記事一覧
公開著者検証証拠RSIボリンジャーバンド組み合わせ逆張りフィルターバックテストドル円

RSIとボリンジャーバンドの組み合わせを720通り検証

RSIが30以下でボリンジャーバンドの下限に触れたら買い。この組み合わせは単体より良いのか、ドル円2年分で検証しました。同じ数だけランダムに間引いた場合と比べると、良くなるどころか下振れします。

「RSIが30以下で、価格がボリンジャーバンドの下限に触れたら買い」。指標を2つ重ねるやり方の中でいちばんよく見る形です。

ただ、この操作が何をしているかははっきりしています。組み合わせは新しい売買を作りません。RSIが30以下の足のうち、バンドに触れていないものを捨てているだけです。

1時間足の2025年で、RSIが30を下回った足は356本ありました。バンドの下限(2σ)にも触れていたのは216本、60.67%です。残りの40%を捨てる操作を「絞り込み」と呼んでいます。

そして、足を捨てれば勝率は動きます。母集団が小さくなるほど、その平均から離れやすくなるからです。だから「組み合わせたら勝率が上がった」が意味を持つのは、同じ本数をランダムに捨てたときより上がったときだけです。

そこを測りました。108通りのうち、ランダムに間引いた場合の95%の範囲から外れたのは21通り。うち19通りは下側でした。

−12−8−40+450%60%70%80%90%100%組み合わせが残した取引の割合勝率の差
買い(RSI25・30・35以下)売り(RSI75・70・65以上)米ドル/円・1時間足・2025年・18通り
点はRSIの水準1つとバンドの偏差1つの組み合わせです。絞り込むほど点は左へ動きますが、上へは動きません。18通りのうち勝率が上がったのは5通りで5つとも買い側、売り側は9通りすべてで下がりました。

RSIとボリンジャーバンドの設定と読み方

RSIは0から100の間を動くオシレーターで、下の別枠に表示されます。ボリンジャーバンドは移動平均の上下に標準偏差の倍数だけ離れた線を引くもので、価格チャートに重なります。

条件数値の項目初期設定成立の中身
RSI期間14何本分の値動きから計算するか
RSI水準・比較30・以下30を下回っていれば買い。70以上なら売り
ボリンジャーバンド期間20移動平均と標準偏差を何本で計算するか
ボリンジャーバンド偏差2中心から標準偏差の何倍離すか
ボリンジャーバンド読み方タッチ安値が下限に触れたら買い、高値が上限に触れたら売り

どちらも「以下なら買い」という状態の条件で、その足で新しく起きた出来事ではありません。 RSIが30を下回っている間はずっと成立し続けます。

2つを同時に使うとどうなるか

条件一覧で両方を有効にして、判定を「すべて満たす」にします。すると両方が同じ向きを指した足だけが残ります。RSIの買い(30以下)とバンドの買い(下限タッチ)はどちらも買いしか作らないので、組み合わせも買い専用になります。売りは水準70以上と上限タッチの組で別に作ります。

検証の条件

項目
通貨ペア米ドル/円
時間足15分足・1時間足・4時間足
期間2024年1月1日〜2025年12月31日
RSIの水準買いは25・30・35以下、売りは75・70・65以上
バンドの偏差1.5・2・2.5
比べる相手同じRSIの母集団から同じ本数をランダムに選んだ1,000回
先の見方成立した足の終値から1本後・5本後・10本後・20本後の終値
決済10本後の終値で固定
条件の数RSI単体3+バンド単体3+組み合わせ9=15通り(買い売り別)
回した数15通り×買い売り×3時間足×4期間×手数料あり/なし=720通り
スプレッド0.3pips固定
ロット0.1
約定終値

決済は3つとも10本後で固定しました。 RSI単体・バンド単体・組み合わせの3つを比べるのが目的なので、決済を変えると入り方ではなく決済の比較になってしまいます。

ランダムの作り方も書いておきます。 RSIが30以下の足が356本、そのうちバンドにも触れたのが216本なら、356本から216本を無作為に取り出す操作を1,000回繰り返し、その1,000個の勝率を並べて下から2.5%と97.5%の値を範囲としました。乱数は固定の種から作っているので、同じ数字が再現できます。

