CCIの設定と±100の使い方:2,448通り検証で逆張りは負け
CCIの±100を逆張りと順張りの両方で読み、ドル円2,448通りをバックテストしました。線が±100の外にいるのは年の約4割です。抜けた直後は値が伸び、内側に戻った直後は伸びません。最も残ったのはゼロラインで、それは移動平均線クロスと同じものでした。
CCI(Commodity Channel Index)は、価格がその平均からどれだけ離れているかを、離れ方の平均で割って目盛りにしたオシレーターです。**±100の2本の線が引かれていて、そこを超えたら「行き過ぎ」**という説明とセットで紹介されます。
ただし、その先の使い方は2つに割れています。±100の外側で反対方向に入る逆張りと、±100を抜けた方向に入る順張りです。同じ線を見て、正反対のことをします。どちらが正しいのかは、指標の説明からは決まりません。
もう一つ、あまり触れられない前提があります。±100という線は「珍しい」ことになっている、という前提です。CCIの式に入っている0.015という定数は、読み取り値のおおむね7〜8割が±100の内側に収まるように選ばれた、と説明されます。逆に言えば、外側は2〜3割のはずです。
そこから測りました。±100の外側は、年の約4割でした。
CCIは何を測っているのか
計算は3段です。
- 典型価格 =(高値+安値+終値)÷3
- 平均偏差 = 直近N本の典型価格が、その平均からどれだけ離れているかの平均
- CCI =(典型価格 − 平均)÷(0.015 × 平均偏差)
分子は「平均からどれだけ離れたか」、分母は「ふだんどれくらい離れるものか」です。ふだんの離れ方の何倍離れているかを測っている、と読めます。
ここに恣意的な選択が3つ入っています。典型価格を使うこと、標準偏差ではなく平均偏差を使うこと、そして0.015という定数です。順に測りました。
定数0.015と水準100は、同じつまみ
0.015は割る数なので、変えると線全体が拡大縮小するだけです。別の定数にすることは、別の水準で読むことと同じであって、別の指標にはなりません。
| 定数 | 0.015で読むと | 最大誤差 |
|---|---|---|
| 0.010 | 水準66.7 | 1.1e-13 |
| 0.015 | 水準100 | 0 |
| 0.020 | 水準133.3 | 5.7e-14 |
| 0.030 | 水準200 | 0 |
誤差は浮動小数点の丸めの桁です。定数と水準は2つのつまみに見えて、1つしかありません。
期間がCCIの上限を決める
平均からのずれは合計すると必ず0になるので、プラス側の合計とマイナス側の合計は等しくなります。1本の足が持てるのはプラス側の全部までで、そこから**|CCI| ≤ 期間 ÷ 0.03** という上限が出ます。
| 期間 | 上限 | 2025年の実測最大(1時間足) |
|---|---|---|
| 7 | 233.3 | 233.3 |
| 10 | 333.3 | 333.3 |
| 14 | 466.7 | 466.7 |
| 20 | 666.7 | 507.2 |
| 30 | 1000.0 | 596.4 |
| 50 | 1666.7 | 592.1 |
上限は理屈だけの話ではなく、実際に触ります。 時間足3種×期間6種の18通りのうち9通りで、その年の最大値が上限とぴったり一致しました。
実務上の意味は一つです。期間を短くすると、水準を上げても届かなくなります。 このスイープでも、期間7で±250を待つ設定は、時間足と期間の12区分すべてで7通りずつが1回も発動せず、取引数0で終わりました。期間と水準は独立したつまみではありません。
平均偏差か標準偏差か
分母を標準偏差に差し替えて比べました(1時間足・2025年)。
| 期間 | 相関 | ±100の内外が食い違う足 | ゼロの上下が食い違う足 |
|---|---|---|---|
| 7 | 0.9961 | 9.73% | 0% |
| 14 | 0.9950 | 9.11% | 0% |
| 50 | 0.9957 | 9.57% | 0% |
ゼロの上下は1本も食い違いません。 分母は絶対に負にならないので、どんな散らばりの測り方を使っても符号は変わらないからです。分母が動かせるのは目盛りだけで、±100の内外は1割の足で入れ替わります。
CCIの設定と読み方
主要な環境には最初から入っています。CCIは価格チャートの下に別枠で表示されるタイプで、ローソク足には重なりません。
| 環境 | 追加する場所 |
|---|---|
| MT4 / MT5 | 挿入 → インディケータ → オシレーター → Commodity Channel Index |
| TradingView | インジケーター検索から Commodity Channel Index |
