ずらしなし・1時間足・2025 | +742.5(298回) | −116.2(128回) | −137.6(73回) | −101.7(35回) |
トレンド系にトレンドフィルターを足すと条件が重複します。GMMA・CCIに続いて3指標目、4回目です。
損切り・利確
損切り100・利確200は、唇×歯のクロスでは両方の年を改善しました。 ずらしなしが2025年 +742.5 → +2,236.7、2024年 +2,944.9 → +3,165.3。ずらしありも2025年 +115.5 → +618.2、2024年 +973.7 → +1,223.6です。
ただし読み方を変えると成立しません。「価格が3本を抜ける」1時間足は2025年こそ+969.3 → +1,248.1ですが、2024年は+2,161.6 → +1,992.6と落ちます。測った4つの設定のうち、両方の年で改善したのはクロスの2つだけでした。
コスト
損益はスプレッドに対してきれいに直線でした。失ったpips=取引回数×スプレッドが誤差なく成立します。
| 設定 | 取引数 | スプレッド0 | 0.3 | 1.0 | 損益分岐 |
|---|---|---|---|---|---|
| 唇×歯・ずらしあり・1時間足 | 404 | +236.7 | +115.5 | −167.3 | 0.59pips |
| 唇×歯・ずらしなし・1時間足 | 298 | +831.9 | +742.5 | +533.9 | 2.79pips |
| 価格が3本を抜ける・1時間足 | 361 | +1,077.6 | +969.3 | +716.6 | 2.99pips |
ずらしを外すだけで、損益分岐が0.59pipsから2.79pipsに上がりました。 取引回数が106回減るぶんだけコストが軽くなり、1回あたりの利益が伸びるからです。
この検証で言えること
- ずらしは予測ではなく遅れ。 8本前方にずらした線は8本前の値です。3つの時間足×2年で計196,578個を突き合わせて不一致は0件でした
- その遅れに一般的な効果はない。 外したほうが良かったのは198通り中103通り。ただし公表されている唇×歯のクロスに限れば66通り中52通りで、外したほうが良くなります
- ワニが食べている時間は年の8割。 3本が順番に並ぶのは6通りすべてで80.5〜84.0%、ずらしを外すと85.9〜88.3%。「寝ているあいだは休む」は年の16〜19%を休むだけです
- 13/8/5がフィボナッチ数であることに固有の効果はない。 フィボナッチ数を含まない4組と1対1で比べて、上回ったのは288通り中136通りでした
- 「2年とも黒字」は「ずっと黒字」ではない。 1時間足で44通り中44通りが両年黒字だった読み方は、2025年前半だけを見ると18通りしか黒字になりません
関連記事
- GMMAの本数:「長期リボンの整列」も85%の足で成立していました。同じ基準率の話です
- フィボナッチ・リトレースメント:この記事の対照群の作り方は、そちらで確立したものです
- 移動平均線クロスの期間:平均の種類がどれだけ効くかを、単体で測っています
- CCIの±100:式の中の恣意的な選択を1つずつ差し替える型は、そちらと同じです
この検証の限界
- 通貨ペアはドル円だけ、期間は2年だけです。アリゲーターは商品先物のトレーダーが作った指標なので、対象が変われば口が開いている時間の割合も変わります
- 2024年は年間+1,632pips、2025年は−56pipsで、相場の性格がまったく違います。しかも2025年は前半と後半でも別物でした
- ずらしの検証は0/0/0・4/3/2・8/5/3・16/10/6の4通りだけです。連続的に振ってはいません
- 平均の種別と適用価格は線の比較でだけ測っていて、売買では測っていません。 SMMAをEMAに替えると並び順が27〜29%の足で変わるので、売買結果も変わるはずですが、この記事はその数字を持っていません
- スプレッドは0.3pips固定です。損益分岐0.59pipsの設定は、この前提が崩れると成立しません
- 口の広がりと次の値幅の関係は方向を含みません。 絶対値で測っているので、「大きく動く」であって「上に動く」ではありません
- 4時間足の標本は小さい(読み方によって年25〜290回)。2024年と2025年で完全に反転しましたが、どちらが例外なのかはこの2年では決められません
よくある質問
- アリゲーターの前方にずらす設定は何のためにありますか?
- この検証では、ずらしは予測ではなく遅れとして働いていました。8本前方にずらした線は、8本前に計算した値をそこに置いたものです。実測でも、ずらした顎の値はずらさない顎の8本前の値と完全に一致しました(3つの時間足×2年で計74,958・18,711・4,809個を突き合わせて不一致0件)。外したほうが成績が良かったのは198通り中103通りで、全体としては差が出ませんでしたが、公表されている「唇が歯を抜ける」エントリーに限れば66通り中52通りで外したほうが上でした。
- アリゲーターが「寝ている」のはどれくらいの期間ですか?
- 年の16〜19%です。3本が同じ向きに順番に並んでいる(=食べている)足は、時間足3種×2年の6通りすべてで80.5〜84.0%でした。ずらしを外すと85.9〜88.3%まで上がります。年の8割で成立している状態は、絞り込みの条件になりません。
- アリゲーターの13・8・5という期間はフィボナッチ数だから効くのですか?
- 隣の数字と比べると差が出ませんでした。13/8/5を、フィボナッチ数を含まない4組(12/7/4・12/7/6・14/9/4・14/9/6)と1対1で突き合わせると、13/8/5が上回ったのは288通り中136通りです。半分を下回っています。
- アリゲーターはどの時間足で使えますか?
- この検証では1時間足だけが両方の年で残りました。1時間足は「価格が3本を抜ける」読み方が44通り中44通り、2024年も2025年も黒字です。ただし2025年を前半と後半に割ると前半は18通りしか黒字になりません。4時間足は2024年に44通り中44通り黒字だったものが2025年は9通りまで落ちました。
- アリゲーターはMT4に入っていますか?
- 標準で入っています。MT4とMT5では挿入→インディケータ→ビル・ウィリアムズ→Alligatorで、3本の期間とずらし幅を指定します。TradingViewもインジケーター検索からWilliams Alligatorを追加できます。Formiqのチャートにも入っていて、バックテスト側では読み方3種(唇×歯のクロス・3本が順番に並ぶ・価格が3本を抜ける)と6つの数値を条件にできます。
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