ランダムに間引いた場合と比べる

1時間足の買い側です。「母集団」はRSIが水準を下回った足、「組み合わせ」はそのうちバンドにも触れた足です。

RSI水準偏差母集団残した数残した割合母集団の割合組み合わせの割合ランダムの範囲
202525以下1.5σ112本106本94.64%61.61%59.43%59.43〜63.21%
202525以下112本79本70.54%61.61%59.49%55.70〜67.09%
202525以下2.5σ112本42本37.50%61.61%59.52%50.00〜71.43%
202530以下1.5σ356本327本91.85%55.90%55.66%54.43〜57.49%
202530以下356本216本60.67%55.90%56.48%51.85〜60.19%
202530以下2.5σ356本117本32.87%55.90%54.70%48.72〜64.10%
202535以下1.5σ772本617本79.92%54.53%53.32%52.84〜56.24%
202535以下772本395本51.17%54.53%52.41%51.14〜57.72%
202535以下2.5σ772本216本27.98%54.53%55.09%49.07〜60.19%
202425以下1.5σ132本123本93.18%50.76%47.97%48.78〜52.85%
202425以下132本84本63.64%50.76%40.48%44.05〜57.14%
202425以下2.5σ132本46本34.85%50.76%41.30%39.13〜63.04%
202430以下1.5σ309本277本89.64%50.16%48.74%48.38〜51.99%
202430以下309本185本59.87%50.16%45.41%45.95〜55.14%
202430以下2.5σ309本98本31.72%50.16%52.04%42.86〜58.16%
202435以下1.5σ617本499本80.88%48.78%49.90%46.89〜50.70%
202435以下617本321本52.03%48.78%47.35%45.17〜52.65%
202435以下2.5σ617本175本28.36%48.78%51.43%42.86〜54.86%

2025年の9通りはすべて範囲の中に収まりました。 2024年は3通りが範囲の外に出ていますが、3つとも下側です(47.97%対48.78〜52.85%、40.48%対44.05〜57.14%、45.41%対45.95〜55.14%)。

範囲の広さに注目してください。残した割合が94.64%のときの範囲は59.43〜63.21%の3.8ポイント幅ですが、37.50%まで絞ると50.00〜71.43%の21.4ポイント幅になります。絞るほど、勝率は「動いて当たり前」になります。

3つの時間足と買い売りを全部合わせると108通りです。範囲の外に出たのは21通りで、19通りが下、上に出たのは2通りだけでした。

さらに、同じ時間足・同じ向き・同じ設定で、2024年と2025年の両方が同じ側に外れたのは54通り中4通りです。4つとも1時間足の売り側で、4つとも下側でした。

バンドはどんな足を選んでいるのか

下振れするなら、バンドの条件は何か特定の性質を持つ足を選んでいるはずです。RSIが30以下(売りは70以上)の足を、バンドに触れたかどうかで2つに分けました。

時間足向き触れた本数直前5本の値動き足の大きさRSIの平均触れなかった本数直前5本の値動き足の大きさRSIの平均
15分足2025買い780本3.07 ATR1.56 ATR25.04569本1.31 ATR0.93 ATR24.97
15分足2025売り739本2.93 ATR1.39 ATR75.12713本1.24 ATR0.86 ATR74.92
1時間足2025買い216本3.05 ATR1.46 ATR25.48140本1.42 ATR0.97 ATR26.25
1時間足2025売り185本3.13 ATR1.36 ATR76.16219本1.11 ATR0.84 ATR75.78
1時間足2024買い185本3.17 ATR1.80 ATR24.20124本1.22 ATR0.92 ATR25.25
1時間足2024売り291本2.87 ATR1.50 ATR76.41307本1.11 ATR0.82 ATR75.40
4時間足2025売り60本3.29 ATR1.26 ATR74.9358本1.26 ATR0.88 ATR75.61
4時間足2024売り106本2.70 ATR1.40 ATR77.8874本1.28 ATR0.88 ATR76.38

「直前5本の値動き」は、シグナルの向きと逆方向へ何ATR分進んでいたかです。買いなら、直前5本で何ATR下げてきたかを表します。

触れた側は、触れなかった側より1.80〜2.82倍速く動いています。 足そのものの大きさも1.43〜2.03倍です。一方でRSIの平均値の差は2.1ポイント未満でした。

つまりバンドの条件は「もっと売られている足」を選んでいるのではありません。RSIの水準は同じまま、もっと速く落ちている足を選んでいます。12通りのうち8通りで、触れた側のほうが10本後の割合が低くなりました。1時間足・2025年の売り側では32.97%対54.79%と、21.82ポイントの差がついています。