| ブラウザ(Formiq) | インジケーター一覧から「CCI」 |
設定ダイアログに並ぶ項目
| 項目 | 既定値 | 意味 |
|---|---|---|
| Period(期間) | 14 | 何本ぶんの価格を使うか。20を使う流派もある |
| Apply to(適用価格) | Typical price (HLC/3) | 高値・安値・終値の平均。終値ではない |
| Levels(水準線) | −100 と +100 | 枠の中に引かれる2本の横線。売買の判断に使う |
MT4で引かれる水準線は初期状態では0本のことがあります。 その場合は「レベル表示」タブで −100 と 100 を手で追加します。この2本が無いと、この記事の話は画面上で確認できません。
画面に出るもの
別枠の中を、1本の線が上下します。RSIやストキャスティクスと違って上限も下限もありません。 0を挟んで、大きく上に行くこともあれば下に行くこともあります。
| 線の位置 | 一般的な読み方 |
|---|---|
| +100より上 | 買われすぎ、または上昇の勢いが強い |
| −100〜+100 | 中立。何もしない |
| −100より下 | 売られすぎ、または下降の勢いが強い |
| 0を上下に抜ける | 上向き/下向きの転換 |
「または」と書いたのは、同じ位置を正反対に読む2つの流派があるからです。この記事はその2つを別々に測っています。
売買のルールとして使われている形
| 呼び方 | 入り方 | 考え方 |
|---|---|---|
| 逆張り | −100より下で買い、+100より上で売り | 行き過ぎたから戻る |
| 順張り(±100の抜け) | +100を上に抜けたら買い、−100を下に抜けたら売り | 抜けたということは勢いがある |
| ゼロライン | 0を上に抜けたら買い、下に抜けたら売り | 向きが変わった |
同じ±100の線を見て、逆張りと順張りは正反対の売買をします。 どちらが正しいかは指標の説明からは決まらないので、この記事では両方を同じ条件で回して比べました。
いじれるつまみは、実は2つではない
期間と水準の2つに見えますが、後半で書くとおり期間は水準の上限も決めています(期間7のCCIは±233.3までしか動きません)。適用価格を終値に変えると別の線になり、±100の内外が食い違う足が期間7で14.68%、期間50で5.00%出ます。無視できる差ではありません。
検証の条件
数字を見る前に、何をどう測ったかを書いておきます。この表と同じ設定を入れれば、同じ結果が出ます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 通貨ペア | 米ドル/円 |
| 期間 | 2025-01-01 〜 2025-12-31(比較用に2024年も同条件) |
| 時間足 | 15分足 / 1時間足 / 4時間足 |
| 読み方 | 逆張り(±水準の外側で反対方向)/ ±水準の抜け(抜けた方向)/ ゼロライン(水準を上下に抜ける) |
| 期間 | 7・10・14・20・30・50 |
| 水準 | 逆張り:入口100・150・200・250 × 出口0・50・100/ 抜け:50・100・150・200・250/ ゼロライン:−100・−50・0・50・100 |
| 組み合わせ | 1区分あたり204通り。時間足3種 × 期間4区分で合計2,448通り |
| 決済 | 反対シグナルまで。逆張りだけは出口の水準を別に指定する |
| 損切り・利確 | 使わない(別セクションで測定) |
| スプレッド | 0.3pips固定。約定は終値 |
| ロット | 0.1ロット |
逆張りは買いと売りのどちらか一方しか作りません(「−100より下は買い」は買いしか作らない)ので、買い側と売り側を別のシステムとして回しました。 抜けとゼロラインは対称なので、エントリーと決済に同じルールセットを使います。
±100を抜けた先に何があるか
バックテストの前に、値動きだけを見ました。売買ルールも決済も挟まないので、「±100が何か言っているのか」だけが残ります。
期間14のCCIが±100を抜けた足、そして±100の内側に戻った足を全部拾い、そこから10本・20本・50本先の値幅を測ります。ただし生の値幅では意味がありません。2024年のドル円は年間で1,632pips上げているので、どの足から測っても買い方向の数字は大きくなるからです。そこで同じ区間の全足の平均値幅を引き、平均的な足と比べてどれだけ余分に動いたかを見ます。
| 時間足 | 抜けた直後(10 / 20 / 50本先) | 内側に戻った直後 | 件数 |
|---|---|---|---|
