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公開著者DMI/ADXADXDMI+DI−DIトレンドインジケーターバックテストドル円

DMI/ADXの設定:水準25はDIクロスの8割を除く

DMI/ADXの期間・水準・DIクロスとDI比較をドル円1,344通りで検証。期間14・水準25は1時間足で2025年101回、−68.1pipsでした。ADXを移動平均線クロスへ足した場合も、水準25で両年の年間損益が下がりました。

DMI(Directional Movement Index、方向性指数)は、上方向の値動きを表す+DI、下方向を表す−DI、両者の開きを平滑化したADXの3本でトレンドを読みます。+DIと−DIが方向を決め、ADXは上昇か下落かを区別せず、トレンドの強さだけを表します。

期間14・ADX 25以上はよく使われる設定です。ところが2025年のドル円では、水準25を課すと期間14のDIクロスが15分足2,184回中339回、1時間足534回中101回、4時間足141回中19回まで減りました。残った割合は13.5〜18.9%です。

売買結果も「25以上ならだましが減る」とは揃いません。期間14・水準25のDIクロスは、15分足だけが2024年と2025年の両方で黒字でした。1時間足は2025年−68.1pips、2024年+137.5pipsです。水準25を移動平均線クロスのフィルターにした場合も、2025年は+377.4pipsから−922.1pipsへ下がりました。

05001,0001,5002,000M15H1H4DIクロスの回数
全DIクロスADX 25以上期間14・2025年
ADX 25以上に限ると、DIクロスは15分足2,184回中339回、1時間足534回中101回、4時間足141回中19回まで減りました。

DMI/ADXは何を測っているのか

計算は、隣り合う足の高値と安値から始まります。

  1. 当日の高値が前の足の高値よりどれだけ上がったかを測る
  2. 前の足の安値が当日の安値よりどれだけ高かったかを測る
  3. 大きかった側だけを+DMまたは−DMとして残す
  4. +DMと−DMを値幅(TR)で割り、平滑化して+DIと−DIにする
  5. |+DI − −DI| ÷(+DI + −DI)× 100をDXとし、さらに平滑化してADXにする

絶対値を取るため、+DIが大きくても−DIが大きくてもADXは上がります。ADX 30は上昇を意味しません。2本のDIが大きく離れている状態を意味します。

MetaTrader 5の公式解説は、期間14の+DIと−DIを比較し、+DIが上なら買い、−DIが上なら売りという読み方を示しています。Wilder版の計算資料では、+DM・−DM・TRを平滑化してDIを求め、DIの差からDX、ADXへ進む式を確認できます。

DMI/ADXの設定と読み方

DMI/ADXはローソク足へ重ねず、チャート下の別枠にADX、+DI、−DIの3本を表示します。0〜100の範囲で動きます。

環境追加する場所
MT4 / MT5挿入 → インディケータ → トレンド → Average Directional Movement Index
TradingViewインジケーター検索から Directional Movement Index(DMI)
ブラウザ(Formiq)インジケーター一覧から「ADX」

TradingViewではADX単体とDMIが別項目です。TradingViewの公式DMI解説にあるように、3本を同時に見る場合はDMIを選びます。MT4・MT5では3本が同じ別枠へ表示され、MT5には通常のADXとADX Wilderがあります。

チャート側の設定

項目初期値意味
期間14+DM、−DM、TR、DXを平滑化する本数
ADX線プラットフォームの初期色トレンドの強さ。上昇・下落の方向は示さない
+DI線プラットフォームの初期色上方向の値動きが相対的に優勢かを示す
−DI線プラットフォームの初期色下方向の値動きが相対的に優勢かを示す
水準線任意20や25など、強さを区切る目安を追加する

期間を短くすると3本とも反応が速くなり、DIクロスが増えます。長くすると線は滑らかになりますが、短いトレンドへの反応は遅くなります。水準は線の計算を変えず、どの売買候補を残すかだけを変えます。

バックテスト条件の設定

項目初期値意味
期間14DMI/ADXを計算する本数
最低水準25ADXがこの値以上のときだけ新規売買を許す
方向判定フィルターのみ別の売買条件が決めた方向を変えず、ADXの強さだけを足す