なお4時間足・2025年の買いは、触れなかった側が11本しかありません。この行だけ表から外しました。

勝率は上がったのか

1時間足で、RSI単体と組み合わせの勝率を並べます。

向きRSI水準偏差単体の取引組み合わせの取引残した割合単体の勝率組み合わせの勝率
買い25以下1.5σ41回39回95.1%70.73%69.23%-1.50
買い25以下41回36回87.8%70.73%69.44%-1.29
買い25以下2.5σ41回23回56.1%70.73%65.22%-5.51
買い30以下1.5σ85回82回96.5%50.59%50.00%-0.59
買い30以下85回74回87.1%50.59%52.70%+2.11
買い30以下2.5σ85回56回65.9%50.59%51.79%+1.20
買い35以下1.5σ145回130回89.7%46.90%46.92%+0.02
買い35以下145回113回77.9%46.90%47.79%+0.89
買い35以下2.5σ145回87回60.0%46.90%50.57%+3.67
売り75以上1.5σ35回32回91.4%37.14%31.25%-5.89
売り75以上35回29回82.9%37.14%34.48%-2.66
売り75以上2.5σ35回19回54.3%37.14%31.58%-5.56
売り70以上1.5σ73回63回86.3%42.47%38.10%-4.37
売り70以上73回53回72.6%42.47%32.08%-10.39
売り70以上2.5σ73回40回54.8%42.47%32.50%-9.97
売り65以上1.5σ146回127回87.0%53.42%51.97%-1.45
売り65以上146回106回72.6%53.42%50.00%-3.42
売り65以上2.5σ146回78回53.4%53.42%47.44%-5.98

18通りのうち、勝率が上がったのは5通りです。 5つとも買い側で、上げ幅は+0.02から+3.67ポイントでした。売り側は9通りすべてで下がり、最大の下げは10.39ポイントです。

残した割合と勝率の差の間に、はっきりした関係は出ていません。95.1%残しても−1.50ポイント、53.4%まで絞っても−5.98ポイントです。

720通りを売買した結果

成立した足の終値で入り、10本後の終値で決済します。1時間足の買い側です。

条件2025年 回数2025年 勝率2025年 年間損益2024年 回数2024年 勝率2024年 年間損益
RSI25以下だけ41回70.73%+695.9pips34回52.94%-113.3pips
RSI30以下だけ85回50.59%+316.4pips73回54.79%+164.5pips
RSI35以下だけ145回46.90%+210.1pips113回48.67%-529.9pips
1.5σタッチだけ284回50.00%-745.5pips260回54.23%-391.5pips
2σタッチだけ214回49.53%+194.1pips202回52.97%-194.4pips
2.5σタッチだけ160回50.00%+446.4pips151回53.64%+194.6pips
RSI25+1.5σ39回69.23%+629.3pips32回50.00%-381.1pips
RSI25+2σ36回69.44%+545.1pips29回51.72%-163.0pips
RSI25+2.5σ23回65.22%+254.7pips21回42.86%-356.3pips
RSI30+1.5σ82回50.00%+439.7pips71回54.93%+138.8pips
RSI30+2σ74回52.70%+385.6pips62回51.61%+106.5pips
RSI30+2.5σ56回51.79%+337.9pips49回51.02%+63.5pips
RSI35+1.5σ130回46.92%-101.6pips108回52.78%+208.4pips
RSI35+2σ113回47.79%+244.8pips92回51.09%+269.6pips
RSI35+2.5σ87回50.57%+335.6pips80回51.25%+287.4pips

2024年と2025年の両方で黒字になったのは15通り中7通りです。 内訳はRSI30以下だけ、2.5σだけ、RSI30との組み合わせ3通り、RSI35との組み合わせ2通りでした。

他の時間足と向きは次のとおりです。

時間足向き15通り中の両年黒字
15分足買い0
1時間足買い7
4時間足買い0
15分足売り0
1時間足売り0
4時間足売り2

両年黒字が出たのは、1時間足の買いと4時間足の売りだけです。 残り4つの組み合わせでは、単体も組み合わせも1つも残りませんでした。

組み合わせが単体を救った2例

7通りのうち5通りは、組み合わせる前のRSI単体でもすでに両年黒字です。単体では片方の年が赤字だったのに、組み合わせて両年黒字になったのは2通りだけでした。

条件RSI単体の2024年組み合わせの2024年RSI単体の2025年組み合わせの2025年
1時間足・RSI35+2σ-529.9pips+269.6pips+210.1pips+244.8pips
1時間足・RSI35+2.5σ-529.9pips+287.4pips+210.1pips+335.6pips