| 15分足 | +0.46 / +0.93 / +2.04 | −0.86 / −1.01 / −1.92 | 5,776 |
| 1時間足 | +2.51 / +3.93 / +2.89 | −2.61 / −3.06 / −3.17 | 1,396 |
| 4時間足 | −3.89 / −3.14 / −9.79 | +2.91 / +5.02 / +12.50 | 346 |
2024年と2025年、上抜けと下抜けを合わせた平均です。15分足と1時間足では、抜けた直後は平均より伸び、戻った直後は伸びません。 年・時間足・先読み本数で分けた24通りのうち、抜けが平均を上回ったのは22通り、戻りが下回ったのは24通り全部でした。
4時間足だけが両方とも逆を向いています。 ただし12通り中6通りと5通りで、当たっているかどうかも判定できない数字です。件数も346件しかありません。
つまり±100は「行き過ぎ」ではなく、「まだ続く」の側に寄っています。少なくとも15分足と1時間足では。
3つの読み方をバックテストした
同じ期間14・水準100を、3通りに読ませました。逆張りは買い側と売り側の合計です。
| 時間足 | 年 | 逆張り | ±100の抜け | ゼロライン |
|---|---|---|---|---|
| 15分足 | 2025 | −1,175.2 | +643.4 | −1,136.4 |
| 15分足 | 2024 | −805.2 | −203.2 | −910.7 |
| 1時間足 | 2025 | −1,193.7 | +424.8 | +2,294.4 |
| 1時間足 | 2024 | −2,249.8 | +1,839.9 | +2,579.8 |
| 4時間足 | 2025 | −156.2 | +577.5 | +569.5 |
| 4時間足 | 2024 | −995.8 | +863.8 | +1,363.3 |
逆張りは6通りすべてで赤字、抜けは6通り中5通り、ゼロラインは6通り中4通りで黒字でした。値動きだけを見て出た結論と、売買した結果は一致しています。
取引数も添えておきます。1時間足2025年で、逆張りは買い210回・売り212回、抜けは321回、ゼロラインは693回です。
逆張りの中身
逆張りが負ける形はいつも同じでした。勝率は高く、勝ちが小さく、負けが大きい。
| 読み方 | 時間足 | 平均勝率 | 平均利益 | 平均損失 | 2025年に黒字だった設定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 逆張り・買い | 1時間足 | 59.9% | +44.4 | −68.7 | 27/69 |
| 逆張り・売り | 1時間足 | 56.7% | +44.0 | −83.1 | 2/69 |
| ±100の抜け | 1時間足 | 40.1% | +101.6 | −71.8 | 20/29 |
| ゼロライン | 1時間足 | 31.2% | +59.5 | −23.3 | 27/30 |
売買の生きている設定だけの平均です。勝率で並べると順序が完全に逆になります。 これはこのシリーズで18本目の同じ結果です。
逆張りの売り側はとくにひどく、15分足では2025年に黒字の設定が69通り中0通りでした。2024年のドル円が1,632pips上げた年だったことを差し引いても、2025年は年間−56pipsの横ばいです。相場の向きだけでは説明が付きません。
時間足別に、両方の年で残った設定
片方の年だけの結果は選び方の問題になるので、2024年と2025年の両方で黒字だった設定を数えます。
| 読み方 | 15分足 | 1時間足 | 4時間足 |
|---|---|---|---|
| 逆張り・買い | 2/72 | 8/72 | 22/72 |
| 逆張り・売り | 0/72 | 0/72 | 1/72 |
| ±100の抜け | 17/30 | 20/30 | 11/30 |
| ゼロライン | 6/30 | 22/30 | 13/30 |
1時間足のゼロラインが22/30で最も残りました。 逆張りの売りは216通り中1通りです。
4時間足は逆張りの買いが22/72と、逆張りの中では唯一まともな数字を出しています。ただし2025年だけを見ると56/69が黒字で、2024年と重ねると22通りまで落ちます。片方の年で6割が黒字になる読み方は、翌年に残るとは限りません。
パラメータ別
読み方ごとに分けて出します。同じつまみが読み方によって逆を向くからです。
ゼロライン・15分足(期間別、2025年/2024年に黒字だった数)
| 期間 | 2025年の平均 | 平均取引数 | 黒字 2025 | 黒字 2024 |
|---|---|---|---|---|
| 7 | −1,121 | 4,551 | 0/5 | 0/5 |