方向判定は3通りあります。

  • フィルターのみ:ADXが最低水準以上かだけを見る。単独では売買方向を決められないため、移動平均線クロスなどと組み合わせる
  • +DI/−DIクロス:+DIが−DIを上抜けた足で買い、下抜けた足で売る。ADXが最低水準以上のクロスだけを採る
  • +DI/−DI比較:ADXが最低水準以上で+DIが上なら買い、−DIが上なら売る。クロスの瞬間を逃しても条件を満たせる

この記事では、DIクロスとADX加速を独立した売買ルールとして測り、ADXをフィルターとして使う場合は10/20・SMAクロスへ追加して測ります。

検証の条件

項目
通貨ペア米ドル/円
期間2025-01-01〜2025-12-31(比較用に2024年も同条件)
時間足15分足 / 1時間足 / 4時間足
読み方+DI/−DIクロス / +DI/−DI比較
計算期間5 / 7 / 10 / 14 / 20 / 28 / 40 / 50
ADX最低水準0 / 15 / 20 / 25 / 30 / 35 / 40
組み合わせ112通り × 時間足3種 × 期間4区分 = 1,344回
決済反対方向のDIシグナルまで。エントリーと決済に同じルールセットを使う
損切り・利確使わない(別の節で測定)
スプレッド0.3pips固定。約定は終値
ロット0.1ロット

水準0はADXで絞らない対照です。2025年は前半と後半にも分け、1年の合計だけで設定を選ばないようにしました。

水準25はDIクロスの8割以上を除く

期間14のADXが各水準以上だった足と、DIクロスの回数を数えました。

時間足ADX 20以上の足ADX 25以上の足ADX 30以上の足全DIクロス水準25を通ったクロス
15分足202463.65%43.47%27.93%2,136349
15分足202561.22%40.51%25.15%2,184339
1時間足202464.82%44.91%29.49%50193
1時間足202566.33%47.24%31.40%534101
4時間足202473.82%50.43%30.45%14235
4時間足202567.20%37.58%17.58%14119

ADX 25以上の足自体は37.58〜50.43%あり、珍しくありません。それでもDIクロスと同時に満たす回数は全クロスの13.5〜24.6%です。水準25は市場の半分前後を残しながら、クロスの4分の3以上を落とします。 DIが交差する時点ではADXがまだ低い場合が多いためです。

実際、2025年にDIが交差した足でADXが前の足より上がっていたのは、15分足218/2,184、1時間足53/534、4時間足11/141でした。クロスは方向の入れ替わり、ADXは平滑化された開きなので、同時に立ち上がるとは限りません。

両年黒字は56設定のうち3〜16設定

期間8通り×水準7通り、各56設定の分布です。

DIクロス

時間足2025年黒字2025年中央値2024年黒字2024年中央値両年黒字
15分足17/56−40.1pips17/56−189.8pips10/56
1時間足27/560.0pips19/56−37.9pips9/56
4時間足6/56−167.1pips29/56+3.2pips4/56

DI比較

時間足2025年黒字2025年中央値2024年黒字2024年中央値両年黒字
15分足18/56−335.5pips26/56−53.2pips13/56
1時間足23/56−79.4pips32/56+118.4pips16/56
4時間足3/56−817.8pips38/56+359.2pips3/56

4時間足は読み方を変えても2024年から2025年へ反転しました。DI比較は2024年に38/56が黒字でも、2025年は3/56です。期間や水準を選ぶ前に、年をまたいだ時点で候補の多くが消えています。

期間14・水準25は15分足だけ両年黒字

初期値の実測です。

読み方時間足2025年取引数2025年勝率2025年損益2024年取引数2024年損益
DIクロス15分足33932.45%+141.1pips349+403.3pips
DIクロス1時間足10133.66%−68.1pips93+137.5pips
DIクロス4時間足1942.11%+433.3pips35+152.0pips
DI比較15分足68632.65%−391.2pips679+570.3pips
DI比較1時間足18134.25%−388.5pips179+72.3pips
DI比較4時間足4524.44%−2,277.2pips59+1,042.7pips

