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ストキャスティクス設定:2,700通りでスロー化を検証

ストキャスティクスの最強設定を探す前に、%K・%D・スロー化の期間を分けてドル円2,700通りを検証。1時間足のクロスは75通り中43通りが両年黒字でした。20/80の逆張り、初期設定の勝率、翌年の損益、スプレッドの影響も比較します。

ストキャスティクスは、過去の高値・安値の幅に対して、終値がどの位置にあるかを示す指標です。下の別枠に%Kと%Dを表示し、20や80の水準、線の交差を売買の判断に使います。

設定で混同しやすいのは、%Kの期間と、%Kを滑らかにする期間が別の項目であることです。%Dも加わるため、期間の数字だけを見ても、どの計算を遅くしたのかは分かりません。

ドル円2,700通りを測ると、1時間足のクロス読みは75通り中43通りが両年黒字でした。スロー化の期間20に限れば15通りすべてが両年黒字です。一方、売り逆張りはどの時間足でも両年黒字がありませんでした。

0255075M15H1H4
クロス買い逆張り売り逆張り2024年・2025年とも黒字/75設定
両年黒字の設定数(各75通り)。クロスは15分足1、1時間足43、4時間足56。売り逆張りは全時間足で0。

ストキャスティクスは何を測っているのか

平滑化前の%Kは「終値から期間内の最安値を引き、期間内の最高値と最安値の差で割って100を掛けた値」です。終値が期間内の高値に近ければ100に、安値に近ければ0に近づきます。

この記事では、各足で計算した%Kをスロー化の期間で単純平均し、その線を%Kとして読みます。%Dは、平滑化した%Kを%D期間でさらに単純平均した線です。期間内の高値と安値が同じ場合、平滑化前の値は50とします。

高い水準は、下落開始を意味しません。 価格が上昇しながら高値付近で終わる足が続けば、%Kも高いままです。80を超えたという位置の情報と、売ったあとに下がるかという問いは分けて測る必要があります。

ストキャスティクスの設定と読み方

Formiqのインジケーター一覧からストキャスティクスを追加すると、ローソク足の下の別枠に表示されます。設定画面の計算・水準項目は次のとおりです。

項目初期設定意味
%K期間14高値・安値を探す本数
%D期間3平滑化した%Kを平均する本数
スローイング3平滑化前の%Kを平均する本数。本文ではスロー化の期間と呼ぶ
上の水準80別枠に描く上側の目安
下の水準20別枠に描く下側の目安

%Kの初期色は黄色、%Dは青色です。線の色と太さも変更できますが、計算値は変わりません。20と80の水準線は表示されます。チャートの水準線とバックテストの売買条件は別に設定します。

本文の14/3/3は、%K期間/%D期間/スロー化の期間の順です。スロー化の期間1なら追加の平均を取らず、期間を長くするほど短い変化が平均に吸収されます。%D期間を長くすると、%Kを変えずに%Dだけが滑らかになります。

今回は水準による逆張りとクロスを、別々の売買ルールとして測りました。

売買ルールエントリー決済
買い逆張り%Kが20未満なら買い%Kが80を超えたら決済
売り逆張り%Kが80を超えたら売り%Kが20未満になったら決済
クロス%Kが%Dを上抜けたら買い、下抜けたら売り反対向きの交差で決済

水準読みは、水準内へ戻るのを待つルールではありません。水準の外にある状態でエントリーします。クロスは交差した足でのみ判定し、20/80の制限を付けません。買いと売りの逆張りは別々に実行し、損益を合算した戦略としては扱いません。

検証の条件

Formiqのバックテスト機能で実測しました。

項目条件
通貨ペア米ドル/円
検証期間2025-01-01〜2025-12-31
年を変えた再検証2024-01-01〜2024-12-31
年内の分割2025-01-01〜06-30、2025-07-01〜12-31。各期間を独立して実行
時間足15分足・1時間足・4時間足
%K期間5・9・14・21・50
スロー化の期間1・3・5・10・20
クロスの%D期間2・3・5
逆張りの水準ペア10/90・20/80・30/70。%D期間は3に固定
設定数各売買ルール75通り。3ルール×3時間足×4期間で2,700通り
決済クロスは反対の交差。逆張りは反対側の水準。期間末の保有分は強制決済
約定と費用終値約定、スプレッド0.3pips固定、スリッページ0
数量0.1ロット
損切り・利確基本検証では使わず、追加検証で比較

水準読みでは売買に使わない%D期間を動かして件数を増やしていません。損益は約定価格からpipsで計算しています。フィルター・損切り・利確・スプレッドを変えた追加検証は、2,700通りに含めません。

遅くすると20や80に届かなくなるのか

1時間足・2025年・%K期間14について、有効な6,226本のうち何本が水準の外にあったかを数えました。%D期間は3です。

スロー化の期間20未満の足80超の足20未満の割合80超の割合
11,2381,53419.88%24.64%
31,0911,48017.52%23.77%
59691,32315.56%21.25%
106891,02211.07%16.42%
202805124.50%8.22%