| 14 | −730 | 3,030 | 0/5 | 0/5 |
| 30 | +328 | 1,956 | 3/5 | 3/5 |
| 50 | +1,255 | 1,419 | 5/5 | 4/5 |
15分足のゼロクロスは、期間を伸ばすほど良くなります。 理由は取引数です。期間7・水準0は年4,533回売買していて、スプレッド0.3pipsだけで1,359.9pipsを払います。実際の損益は−1,699.3pipsなので、取引しなければ払わずに済んだぶんが損失の8割です。
同じ設定を期間50にすると1,469回まで減り、2025年は+614.1pips、2024年は+189.5pipsになります。
±100の抜け・1時間足(水準別)
| 水準 | 2025年の平均 | 平均取引数 | 両方の年で黒字 |
|---|---|---|---|
| ±50 | +1,551 | 404 | 6/6 |
| ±100 | +1,395 | 292 | 6/6 |
| ±150 | +1,519 | 182 | 6/6 |
| ±200 | −936 | 85 | 2/6 |
| ±250 | −675 | 29 | 0/6 |
±50から±150までは平らで、±200から先で崩れます。 ここも取引数の問題で、±250は年29回しか発動しません。
ゼロライン・1時間足(水準別)
| 水準 | 2025年の平均 | 2024年の平均 | 両方の年で黒字 |
|---|---|---|---|
| −100 | +166 | +1,892 | 3/6 |
| −50 | +1,325 | +2,309 | 6/6 |
| 0 | +1,548 | +1,817 | 6/6 |
| +50 | +1,763 | +653 | 4/6 |
| +100 | +1,710 | −425 | 3/6 |
ゼロラインをゼロから動かす理由は見つかりませんでした。 −50と0だけが両方の年で6/6です。+50と+100は2025年のほうが良く見えますが、2024年で落ちます。
既定値(期間14・水準100)はどこにいたか
多くの環境の初期値は期間14で、引かれる線は±100です。
| 読み方 | 時間足 | 2025年の順位 | 2024年の順位 |
|---|---|---|---|
| ±100の抜け | 1時間足 | 18/30 | 10/30 |
| ゼロライン(14@0) | 1時間足 | 6/30 | 4/30 |
| ±100の抜け | 15分足 | 13/30 | 26/30 |
ゼロラインの既定期間は両方の年で上位でした。 ±100の抜けの既定値は真ん中です。悪くはありませんが、この検証では水準を±50や±150にしたほうが安定しています。
アウトオブサンプル検定:片方の年の最良を、相手の年に当てる
このシリーズの中心にある検定です。
| 読み方 | 時間足 | 2024年の最良 | 2025年に当てると |
|---|---|---|---|
| ±100の抜け | 1時間足 | 20@±100(+3,393.7) | +1,048.5(16/30・中央値+1,113.0) |
| ゼロライン | 1時間足 | 30@−50(+3,046.7) | +1,729.0(13/30・中央値+1,294.1) |
| ±100の抜け | 15分足 | 30@±50(+3,250.8) | +1,717.2(5/30・中央値+549.8) |
| 逆張り・買い | 4時間足 | 10/200→100(+946.1) | +176.7(54/72・中央値+387.5) |
4通り中2通りが中央値を上回りました。上回ったのは15分足の抜け(5/30)と1時間足のゼロライン(13/30)です。1時間足の抜けは中央値+1,113.0に対して+1,048.5で、64.5pipsだけ下に着地しました。
はっきり沈んだのは逆張りだけです(72通り中54位、中央値+387.5に対して+176.7)。順張り側の3通りは順位で見れば上位か真ん中に留まっていて、このシリーズでは珍しく穏やかな結果です。ただし「中央値を超える」ところまで言えたのは半分でした。
順位相関も出しておきます。
| 読み方 | 15分足 | 1時間足 | 4時間足 |
|---|---|---|---|
| ±100の抜け | +0.527 | +0.255 | −0.408 |
| ゼロライン | +0.605 | −0.112 | −0.514 |
| 逆張り・買い | +0.316 | +0.008 | −0.214 |
15分足だけが正の相関を出しました。 4時間足は全部マイナスです。時間足が長いほど1年の標本が減るので当然ではありますが、「4時間足で去年よかった設定」は今年の下位を指しています。