DIクロスの4時間足は両年黒字ですが、2025年19回、2024年35回です。15分足は339回と349回あり、両年とも黒字でした。反対にDI比較はすべての時間足で2024年と2025年の符号が入れ替わりました。

水準25より水準0と15の差が大きい

1時間足の周辺平均です。各行は8期間の平均で、設定が出さなかった売買も0pipsとして含めています。

DIクロスの最低水準

最低水準2025年平均損益2024年平均損益2025年平均取引数
0−37.4pips+842.1pips541.1
15+447.4pips−320.5pips381.1
20+231.5pips−416.4pips265.6
25+94.6pips−239.8pips170.5
30+17.4pips−120.1pips101.4
35+7.6pips−122.5pips57.8
40+39.5pips+13.9pips31.8

水準0は2024年+842.1pipsでも2025年−37.4pips、水準15は2025年+447.4pipsでも2024年−320.5pipsでした。両年平均がプラスだった水準40は、平均取引数が31.8回まで減っています。水準25だけが境目になる形はありません。

DI比較の最低水準

最低水準2025年平均損益2024年平均損益2025年平均取引数
0−84.0pips+788.4pips542.1
15−36.1pips−14.9pips417.5
20−317.6pips+52.2pips326.8
25−215.6pips+80.9pips248.1
30−178.2pips−47.7pips183.5
35−295.6pips−107.8pips136.4
40−138.7pips+22.3pips98.8

DI比較は7水準すべてで2025年の平均が赤字です。最低水準を上げても、2025年の年間損益はプラスへ戻りませんでした。

計算期間では、短い5と7だけが両方の年でプラスの周辺平均になりました。DIクロスの期間5は2025年+347.9pips・2024年+225.0pips、期間7は+307.1・+71.2pipsです。DI比較の期間5は+833.4・+663.0pips、期間7は+437.7・+476.5pipsでした。ただし期間5の2025年平均取引数はDIクロス596.1回、DI比較729.3回です。短い期間の差には、取引回数とコストも含まれます。

2024年の最大設定は1時間足と4時間足で赤字化

2024年の年間損益が最大だった設定を、そのまま2025年へ移しました。

読み方時間足期間水準2024年損益2025年損益2025年中央値
DIクロス15分足280+1,305.0pips+366.0pips−40.1pips
DIクロス1時間足500+1,513.1pips−1,309.9pips0.0pips
DIクロス4時間足200+1,738.5pips−752.8pips−167.1pips
DI比較15分足2020+1,630.4pips+86.0pips−335.5pips
DI比較1時間足500+1,391.5pips−1,352.7pips−79.4pips
DI比較4時間足2015+1,677.3pips−1,329.7pips−817.8pips

15分足の2設定は2025年も黒字でしたが、利益は2024年の22.4%と5.3%まで縮みました。1時間足と4時間足は、両方の読み方で2025年の中央値も下回っています。前年の最大設定を選ぶ方法は、6通り中4通りで翌年赤字でした。

勝率33.66%でも平均利益は平均損失より大きい

期間14・水準25のDIクロス、1時間足2025年は101回、勝率33.66%、−68.1pipsでした。勝った取引の平均は+54.05pips、負けた取引の平均は−28.44pipsです。勝率が3分の1でも、1回の勝ちが負けの約1.9倍あるため損益はほぼ均衡しました。

4時間足2025年は勝率42.11%、19回、+433.3pipsです。勝率だけなら良く見えますが、19回では設定差と偶然を分けにくくなります。DI比較の同じ設定は45回、勝率24.44%、−2,277.2pipsでした。読むべき組み合わせは勝率だけでなく、取引回数、平均利益・平均損失、年間損益です。

ADXを移動平均線クロスへ足すと両年の利益が減る

「フィルターのみ」を10/20・SMAクロスの入口へ追加し、決済は元の反対クロスのままにしました。

ADX条件取引数勝率年間損益
2025なし35839.11%+377.4pips
202520以上19736.55%−80.9pips
202525以上11731.62%−922.1pips
202530以上7732.47%−358.8pips
2024なし31541.59%+2,888.4pips
202420以上16942.01%+1,349.6pips
202425以上10648.11%+1,073.2pips
202430以上5944.07%+462.8pips