2024年の−529.9pipsが+269.6pipsと+287.4pipsになっています。ここだけ見れば組み合わせが効いたように見えます。

ただし、この2通りはどちらもランダムの範囲の中に収まっています。2024年のRSI35以下の母集団は48.78%で、2σに絞った321本は47.35%、ランダムの範囲は45.17〜52.65%でした。同じ本数をランダムに捨てても届く場所です。

逆張りの売りは組み合わせても直らない

売り側は、単体でも組み合わせでもほぼ全滅でした。1時間足の2025年は15通りすべてが赤字で、最も浅い赤字がRSI65以上の−324.6pipsです。

このシリーズでは、逆張りの売りが上げ相場で壊れることを繰り返し測ってきました。2024年のドル円は140.87円から157.20円へ上げた年です。ただし2025年は157.23円で始まって156.67円で終わった年で、それでも売り側は1時間足で15通りすべてが赤字でした。相場の向きだけでは説明がつきません。

そして組み合わせは、この赤字を浅くしていません。1時間足・2025年のRSI70以上は単体で−1,040.3pips、2σを足すと−1,158.0pipsです。勝率も42.47%から32.08%へ10.39ポイント下がりました。

コスト

支払ったスプレッドは、取引回数×0.3pipsと一致しました。1時間足の18通りすべてで計算どおりです。

向き条件取引回数支払ったスプレッド回数×0.3pips
買いRSI30+1.5σ82回24.5pips24.6pips
買いRSI30+2σ74回22.1pips22.2pips
買いRSI35+1.5σ130回38.9pips39.0pips
売りRSI70+2σ53回15.8pips15.9pips
売りRSI65+1.5σ127回38.0pips38.1pips

組み合わせると取引回数が減るので、コストも減ります。1時間足の買いでRSI35以下は145回で43.5pips、2.5σを足すと87回で26.1pipsです。17.4pipsのコストは浮きますが、その代わり58回の売買を捨てています。

関連記事

補足

対象は米ドル/円の2024年1月1日から2025年12月31日です。終値約定、スプレッド0.3pips固定、0.1ロットで計算しました。RSIは期間14、ボリンジャーバンドは期間20です。ランダムの範囲は、母集団から組み合わせと同じ本数を無作為に取り出す操作を1,000回繰り返し、勝率を並べて下から2.5%と97.5%の位置を取ったものです。乱数は固定の種から作っているので同じ値が再現できます。母集団と組み合わせの本数が同じになる場合は取り出す余地がないため、母集団そのものの値を範囲としています。1本後から20本後までを見るため、年の終わりからその本数ぶんは対象から外しています。

よくある質問

RSIとボリンジャーバンドを組み合わせると勝率は上がりますか?
この検証では上がりませんでした。1時間足で18通り(買い売り×RSI水準3種×偏差3種)を単体のRSIと比べると、勝率が上回ったのは5通りだけです。売り側は9通りすべてで下がり、最大で10.39ポイント落ちました。
組み合わせは本当に「絞り込み」として効いているのですか?
同じ数だけランダムに間引いた場合と比べると、効いていませんでした。RSIの母集団から同じ本数を1,000回ランダムに選び、その勝率の95%の範囲と比べると、108通りのうち21通りがその範囲の外に出ます。ただし19通りは下、上に出たのは2通りだけでした。
ボリンジャーバンドの条件はどんな足を選んでいるのですか?
RSIの水準が同じまま、値動きの速い足を選んでいます。RSIが30以下の足を「バンドに触れた」「触れなかった」で分けると、直前5本の値動きはATR比で1.80〜2.82倍、足そのものの大きさは1.43〜2.03倍でした。一方でRSIの平均値の差は2.1ポイント未満です。
RSIとボリンジャーバンドの組み合わせで勝てる設定はありますか?
1時間足の買い側だけ、15通り中7通りが2024年と2025年の両方で黒字でした。ただしそのうち5通りは、組み合わせる前のRSI単体でもすでに両年黒字です。単体では赤字だったものが組み合わせて黒字になったのは、1時間足の買いで2通りだけでした。
Formiqで組み合わせを検証できますか?
できます。バックテストの条件一覧でRSIとボリンジャーバンドを同時に有効にし、判定を「すべて満たす」にすると両方が同じ向きを指した足だけが残ります。この記事の720通りもその形で回しました。

Formiqは、リプレイ練習とノーコードバックテストをブラウザだけで使える無料のFXツールです。 チャートを開く、または無料プランでできることをご覧ください。