なお4時間足の抜けの2025年最良は水準±250・期間50で+1,777.3pipsですが、取引数は2回です。この手の数字を設定選びの根拠にはできません。
ゼロラインは移動平均線クロスそのもの
ここが一番はっきりした結果です。
CCIの分母は 0.015 × 平均偏差 で、平均偏差は絶対に負になりません。したがってCCIの符号は(典型価格 − その単純移動平均)の符号と完全に一致します。 実測でも、期間7から50まで、符号の不一致は0件、クロスした足の不一致も0件でした。
つまりCCIのゼロクロスは、価格が自分の移動平均を抜けたことを別の目盛りで見たものです。この記事でいちばん成績のよかった読み方は、CCIでなくても再現できます。
では、CCIであることに意味はないのか。典型価格を使う点だけは残ります。 同じルールを終値で読ませたもの(SMA(1)とSMA(N)のクロス。SMA(1)は終値そのもの)と、36通りで突き合わせました。
| CCIのゼロクロス | 終値の移動平均線クロス | |
|---|---|---|
| 取引数(1時間足・2025年・期間14) | 693 | 885 |
| 勝率 | 30.45% | 26.44% |
| 損益 | +2,294.4 | +1,801.6 |
36通り全部でこうなりました。
- 取引数が少ないのは36通り中36通り
- 勝率が高いのも36通り中36通り(差は1.5〜8.0ポイント)
- 損益で上回ったのは36通り中25通り
(高値+安値+終値)÷3は、だましを減らします。 1本の足の終値だけを見ると、ヒゲの先で平均線を抜けて戻る足を数えてしまう。典型価格はその足の中身を平均するので、抜けたことにならない。これは36通り全部で一貫していて、例外がありません。
ただし減った取引が良い取引だったこともあります。 損益で負けた11通りがそれです。減らす効果は確実で、その結果が良いかどうかは確実ではない、という形になっています。
フィルター・損切り利確・コスト
ADXフィルターは順張りを壊す
トレンドの強さで絞れば順張りが良くなりそうに見えますが、逆でした。
| 設定 | ベース | ADX≥20 | ADX≥25 | ADX≥30 |
|---|---|---|---|---|
| ±100の抜け・15分足・2025 | +643.4(1,298回) | −183.8(854回) | −618.9(577回) | −229.5(358回) |
| ゼロライン・1時間足・2025 | +2,294.4(693回) | +786.0(399回) | +617.2(285回) | −19.7(179回) |
強い順張りに強さのフィルターを足すと、条件が重複します。 GMMAの検証でも同じことが起きました。これで3回目です。
4時間足の逆張りだけはADXで良くなりますが(2025年 +796.2 → +1,091.2、ただし16回)、2024年は同じフィルターで+26.6 → −527.9 です。年をまたぎませんでした。
時間帯
東京時間(UTC 0〜8)は±100の抜けに効きました。15分足2025年 +643.4 → +877.0、2024年 −203.2 → +1,718.7。1時間足も2025年 +424.8 → +1,146.8。ただし2024年の1時間足は +1,839.9 → +1,746.0 で、4通り中3通りです。ゼロラインには効きませんでした(1時間足2025年 +2,294.4 → +571.3)。
損切り・利確
ゼロライン・1時間足で、損切り100・利確200を足すと2025年は+2,807.8まで伸びますが、2024年は+2,089.5に落ちます(ベース+2,579.8)。時間決済24本も2025年は+3,588.2、2024年は+2,303.0です。どれも片方の年でしか良くなりません。
コスト
損益はスプレッドに対してきれいに直線でした。失ったpips=取引回数×スプレッドが、4つの設定すべてで誤差なく成立します。
| 設定 | 取引数 | スプレッド0 | 0.3 | 1.0 | 損益分岐 |
|---|---|---|---|---|---|
| ±100の抜け・15分足 | 1,298 | +1,032.8 | +643.4 | −265.2 | 0.80pips |
| ±100の抜け・1時間足 | 321 | +521.1 | +424.8 | +200.1 | 1.62pips |
| ゼロライン・1時間足 | 693 | +2,502.2 | +2,294.4 | +1,809.3 | 3.61pips |
1時間足のゼロクロスの損益分岐3.61pipsは、このシリーズで最も高い数字です。 15分足の抜けは0.80pipsしかなく、スプレッドが1pips開く環境では成立しません。
この検証で言えること
- ±100は珍しくない。 内側にいるのは57.5〜61.9%で、7〜8割ではありません。時間足3種・期間6種のどれでもそうでした