スロー化の期間を1から20へ伸ばすと、20未満の足は1,238本から280本に減りました。ただし、期間20でも20未満と80超の足は残っています。「遅くすれば水準に届かない」と一律には言えません。

この表はエントリーの回数ではありません。保有中に水準の外へ出ても新しい取引は作られず、同じ水準の外に留まる複数の足も数えています。

どの時間足で利益が続いたか

各売買ルールを75通りずつ比べた結果です。取引がなく損益0の設定は、黒字に含めません。

時間足売買ルール2024年の黒字設定2025年の黒字設定両年黒字2025年の年間損益中央値(pips)
15分足クロス2/754/751/75−2,190.0
15分足買い逆張り28/7517/7511/75−712.6
15分足売り逆張り0/7516/750/75−662.4
1時間足クロス49/7552/7543/75+834.5
1時間足買い逆張り42/7536/7526/750.0
1時間足売り逆張り2/7535/750/75−145.5
4時間足クロス62/7567/7556/75+1,143.7
4時間足買い逆張り29/7559/7518/75+643.2
4時間足売り逆張り1/7556/750/75+560.7

15分足のクロスは2025年の年間損益中央値が−2,190.0pipsでした。4時間足は+1,143.7pipsで、両年黒字の設定も多くなっています。水準の逆張りでは、買いと売りを分けることが欠かせません。売り逆張りは全時間足で両年黒字が0通りでした。

1時間足のクロスを2025年の前半と後半に分けると、黒字はそれぞれ75通り中54通りと44通りです。年間の黒字設定数だけでは、途中の損失期間は分かりません。なお、保有分を各期間末に決済するため、前後半を足しても年間損益と厳密には一致しません。

1時間足ではスロー化を長くするべきか

%K期間と%D期間の組み合わせを揃え、スロー化の期間だけを比較します。各行は%K期間5種×%D期間3種の15通りです。

スロー化の期間両年黒字2024年の年間損益平均(pips)2025年の年間損益平均(pips)
12/15−1,121.3−1,347.3
36/15−391.9+492.3
58/15+592.7−40.5
1012/15+2,061.8+1,295.9
2015/15+3,443.8+1,744.1

スロー化の期間1では両年黒字が2通り、期間20では15通りでした。ただし、2025年の年間損益平均は期間3の+492.3pipsから期間5の−40.5pipsへ下がっています。期間を少し長くするたびに改善したわけではありません。

買い逆張りは期間5で両年黒字が最多

逆張りは%Dの代わりに水準ペアを変えています。各行は%K期間5種×水準ペア3種の15通りです。

スロー化の期間両年黒字2024年の年間損益平均(pips)2025年の年間損益平均(pips)
12/15−225.3−745.9
33/15−57.9−387.7
58/15+217.0−186.3
107/15+258.5+347.9
206/15+231.1+369.6

買い逆張りで両年黒字が最も多かったのは期間5の8通りで、期間20では6通りでした。クロスで得られた「期間20の15通りが両年黒字」という結果は、逆張りにそのまま当てはまりません。

売り逆張りでは、スロー化の期間を変えても両年黒字はありませんでした。

スロー化の期間両年黒字2024年の年間損益平均(pips)2025年の年間損益平均(pips)
10/15−1,833.6−657.6
30/15−1,630.1−318.9
50/15−1,338.3−113.9
100/15−1,184.6+301.6
200/15−941.4+201.6

初期設定14/3/3は1時間足で翌年赤字

クロス読みの初期設定を、時間足と年ごとに並べます。

時間足取引回数勝率年間損益(pips)
15分足20246,13637.24%−1,547.6
15分足20256,05138.13%−1,661.5
1時間足20241,52538.36%+686.6
1時間足20251,51037.35%−49.7
4時間足202435943.18%+3,093.0
4時間足202538342.82%+2,959.6

1時間足の14/3/3は、2024年には黒字でしたが2025年は−49.7pipsになりました。4時間足は両年とも黒字です。同じ期間の数字でも、使う時間足まで決めてから検証する必要があります。

前年にいちばん利益が出た設定は翌年も使えたか

クロスの年間損益が最大だった設定を選び、設定を変えずに別の年へ適用しました。2024年で選んで2025年を測る行が、時系列に沿った確認です。逆方向の行は、2025年にいちばん利益が出た設定が過去にも利益を出していたかを調べています。

時間足設定を選んだ年%K/%D/スロー化選択年の年間損益(pips)再検証年取引回数再検証年の年間損益(pips)再検証年の中央値(pips)
1時間足202421/3/20+5,095.22025657+1,920.5+834.5
1時間足202514/3/20+3,211.32024745+3,323.9+799.4
4時間足202450/3/5+4,481.92025263+598.0+1,143.7
4時間足202521/5/10+3,354.82024175−1,686.5+1,857.5

1時間足では、2024年にいちばん利益が出た設定21/3/20が2025年も+1,920.5pipsとなり、中央値+834.5pipsを上回りました。ところが4時間足の2024年にいちばん利益が出た設定50/3/5は、2025年に+598.0pipsで中央値+1,143.7pipsを下回っています。