2024年は水準25で勝率が41.59%から48.11%へ上がりましたが、年間損益は+2,888.4pipsから+1,073.2pipsへ減りました。2025年は3水準すべて赤字です。強い場面だけを残す操作が、利益の大きい初動まで落としています。

時間帯と損切り利確は年をまたいで揃わない

期間14・水準25の1時間足DIクロスへ追加しました。

条件2025年取引数2025年損益2024年取引数2024年損益
追加なし101−68.1pips93+137.5pips
東京時間(UTC 0〜8時)33−457.5pips37+351.1pips
ロンドン・NY時間(UTC 7〜21時)66+511.1pips56−7.6pips
損切り30・利確6093+603.0pips87+253.2pips
損切り50・利確10097+612.3pips87−246.1pips
損切り100・利確200100+170.6pips90−274.5pips
損切り50・利確5097+700.5pips88+31.4pips

時間帯は2025年にロンドン・NY時間が+511.1pipsでも、2024年は−7.6pipsでした。損切り30・利確60だけは両年で基準を上回りました。ただし比較した4組から選んだ結果であり、別期間での確認は残っています。

101回なら0.3pipsのコストは30.3pips

期間14・水準25の1時間足DIクロスは、2025年にスプレッド0で−37.8pips、0.3pipsで−68.1pipsでした。差は101回×0.3pipsの30.3pipsです。コストをゼロにしても赤字なので、2025年の負けをスプレッドだけでは説明できません。

2024年はスプレッド0で+165.3pips、0.3pipsで+137.5pips、1.5pipsで+25.9pips、2.0pipsで−20.6pipsでした。損益分岐は約1.78pipsです。2025年側には正の損益分岐スプレッドがありません。

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補足

2024年と2025年の米ドル/円を終値で約定し、0.3pips固定、0.1ロットで測定しました。ADX(14)は最初の値に28本分の計算が必要です。主検証は反対のDIシグナルで決済し、固定の損切り・利確は別に測っています。

よくある質問

DMI/ADXのおすすめ設定は何ですか?
期間14・水準25を共通の推奨値にはできませんでした。DIクロスは15分足で2024年と2025年の両方が黒字でしたが、1時間足は2025年−68.1pips、4時間足は両年黒字でも2025年19回だけです。1時間足の56設定では、両年黒字だったのはDIクロス9設定、DI比較16設定でした。
ADXの25と20は何を意味しますか?
よく使われる読み方ではADX 25以上を強いトレンド、20未満をトレンドが弱い状態と見ます。ただし期間14・2025年のドル円でADX 25以上だった足は15分足40.51%、1時間足47.24%、4時間足37.58%でした。DIクロスに水準25を課すと、残った回数はそれぞれ2,184回中339回、534回中101回、141回中19回です。
ADXだけで買いと売りを判断できますか?
ADXは+DIと−DIの差を絶対値にしてから平滑化するため、上昇と下落を区別しません。買いと売りは+DIが−DIより上か下か、または両線のクロスで決めます。Formiqの「フィルターのみ」を使う場合は、移動平均線クロスなど方向を決める別条件が必要です。
DIクロスとDI比較はどちらを使いますか?
DIクロスは+DIと−DIが入れ替わった足だけを入口にし、DI比較はADXが水準以上なら優勢な線の方向へ入ります。期間14・水準25の1時間足では、2025年のDIクロスが101回・−68.1pips、DI比較が181回・−388.5pipsでした。2024年はそれぞれ+137.5pips、+72.3pipsです。
DMI/ADXはMT4やMT5に入っていますか?
MT4とMT5に標準搭載されています。チャート下の別枠へADX、+DI、−DIの3本を表示し、初期期間は14です。MT5には通常版とWilder版があります。Formiqでは期間、ADXの最低水準、フィルターのみ・DIクロス・DI比較を売買条件として設定できます。

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