- ±100は「行き過ぎ」ではなく「まだ続く」に寄っている。 抜けた直後は平均より伸び(15分足と1時間足の24通り中22通り)、内側に戻った直後は伸びません(24通り中24通り)。バックテストでも逆張りは6通り全部が赤字です
- 期間と水準は独立していない。 |CCI|は期間÷0.03を超えられず、18通り中9通りで実際に上限に触りました。期間7で±250を待つルールは一度も発動しません
- 定数0.015と水準は同じつまみ。 0.01にすることは水準を66.7にすることと数値的に同じです
- 最も残ったゼロラインは、CCI固有のものではない。 CCIの符号は(典型価格−その移動平均)の符号と完全に一致します。CCIが足しているのは典型価格を使うことだけで、それは取引数を36通り全部で減らし勝率を36通り全部で上げましたが、損益で上回ったのは25通りでした
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この検証の限界
- 通貨ペアはドル円だけ、期間は2年だけです。CCIは商品先物のために作られた指標なので、対象が変われば±100の外にいる時間の割合そのものが変わります
- 2024年は年間+1,632pips、2025年は−56pipsで、相場の性格がまったく違います。逆張りの売りが両方の年で崩れたことは、上昇年と横ばい年の2つでしか確かめていません
- スプレッドは0.3pips固定です。実際は指標発表時に開きます。損益分岐0.80pipsの設定は、この前提が崩れると成立しません
- 決済は反対シグナルまでです。損切りと利確を足した場合は別セクションの数字になり、片方の年でしか良くなりませんでした
- 4時間足の数字は標本が小さい(±100の抜けで年40回前後、逆張りで20回前後)。4時間足だけが値動きの計測でも逆を向きましたが、12通り中6通りなので判定できていません
- 「典型価格が効く」は取引数と勝率でだけ一貫していて、損益では36通り中25通りです。ここを「効く」と読むかは、何を見るかによります
よくある質問
- CCIの±100を超えるのは珍しいことですか?
- 珍しくありませんでした。CCIの計算に入っている0.015という定数は、読み取り値のおおむね7〜8割が±100の内側に収まるように選ばれた、と説明されます。ドル円2025年で実測すると、15分足・1時間足・4時間足のどれでも、期間7から50までのどれでも、内側に収まったのは57.5〜61.9%でした。線は年の約4割を±100の外で過ごしています。
- CCIは逆張りと順張りのどちらで使うべきですか?
- この検証では順張りが勝ちました。期間14・水準100で、逆張り(±100の外側で反対方向にエントリー)は時間足3種×2年の6通りすべてで赤字です。同じ±100を抜けた方向に入る順張りは6通り中5通りで黒字でした。値動きだけを見ても同じで、±100を抜けた直後の値幅が平均的な足を上回ったのは15分足と1時間足の24通り中22通り、内側に戻った直後が下回ったのは24通り中24通りです。
- CCIのゼロラインは何を意味しますか?
- 典型価格がその移動平均を上回っているかどうか、そのものです。CCIの分母は絶対に負にならないので、CCIの符号は(典型価格−その単純移動平均)の符号と一致します。実測でも期間7から50まで符号の不一致は0件、クロスした足の不一致も0件でした。つまりCCIのゼロクロスは、価格と移動平均線のクロスを別の目盛りで見たものです。
- CCIの期間はいくつがよいですか?
- 読み方によって逆を向きました。ゼロクロスは15分足では期間を伸ばすほど良く(期間7は2024年も2025年も5通り全部が赤字、期間50は2025年5通り全部が黒字)、1時間足では期間10と14が最も残ります。±100の抜けは15分足で期間20以上が安定しました。なお期間はCCIが取りうる最大値も決めていて、|CCI|は期間÷0.03を超えられません。期間7のCCIは±233.3までしか動かないので、±250で待つルールは一度も発動しません。
- CCIはMT4に入っていますか?
- 標準で入っています。MT4とMT5では挿入→インディケータ→オシレーター→Commodity Channel Indexで、期間と適用価格を指定します。TradingViewもインジケーター検索からCommodity Channel Indexを追加できます。Formiqのチャートにも入っていて、バックテスト側では読み方4種(水準・水準の行き過ぎ・±水準の抜け・ゼロライン)を条件にできます。
Formiqは、リプレイ練習とノーコードバックテストをブラウザだけで使える無料のFXツールです。 チャートを開く、または無料プランでできることをご覧ください。