4時間足で2025年に最も利益が大きかった21/5/10も、2024年へ戻すと−1,686.5pipsでした。設定を多数比較したあとの最大の年間損益には選択の偏りがあるため、別の年の成績を併記しています。

勝率60%台でも逆張りは赤字だった

1時間足・2025年・14/3/3を比較します。逆張りの水準は20/80です。

売買ルール取引回数勝率平均利益(pips)平均損失(pips)年間損益(pips)
クロス1,51037.35%+32.72−19.56−49.7
買い逆張り10660.38%+46.83−85.05−574.9
売り逆張り10761.68%+53.62−98.85−513.9

買い逆張りは106回で勝率60.38%ですが、平均利益+46.83pipsに対して平均損失は−85.05pipsでした。勝った回数が多くても、負けたときの幅が大きく、年間損益は−574.9pipsです。売り逆張りも107回で勝率61.68%ながら赤字でした。

買い逆張りと売り逆張りは、相場の上昇・下落の影響をそれぞれ受けます。買い側の黒字を、そのまま「水準に反転を予測する効果があった」とは解釈していません。

フィルターと損切りで赤字は減ったか

1時間足のクロス14/3/3に条件を追加しました。ADXは期間14で方向を指定せず、エントリー時だけ判定します。決済は反対のクロスを保ちます。時間帯の制限も新規エントリーだけです。

追加条件取引回数年間損益(pips)
追加条件なし20241,525+686.6
追加条件なし20251,510−49.7
ADX ≥ 2020241,005+355.7
ADX ≥ 2020251,007+136.3
ADX ≥ 252024698+194.0
ADX ≥ 252025705+639.6
UTC 8〜16時2024524−360.9
UTC 8〜16時2025520+1,132.3
損切り30・利確6020241,351−620.9
損切り30・利確6020251,327−1,622.4
損切り100・利確20020241,505+356.4
損切り100・利確20020251,503−41.5

ADXを25以上に絞ると、2025年は705回で+639.6pipsになりましたが、2024年の年間損益は追加条件なしより小さくなりました。UTCの時間帯制限は2025年を黒字にしても、2024年を赤字にしています。改善した年だけを抜き出すと、フィルターの評価が変わってしまいます。

損切り30・利確60では両年とも赤字です。損切り・利確に届く前に反対のクロスが出れば、シグナルによって決済します。両方の価格に同じ足で届く場合は、損切りを先に扱います。

初期設定のクロスはスプレッド0.3で黒字が消えた

1時間足・2025年・14/3/3の年間損益です。表の費用と損益の単位はいずれもpipsです。

売買ルール取引回数スプレッド0の年間損益スプレッド0.3の年間損益スプレッド1.0の年間損益
クロス1,510+403.4−49.7−1,106.7
買い逆張り106−543.1−574.9−649.1
売り逆張り107−481.8−513.9−588.8

クロスはスプレッド0なら+403.4pipsですが、1,510回の取引に費用が掛かると、0.3pipsでは−49.7pipsになりました。損益分岐スプレッドは小数第2位で0.27pipsです。この値は表示精度に整えた値であり、0.27pipsまで必ず黒字という意味ではありません。

逆張りは買いも売りもスプレッド0で赤字でした。逆張りの損失は、スプレッドだけでは説明できません。

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補足

対象はドル円の2024年と2025年で、終値約定・固定スプレッドの検証です。実際のスプレッド拡大、約定のずれ、スワップは含めていません。計算には開始日前のローソク足も渡し、期間末に残ったポジションは決済しています。%K・スロー化・%Dを計算できる本数に加えて、交差を判定する過去の足が必要です。

よくある質問

ストキャスティクスの最強設定はどれですか?
すべての時間足に共通する最強設定は、この検証では確認できませんでした。クロス読みで2024年と2025年の両年黒字だった設定は、15分足が75通り中1通り、1時間足が43通り、4時間足が56通りです。1時間足ではスロー化の期間20が15通りすべて両年黒字でしたが、将来の利益を保証する結果ではありません。
%K・%D・スロー化の期間は何が違いますか?
%K期間は高値と安値を探す本数、スロー化の期間は各足の%Kを平均する本数、%D期間は平滑化した%Kをさらに平均する本数です。水準読みは%Kだけで売買するため、%D期間を変えても売買条件は変わりません。
ストキャスティクスの勝率が高ければ利益が出ますか?
勝率だけでは判断できません。1時間足・2025年・14/3/3の買い逆張りは106回で勝率60.38%でしたが、年間損益は−574.9pipsです。平均利益46.83pipsに対し、平均損失は85.05pipsでした。
1時間足では14/3/3をそのまま使えますか?
クロス読みの14/3/3は2024年に1,525回で+686.6pips、2025年に1,510回で−49.7pipsでした。今回の固定スプレッド0.3pipsでは、両年黒字になりませんでした。

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